Solaris WBEM 開発ガイド

第 9 章 問題発生時の解決方法

この章の内容は次のとおりです。

ログビューアを使ってログデータを調べる

WBEM ロギングサービスは、アプリケーション開発者やプロバイダの作成者がログファイルにログメッセージを書き込むことを可能にします。WBEM ログファイルで、管理サブシステムから生成されるエラーメッセージ、警告メッセージ、および情報メッセージを追跡します。たとえば、次のような状態の時にログメッセージを書き込みます。

ログレコードを作成したあとは、Solaris 管理コンソール アプリケーションとログビューアを起動することができます。ログレコードは、Solaris 管理コンソールソフトウェアを起動した時に自動的に作成されます。

ログレコードの詳細のすべてを Solaris 管理コンソールのログビューアで見ることができます。

ProcedureSolaris 管理コンソールアプリケーションとログビューアを起動する方法

手順
  1. Solaris 管理コンソールを起動するには、次のコマンドを入力します。


    $ smc
    
  2. 「ナビゲーション (Navigation)」パネルで、「このコンピュータ (This Computer)」をダブルクリックするか、その横にある展開 / 圧縮のアイコンをクリックします。

    「このコンピュータ (This Computer)」の下に、コマンドのツリーが表示されます。

  3. 「システムステータス (System Status)」をダブルクリックします。

    「ログビューア (Log Viewer)」アイコンが表示されます。

  4. 「ログビューア (Log Viewer)」アイコンをクリックします。

    ログビューアが起動します。

    「管理ツール: Solaris 管理コンソール」ウィンドウ。「ナビゲーション」パネル、選択可能ないくつかのログ、「情報」パネルが表示されています。

WBEM のエラーメッセージについて

CIM オブジェクトマネージャ (CIMOM) によって、MOF (Managed Object Format) コンパイラと CIM Workshop で使用されるエラーメッセージが生成されます。MOF コンパイラにより、.mof ファイルのどこでエラーが発生したかを示す行番号が、エラーメッセージに追加されます。


注 –

MOF コンパイラの詳細については、mofcomp(1M) のマニュアルページを参照してください。


エラーメッセージの構成

エラーメッセージは、次の要素から構成されます。


例 9–1 エラーメッセージの構成

MOF コンパイラは、次のようなエラーメッセージを返します。

REF_REQUIRED = Association class CIM_Docked needs at least two refs. 
Error in line 12.

WBEM のエラーメッセージ

この節では、WBEM エラーメッセージを、一意の識別子順に説明します。


ABSTRACT_INSTANCE

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用します。このパラメータは abstract クラスの名前に置換されています。

原因:

インスタンスを作成しようとしましたが、指定したクラスは abstract クラスであり、abstract クラスはインスタンスを持てません。

対処方法:

concrete クラスのインスタンスを作成してください。


CANNOT_ASSUME_ROLE

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、ユーザー名に置き換えられます。

  • {1} は、役割名に置き換えられます。

原因:

指定された主体は、指定された役割を担えません。

対処方法:

ユーザーが指定された役割に適切な権限を持っているかどうかを確認します。ユーザーが適切な権限を持っていない場合、担当のシステム管理者にお問い合わせください。


CHECKSUM_ERROR

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

メッセージは、壊れているため送信できませんでした。この損傷は、送信中に誤って生じたか、あるいは第三者によって故意に壊された可能性があります。


注 –

このエラーメッセージは、CIMOM が無効なチェックサムを受信した場合に表示されます。ネットワーク経由で渡されたデータパケット内のビット数が、チェックサムになります。データの送信者と受信者は、この数値を使って、データが送信時に損傷を受けたり改ざんされたりしていないことを確認します。この数値は、データ通信がセキュリティ保護されていることを確認する目的でも使用されます。

送信前に、データに対してアルゴリズムが実行されます。この実行により生成されたチェックサムがデータに含められ、データパケットのサイズを示します。メッセージを受信すると、受信者はチェックサムを再計算し、送信者のチェックサムと比較できます。チェックサムが一致すれば、送信は安全に行われ、データの破損や変更が起きなかったと言えます。


