Solaris のシステム管理 (システム管理エージェント)

管理情報構造

MIB の書記法は、「管理情報構造 (SMI: Structure of Management Information)」と呼ばれる一連の規則に従っています。この文書セットには、次の情報を指定するものとして業界で広く受け入れられている方法および規則が含まれています。

システム管理エージェントはSMIv2 を使用します。SMIv2 は、論理アクセスが可能になるようにオブジェクト名編成を規定しています。SMIv2 によれば、管理対象の各オブジェクトには次の属性が必要です。

名前

この名前が、オブジェクトを一意に識別するオブジェクト識別子 (OID) です。オブジェクトに OID 値を割り当てると、そのオブジェクトが登録されます。詳細については、「ISO 名前空間ツリー」を参照してください。

構文

構文は、整数型、8 ビット文字列型などのデータ型を定義します。

エンコーディング

エンコーディングは、管理対象オブジェクトに関連付けられた情報をマシン間で伝送するために直列化する方法を示します。

コミュニティー文字列

SNMP では、マネージャー (複数可) と 1 つのエージェントで、1 つの「コミュニティー」を構成します。SNMPv1 および v2c のメッセージには、コミュニティーの名前が含まれています。これは、「コミュニティー文字列」と呼ばれます。SNMPv3 パケットが USM 設定で指定されたユーザーに関連付けられるのに対して、SNMPv2 および v1 のパケットは、コミュニティー文字列に関連付けられています。コミュニティー文字列は 8 ビットの文字変数であり、これを使って次のチェックを行うことができます。

SMA でサポートされる VACM には、コミュニティー文字列モデルと動的アクセス制御モデルの詳細が記載されています。SNMPv3 の動的アクセス制御モデルについては、「VACM によるアクセス制御」を参照してください。

com2sec トークンは、コミュニティーで VACM ビューを使用できるようにするため、コミュニティーと SNMPv3 セキュリティー名のマッピングを行います。詳細については、第 4 章「セキュリティーの管理」を参照してください。