Solaris WBEM 開発ガイド

WQL キーワード

Solaris WBEM SDK では、Level 1 WBEM SQL がサポートされます。Level 1 WBEM SQL では、join のない簡単な select 操作を行うことができます。次の表に、Sun WBEM SDK でサポートされる WQL キーワードを示します。

表 5–2 サポートされる WQL キーワード

キーワード 

説明 

AND 

2 つのブール式を結合し、両方の式が True であれば、True を返す 

FROM 

SELECT 文にリストされているプロパティを持つクラスを指定する

NOT 

NULL 文字と共に使用される比較演算子 

OR 

2 つの条件を結合する。1 つの文に複数の論理演算子が使用されていると、OR 演算子 (論理和演算子) は AND 演算子 (論理積演算子) より後に評価される 

SELECT 

照会で使用されるプロパティを指定する 

WHERE 

照会のスコープを狭める 

LIKE 

提供された最低限の情報に基づいて結果セットを生成する 

SELECT

SELECT 文を使用して単一のクラスとそのサブクラスのインスタンスを取得します。取得するプロパティおよび満たす必要がある条件を指定することもできます。


注 –

現時点では、join 操作はサポートされません。


SELECT 文の構文は、次のとおりです。

SELECT list FROM class WHERE condition

次の表に、SELECT 文の検索を改良する引数の使用例を示します。

表 5–3 SELECT 文の例

照会例 

説明 

SELECT * FROM class

指定されたクラスとそのすべてのサブクラスのすべてのインスタンスを選択する。返されるインスタンスには、すべてのプロパティが含まれる 

SELECT PropertyA FROM class

指定されたクラスとそのすべてのサブクラスのうち、PropertyA を持つすべてのインスタンスを選択する

SELECT PropertyA, PropertyB FROM class WHERE PropertyB=20

指定されたクラスとそのすべてのサブクラスのうち、PropertyB=20 を持つすべてのインスタンスを選択する。返された各インスタンスには、PropertyAPropertyB だけが含まれる

FROM

FROM 句では、照会文字列に一致するインスタンスが含まれているクラスを指定します。WQL FROM 句では、join 以外の式だけがサポートされます。したがって、WQL FROM 句には 1 つのクラスしか指定できません。

FROM 句は、abstract クラス fromExp によって表されます。現時点では、fromExp の直接のサブクラスは NonJoinExp だけです。NonJoinExp サブクラスは、1 つのテーブル (CIM クラス) だけを指定した FROM 句を表しています。SELECT 操作はこのテーブルに対して行われます。

WHERE

WHERE 句は、照会のスコープを狭めるためのものです。この句には条件式が含まれています。これらの条件式には、プロパティまたはキーワード、演算子、定数が含まれます。

次に、SELECT 文のあとに追加する WHERE 句の構文の例を示します。

SELECT CIMinstance FROM CIMclass WHERE conditional_expression

WHERE 句の conditional_expression は、次の形式です。

 
property operator constant

expression には、プロパティまたはキーワード、演算子、定数を指定します。WHERE 句を SELECT 文の後に追加するには、次のどちらかの形式を使用します。

SELECT instance FROM class WHERE constant operator property

WHERE 句は次の規則に従う必要があります。

WHERE 句で使用できる標準の WQL 演算子

SELECT 文の WHERE 句の二値式では、次の標準の WQL 演算子を使用できます。

表 5–4 WHERE 句で使用できる WQL 演算子

演算子 

説明 

等しい 

より小さい 

より大きい 

<= 

以下 

>= 

以上 

<> 

等しくない