対処方法:

Solaris WBEM サービスのセキュリティ機能を使ってメッセージを再送信してください。Solaris WBEM サービス のセキュリティ機能については、第 8 章「セキュリティの管理」を参照してください。


CIM_ERR_ACCESS_DENIED

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

このエラーメッセージは、処理を実行するために必要な特権およびアクセス権がユーザーにない場合に表示されます。

対処方法:

システム管理者または CIMOM の管理者に、処理を実行する特権を要求してください。


CIM_ERR_ALREADY_EXISTS

説明:

例 1:CIM_ERR_ALREADY_EXISTS

説明:

このインスタンスはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは重複したクラス名に置換されています。

原因:

作成しようとしたクラスと同じ名前のクラスがすでに存在しています。

対処方法:

CIM Workshop で既存のクラスを検索して、使用中のクラス名を確認します。そしてクラス名が一意になるようにクラスを作成します。

説明:

例 2:CIM_ERR_ALREADY_EXISTS

説明:

このインスタンスはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは重複したインスタンス名に置換されています。

原因:

作成しようとしたクラスのインスタンスと同じ名前のインスタンスがすでに存在しています。

対処方法:

CIM Workshop で既存のインスタンスを検索して、使用中の名前を確認し、一意の名前でインスタンスを作成します。

説明:

例 3:CIM_ERR_ALREADY_EXISTS

説明:

このインスタンスはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは重複した名前空間名に置換されています。

原因:

作成しようとした名前空間と同じ名前の名前空間がすでに存在しています。

対処方法:

CIM Workshop で既存の名前空間を検索して使用されている名前を確認します。次に一意の名前を使用して名前空間を作成します。

説明:

例 4:CIM_ERR_ALREADY_EXISTS

説明:

このインスタンスはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは重複した修飾子型の名前に置換されています。

原因:

指定されたプロパティに、作成しようとした修飾子型と同じ名前の修飾子型がすでに存在しています。

対処方法:

CIM Workshop でプロパティの既存の修飾子型を検索して、使用されている名前を確認し、一意の名前で修飾子型を作成します。


CIM_ERR_CLASS_HAS_CHILDREN

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはクラス名に置換されています。

原因:

この例外は、スーパークラスを削除することによってサブクラスが無効にならないように、CIMOM によってスローされます。クライアントは、まず明示的にサブクラスを削除する必要があります。クラスインスタンスの検査前にサブクラスが検査されます。

対処方法:

指定したクラスのサブクラスを削除します。


CIM_ERR_CLASS_HAS_INSTANCES

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはクラス名に置換されています。

原因:

インスタンスを持つクラスを削除しようとすると、この例外がスローされます。

対処方法:

指定したクラスのインスタンスを削除します。


CIM_ERR_FAILED

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはエラー条件と、考えられるその原因を説明したメッセージに置換されています。

原因:

これは、さまざまなエラー条件で表示される汎用エラーメッセージです。

対処方法:

解決方法はエラー条件によって異なります。


CIM_ERR_INVALID_PARAMETER

説明:

このエラーメッセージは、パラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは無効なパラメータ名に置換されています。

原因:

パラメータ名またはメソッド名が無効です。

対処方法:

パラメータを修正します。


CIM_ERR_INVALID_QUERY

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、照会の無効部分に置換されます。

  • {1} は、照会の実際のエラーなどの追加情報に置換されます。

原因:

指定された照会には、構文エラーまたは意味上のエラーのいずれかが含まれます。

対処方法:

例外の詳細情報に従ってエラーを修正します。さらに、照会文字列と照会言語が一致することを確認します。


CIM_ERR_INVALID_SUPERCLASS

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、指定されたスーパークラスの名前に置換されます。

  • {1} は、指定されたサブクラスが存在しないクラスの名前に置換されます。

原因:

