Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

非大域ゾーンの特性

ゾーンを使用すると、必要に応じてほぼどのような単位にも細かく隔離できます。専用の CPU、物理デバイス、物理メモリーの一部分などをゾーンに割り当てる必要はありません。このような資源は、1 つのドメインまたはシステムで実行される複数のゾーンに渡って多重化するか、オペレーティングシステムに用意されている資源管理機能を使ってゾーンごとに割り当てることができます。

ゾーンごとにカスタマイズされたサービスを提供できます。基本的なプロセス隔離を強化するために、同じゾーン内のプロセスのみ互いに認識したりシグナルを送信したりできます。ゾーン間で基本的な通信を行うには、各ゾーンに IP 接続機能を持たせます。あるゾーンで実行中のアプリケーションが、別のゾーンのネットワークトラフィックを監視することはできません。それぞれのパケットストリームが同じ物理インタフェースを通過する場合でも、この隔離は維持されます。

各ゾーンには、ファイルシステム階層の一部分が割り当てられます。各ゾーンは、ファイルシステム階層で割り当てられた部分ツリーに限定されます。したがって、特定のゾーンで実行されている作業負荷は、別のゾーンで実行されているほかの作業負荷のディスク上のデータにアクセスすることはできません。

ネームサービスで使用されるファイルは、ゾーン独自のルートファイルシステムのビュー内に置かれます。したがって、異なるゾーンのネームサービスは互いに隔離され、サービスごとに異なる設定を使用できます。