稼働中の非大域ゾーン内でファイルシステムをマウントできます。具体的には、次の作業について説明しています。
大域ゾーンの大域管理者として、raw デバイスおよびブロックデバイスを非大域ゾーンにインポートできます。デバイスのインポート後に、ゾーン管理者はディスクにアクセスできます。その後、ゾーン管理者はディスク上に新しいファイルシステムを作成して、次のいずれかの操作を実行できます。
ファイルシステムを手動でマウントします
ファイルシステムがゾーンのブート時にマウントされるように、/etc/vfstab 内に配置します
大域管理者として、大域ゾーンのファイルシステムを非大域ゾーンにマウントすることもできます。
この手順では、lofi ファイルドライバを使用します。このドライバは、ファイルをブロックデバイスとしてエクスポートします。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
ディレクトリを /usr/tmp に変更します。
global# cd /usr/tmp |
新しい UFS ファイルシステムを作成します。
global# mkfile 10m fsfile |
ファイルをブロックデバイスとして接続します。
ほかの lofi デバイスが作成されていない場合、使用可能な最初のスロット /dev/lofi/1 が使用されます。
global# lofiadm -a `pwd`/fsfile |
必要な文字デバイスも取得します。
デバイスをゾーン my-zone にインポートします。
global# zonecfg -z my-zone zonecfg:my-zone> add device zonecfg:my-zone:device> set match=/dev/rlofi/1 zonecfg:my-zone:device> end zonecfg:my-zone> add device zonecfg:my-zone:device> set match=/dev/lofi/1 zonecfg:my-zone:device> end |
ゾーンを再起動します。
global# zoneadm -z my-zone boot |
ゾーンにログインして、デバイスのインポートが成功したことを確認します。
my-zone# ls -l /dev/*lofi/* |
次のような内容が表示されます。
brw------- 1 root sys 147, 1 Jan 7 11:26 /dev/lofi/1 crw------- 1 root sys 147, 1 Jan 7 11:26 /dev/rlofi/1 |
詳細は、lofiadm(1m) および lofi(7D) のマニュアルページを参照してください。
この手順を実行するには、ゾーン管理者になり、Zone Management プロファイルを保持する必要があります。この手順では、newfs コマンドを使用します。このコマンドの詳細は、newfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
スーパーユーザーになるか、プロファイルリスト内の Zone Management 権利プロファイルを保持します。
ゾーン my-zone 内で、ディスク上に新しいファイルシステムを作成します。
my-zone# newfs /dev/lofi/1 |
プロンプトに yes で応答します。
newfs: construct a new file system /dev/rlofi/1: (y/n)? y |
次のような内容が表示されます。
/dev/rlofi/1: 20468 sectors in 34 cylinders of 1 tracks, 602 sectors 10.0MB in 3 cyl groups (16 c/g, 4.70MB/g, 2240 i/g) super-block backups (for fsck -F ufs -o b=#) at: 32, 9664, 19296, |
ファイルシステムのエラーを検査します。
my-zone# fsck -F ufs /dev/rlofi/1 |
次のような内容が表示されます。
** /dev/rlofi/1 ** Last Mounted on ** Phase 1 - Check Blocks and Sizes ** Phase 2 - Check Pathnames ** Phase 3 - Check Connectivity ** Phase 4 - Check Reference Counts ** Phase 5 - Check Cyl groups 2 files, 9 used, 9320 free (16 frags, 1163 blocks, 0.2% fragmentation) |
ファイルシステムをマウントします。
my-zone# mount -F ufs /dev/lofi/1 /mnt |
マウントを検証します。
my-zone# grep /mnt /etc/mnttab |
次のような内容が表示されます。
/dev/lofi/1 /mnt ufs rw,suid,intr,largefiles,xattr,onerror=panic,zone=foo,dev=24c0001 1073503869 |
ここでは、ブロックデバイス /dev/lofi/1 をファイルシステムパス /mnt にマウントする手順を説明します。ブロックデバイスには UFS ファイルシステムが含まれます。次のオプションを使用します。
マウントオプションとして logging を使用します。
yes は、ゾーンの起動時にファイルシステムを自動的にマウントするよう、システムに指示します。
/dev/rlofi/1 は文字 (または raw) デバイスです。必要に応じて、fsck コマンドを raw デバイスで実行します。
スーパーユーザーになるか、プロファイルリスト内の Zone Management 権利プロファイルを保持します。
ゾーン my-zone 内で、次の行を /etc/vfstab に追加します。
/dev/lofi/1 /dev/rlofi/1 /mnt ufs 2 yes logging |
ゾーンが zonepath /export/home/my-zone を保持するものとします。ここで、大域ゾーンのディスク /dev/lofi/1 を非大域ゾーン内の /mnt にマウントします。
この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。
スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。
役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。
ディスクを非大域ゾーンの /mnt にマウントするには、大域ゾーンから次のように入力します。
global# mount -F ufs /dev/lofi/1 /export/home/my-zone/root/mnt |
lofi の詳細については、lofiadm(1M) および lofi(7D) のマニュアルページを参照してください。