あるスーパークラスのサブクラスに属するクラスが指定されましたが、そのスーパークラスは存在しません。指定されたスーパークラスにスペルミスがあるか、あるいは意図したスーパークラス名の代わりに存在しないスーパークラス名が指定されたことが考えられます。そのスーパークラスとサブクラスが変更された可能性もあります。つまり、指定されたスーパークラスが、実際には指定されたクラスのサブクラスになっている可能性があります。この例では、CIM_Container のスーパークラスとして CIM_Chassis が指定されていますが、CIM_ChassisCIM_Container のサブクラスです。

対処方法:

スーパークラスのスペルと名前が正しいか確認し、名前空間内にそのスーパークラスが存在することを確認します。


CIM_ERR_LOW_ON_MEMORY

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

CIMOM のメモリー不足です。

対処方法:

クラス定義および静的インスタンスの一部を削除してメモリーを解放します。


CIM_ERR_NOT_FOUND

説明:

例 1:CIM_ERR_NOT_FOUND

説明:

このインスタンスはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは存在しないクラス名に置換されています。

原因:

指定されたクラスが存在しません。指定されたクラスにスペルミスがあるか、あるいは意図したクラス名の代わりに誤って存在しないクラス名が指定されたことが考えられます。

対処方法:

クラスのスペルと名前が正しいか確認し、名前空間内にそのクラスが存在することを確認します。

説明:

例 2:CIM_ERR_NOT_FOUND

説明:

このインスタンスは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、指定されたインスタンスの名前に置換されます。

  • {1} は、指定されたクラスの名前に置換されます。

原因:

インスタンスが存在しません。

対処方法:

インスタンスを作成します。

説明:

例 3:CIM_ERR_NOT_FOUND

説明:

このインスタンスはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは指定された名前空間名に置換されています。

原因:

指定された名前空間が見つかりません。このエラーは、入力ミスまたはスペルミスのために入力された名前空間名が正しくない場合に発生します。

対処方法:

名前空間名を再入力してください。名前空間を正しく入力したかどうか、スペルを確認してください。


CIM_ERR_QUERY_LANGUAGE_NOT_SUPPORTED

説明:

このエラーメッセージは、パラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは無効な照会言語文字列に置換されています。

原因:

要求された照会言語は、CIM によって認識されません。

対処方法:

サポートされる照会言語を使用してください。


CLASS_REFERENCE

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} パラメータは、参照関係を定義されたクラス名に置換されます。

  • {1} パラメータは、参照名に置換されます。

原因:

あるクラスに、そのクラスが参照を持つことを示すプロパティが定義されました。ただし、そのクラスは関連の一部ではありません。プロパティとして参照を持つことができるのは、関連クラスだけです。

対処方法:

結合修飾子を追加するか、参照を削除します。


INVALID_CREDENTIAL

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

このエラーメッセージは、無効なパスワードが入力された場合、またはクライアントアプリケーションの認証検査を含めるように CLASSPATH が設定されていない場合に表示されます。

対処方法:

この問題には、2 つの対処方法が考えられます。

  • 正しいパスワードを使用してください。

  • CLASSPATH に次のディレクトリおよびファイルが含まれていることを確認してください。/usr/sadm/lib/wbem/extension:/usr/sadm/lib/wbem/sunwbem.jar


INVALID_DATA

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

セキュリティ認証データが無効か、使用中のセキュリティメカニズムと互換性がありません。

対処方法:

使用するセキュリティモジュールが正しく構成されているかどうか確認します。


INVALID_QUALIFIER_NAME

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは空の修飾子名を表す MOF 表記に置換されています。

原因:

プロパティの修飾子が作成されましたが、修飾子の名前が指定されませんでした。

対処方法:

修飾子を含めます。


KEY_OVERRIDE

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} パラメータは、1 つまたは複数のキー修飾子を持つクラスをオーバーライドする concrete クラスの名前に置換されます。

  • {1} パラメータは、キー修飾子を持つ concrete クラス名に置換されます。

原因:

