Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

ゾーンの概要

Solaris ゾーン区分技術は、オペレーティングシステムサービスを仮想化し、アプリケーションの実行に適した安全で隔離された環境を実現するために使用されます。「ゾーン」は、Solaris オペレーティングシステムの 1 つのインスタンス内で作成される、仮想化されたオペレーティングシステム環境です。ゾーンを作成すると、そのアプリケーション実行環境で実行されるプロセスは、システムのほかの部分から隔離されます。この分離を行うことで、1 つのゾーン内で稼働しているプロセスがほかのゾーンで稼働しているプロセスを監視したりそれらのプロセスに影響を及ぼしたりすることが防止されます。スーパーユーザー資格で実行されているプロセスであっても、ほかのゾーンの活動を監視したり操作したりすることはできません。

また、ゾーンにより、アプリケーションを配備するマシンの物理的属性からアプリケーションを分離する抽象層も提供されます。このような属性の例として、物理デバイスパスがあります。

ゾーンは、Solaris 10 リリース以降を実行しているすべてのマシンで使用できます。システムに作成できるゾーン数の上限は 8192 です。1 つのシステムで効率的にホストできるゾーン数は、すべてのゾーンで実行されるアプリケーションソフトウェアに必要な総資源量によって決まります。

Solaris 10 リリースでは、非大域ゾーンのルートファイルシステムモデルには 2 種類あります。疎ルートと完全ルートです。「疎ルートゾーン」モデルは、オブジェクトの共有を最適化します。「完全ルートゾーン」モデルは、構成に関して最大の構成可能性を提供します。 これらの概念については、第 18 章非大域ゾーンの計画と構成 (手順)を参照してください。

Solaris 10 9/10: インストールされる製品 (システム資産と呼ばれる) は、自動登録機能によって制御されます。インストール中に、ユーザーは資格を入力するか、または匿名で登録します。システムの再起動時に、新しい製品のサービスタグが My Oracle Support サーバーにアップロードされます。この機能は、大域ゾーンでのみ使用できます。詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。