Solaris のシステム管理 (システム管理エージェント)

システム管理エージェントのコンポーネント

システム管理エージェントは、SNMP 管理フレームワークに関連する標準のエージェントコンポーネントを実装しています。このフレームワークは、複数の標準で構成されています。たとえば、次のような標準があります。

関連する他の RFC の詳細については、「サポートされる MIB」を参照してください。システム管理エージェントの構成は変更可能です。構成の変更やその他の単純な SNMP 操作を実行するためのコマンド行ツールが用意されています。システム管理エージェントは、動的モジュールと Agent-X サブエージェントを使って拡張できます。詳細については、『Solaris System Management Agent Developer’s Guide 』を参照してください。

システム管理エージェントに付属している各種パッケージの概要については、「プラットフォームとパッケージ」を参照してください。

システム管理エージェントの一部のコンポーネントの関係については、図 1–2 を参照してください。

図 1–2 システム管理エージェントのコンポーネント

この図は、SMA コンポーネントの相互関係を示します。

この図は、セキュリティーおよび承認を使用して、メッセージプロセッサ、ディスパッチャー、および OID の登録処理を行うプログラム群の相互関係を示しています。この図では、その他の SNMP エージェントが、プロキシを介してシステム管理エージェントと通信しています。この図ではまた、AgentX サブエージェントが、AgentX プロトコルを使ってシステム管理エージェントと通信しています。AgentX の詳細については、「AgentX プロトコルの使用」を参照してください。図 1–2 に記載されたコンポーネントの通信の詳細については、『Solaris System Management Agent Developer’s Guide』「Overview of the System Management Agent」を参照してください。

ISO 名前空間ツリー

すべての管理対象オブジェクト (デバイスまたはデバイスの特性) は、名前、構文、およびエンコーディングを持っています。この名前が、オブジェクトを一意に識別するオブジェクト識別子 (OID) です。OID は、整数をピリオドで区切った形式で表されます。たとえば、1.3.6.1.2.1.1.1.0 は、管理サブツリーのシステムグループ内のシステムの説明を指定します。OID スキーマの一部は、ISO 組織によって作成されました。このため、OID 値を表すのに使用されるツリー構造の図を「ISO 図」と呼びます。システム管理エージェント全体の ISO 図を、図 1–3 に示します。

SMA の OID は 1.3.6.1.4.1.42.2.2.4 です。

この OID は次のデータに相当します。

iso.org.dod.internet.private.enterprises.sun.products.management.sma
図 1–3 ISO 名前空間ツリーの図

図は、SMA の OID データを示します。

サポートされる MIB

システム管理エージェントは次の MIB をサポートしています。

SNMP-COMMUNITY MIB

RFC 2576 で定義されています。 http://www.ietf.org/rfc/rfc2576.txt を参照してください

SNMPv2-TM (トランスポートのマッピング)

RFC 3417 で定義されています。http://www.ietf.org/rfc/rfc3417.txt を参照してください

SNMP-MPD-MIB (メッセージ処理と振り分け)

RFC 3412 で定義されています。http://www.ietf.org/rfc/rfc3412.txt を参照してください

SNMP-TARGET-MIB (トラップのターゲットの仕様)

RFC 3413 で定義されています。http://www.ietf.org/rfc/rfc3413.txt を参照してください

SNMP-NOTIFICATION-MIB (トラップフィルタリング)

RFC 3413 で定義されています。http://www.ietf.org/rfc/rfc3413.txt を参照してください

SNMP-PROXY-MIB (トラップ転送)

RFC 3413 で定義されています。http://www.ietf.org/rfc/rfc3413.txt を参照してください

SNMP-USER-BASED-SM-MIB (SNMPv3 用のユーザーに基づくセキュリティーモデル)

RFC 3414 で定義されています。http://www.ietf.org/rfc/rfc3414.txt を参照してください

SNMP-VIEW-BASED-ACM-MIB (SNMP 用のビューに基づくアクセス制御モデル)

RFC 3415 で定義されています。http://www.ietf.org/rfc/rfc3415.txt を参照してください

SNMPv2-MIB

RFC 3418 で定義されています。http://www.ietf.org/rfc/rfc3418.txt を参照してください

MIB II

RFC 1213 で定義されています。http://www.ietf.org/rfc/rfc1213.txt を参照してください

ホストリソース MIB

RFC 2790 で定義されています。http://www.ietf.org/rfc/rfc2790.txt を参照してください

Sun MIB

Solstice Enterprise Agents ソフトウェアからの移行に関連しています。詳細については、「Solstice Enterprise Agents ソフトウェアからの移行」を参照してください。Solstice Enterprise Agents ソフトウェアからのアプリケーションの移行については、『Solaris System Management Agent Developer’s Guide』の第 10 章「Migration of Solstice Enterprise Agents to the System Management Agent」を参照してください。

システム管理エージェントの起動後に初期化されるMIB の一覧については、「初期化された MIB を確認するには」に記述されている手順に従うと参照できます。

MIB 定義のテキストファイルは、/etc/sma/snmp/mibs/ にあります。