非 abstract クラス、つまり concrete クラスによって、1 つまたは複数のキー修飾子を持つ concrete クラスをオーバーライドするようになっています。CIM では、すべての concrete クラスは 1 つ以上のキー修飾子を必要とし、キークラス以外のクラスはキーを持つクラスをオーバーライドできません。

対処方法:

非キークラスにキー修飾子を作成します。


KEY_REQUIRED

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはキーを必要とするクラス名に置換されています。

原因:

concrete クラスにキー修飾子が指定されませんでした。CIM では、concrete クラスと呼ばれる非 abstract クラスにはすべて、1 つ以上の修飾子が必要です。

対処方法:

クラスにキー修飾子を作成します。


METHOD_OVERRIDDEN

説明:

このエラーメッセージは、次の 3 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、パラメータ {1} で示されるメソッドのオーバーライドを試みているメソッド名に置換されます。

  • {1} は、パラメータ {2} で示されるメソッドによってすでにオーバーライドされているメソッド名に置換されます。

  • {2} は、パラメータ {1} をオーバーライドしたメソッド名に置換されます。

原因:

3 つ目のメソッドによってすでにオーバーライドされている別のメソッドのオーバーライドを試みるメソッドが指定されました。オーバーライド済みのメソッドを再度オーバーライドすることはできません。

対処方法:

オーバーライドする別のメソッドを指定します。


NEW_KEY

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、キーの名前に置換されます。

  • {1} は、新しいキーを定義しようとするクラス名に置換されます。

原因:

あるクラスが新しいキーを定義しようとしていますが、スーパークラス内にキーがすでに定義されています。スーパークラスにいったんキーが定義されると、サブクラスに新しいキーを設定することはできません。

対処方法:

新しいキーを定義しないでください。


NO_CIMOM

説明:

このエラーメッセージは、パラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは CIMOM の実行ホストに指定されたホスト名に置換されています。

原因:

指定されたホスト上で CIMOM が実行されていません。

対処方法:

接続しようとするホストで CIMOM が動作していることを確認します。そのホストで CIMOM が動作していない場合は、CIMOM が動作しているホストに接続します。


NO_EVENT_PROVIDER

説明:

イベントプロバイダが見つかりません。

原因:

プロパティプロバイダクラスが見つかりません。

対処方法:

CIMOM の CLASSPATH にプロバイダクラスのパラメータ、プロバイダが定義された指示クラス、および Java プロバイダクラス名が含まれることを確認します。CIMOM の Solaris プラットフォームプロバイダが設定されており、プロバイダ修飾子が正しいことを確認します。


NO_INSTANCE_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、インスタンスプロバイダが見つからないクラス名に置換されます。

  • {1} は、指定されたインスタンスプロバイダ名に置換されます。

原因:

指定されたインスタンスプロバイダの Java クラスが見つかりません。このエラーメッセージは、CIMOM の CLASSPATH に、次の項目のうち 1 個以上が欠けていることを示します。

  • プロバイダクラス名

  • プロバイダクラスのパラメータ

  • プロバイダが定義される CIM クラス

対処方法:

CIMOM の CLASSPATH 環境変数を設定します。CIMOM の Solaris プラットフォームプロバイダが設定されており、プロバイダ修飾子が正しいことを確認します。


NO_METHOD_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、メソッドプロバイダが見つからないクラス名に置換されます。

  • {1} は、指定されたメソッドプロバイダクラスの名前に置換されます。

原因:

指定されたメソッドプロバイダの Java クラスが見つかりません。このエラーメッセージは、CIMOM の CLASSPATH に、次の項目のうち 1 個以上が欠けていることを示します。

  • プロバイダクラス名

  • プロバイダクラスのパラメータ

  • プロバイダが定義される CIM クラス

対処方法:

CIMOM の CLASSPATH を設定します。CIMOM の Solaris プラットフォームプロバイダが設定されており、プロバイダ修飾子が正しいことを確認します。


NO_OVERRIDDEN_METHOD

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、{1} で示されるメソッドをオーバーライドしたメソッド名に置換されます。

  • {1} は、オーバーライドされたメソッド名に置換されます。

原因:

サブクラスのメソッドが、スーパークラスのメソッドをオーバーライドしようとしています。しかし、オーバーライドしようとしているメソッドが定義されておらず、クラス階層内に存在しません。

メソッドをオーバーライドすると、その実装とシグニチャーもオーバーライドされます。

対処方法:

スーパークラス内にそのメソッドが存在することを確認します。


NO_OVERRIDDEN_PROPERTY

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、{1} をオーバーライドしたプロパティ名に置換されます。

  • {1} は、プロパティをオーバーライドする名前に置換されます。

原因:

サブクラスのプロパティが、スーパークラスのプロパティをオーバーライドしようとしています。しかし、メソッドが定義されていないため、オーバーライドしようとしているプロパティがクラス階層内に存在しません。

対処方法:

スーパークラスにそのプロパティが存在することを確認します。


NO_PROPERTY_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、プロパティプロバイダが見つからないクラス名に置換されます。

  • {1} は、指定されたプロパティプロバイダの名前に置換されます。

原因:

指定されたプロパティプロバイダの Java クラスが見つかりません。このエラーメッセージは、CIMOM の CLASSPATH に、次の項目のうち 1 個以上が欠けていることを示します。

  • プロバイダクラス名

  • プロバイダクラスのパラメータ

  • プロバイダが定義される CIM クラス

対処方法:

CIMOM の CLASSPATH を設定します。接続しようとするホストで CIMOM が動作していることを確認します。そのホストで CIMOM が動作していない場合は、CIMOM が動作しているホストに接続します。


NO_QUALIFIER_VALUE

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、要素 {1} を変更する修飾子の名前に置換されます。

  • {1} は、修飾子の参照先である要素です。{1} は、修飾子に応じてクラス、プロパティ、メソッド、または参照のいずれかです。

原因:

プロパティまたはメソッドに修飾子が指定されましたが、修飾子に値が含まれていません。たとえば、修飾子 VALUES には文字列配列を指定する必要があります。必要な文字列配列なしで VALUES 修飾子が指定されると、NO_QUALIFIER_VALUE のエラーメッセージが表示されます。

対処方法:

修飾子に必要なパラメータを指定します。各修飾子に必要な属性については、http://www.dmtf.org の DMTF CIM 仕様を参照してください。


NO_SUCH_METHOD

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、指定されたメソッド名に置換されます。

  • {1} は、指定されたクラスの名前に置換されます。

原因:

指定されたクラスにメソッドが定義されなかったことが考えられます。指定されたクラスにメソッドが定義されている場合には、定義内でスペルミスにより別のメソッドが指定されている可能性があります。

対処方法:

指定されたクラスのメソッドを定義します。メソッド名とクラス名のスペルが正しいことを確認します。


NO_SUCH_PRINCIPAL

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは主体 (ユーザーアカウント) の名前に置換されています。

原因:

指定されたユーザーアカウントが見つかりません。ユーザー名の入力にスペルミスがあったか、あるいはそのユーザーにユーザーアカウントが設定されていません。

対処方法:

ログイン時にユーザー名を正しく入力します。そのユーザーにユーザーアカウントが設定されていることを確認します。


NO_SUCH_QUALIFIER1

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは未定義の修飾子の名前に置換されています。

原因:

新しい修飾子が指定されましたが、この修飾子は拡張スキーマの一部として定義されていません。この修飾子は、CIM スキーマの一部か、拡張スキーマの一部として定義する必要があります。この定義がないと、特定のクラスのプロパティまたはメソッドの有効な修飾子として認識されません。

対処方法:

この修飾子を拡張スキーマの一部として定義するか、あるいは標準の CIM 修飾子を使用します。標準 CIM 修飾子と CIM スキーマでの修飾子の使用方法については、http://www.dmtf.org を参照してください。


NO_SUCH_QUALIFIER2

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、修飾子が変更する、クラス、プロパティ、またはメソッドの名前に置換されます。

  • {1} は、見つからない修飾子の名前に置換されます。

原因:

特定のクラスのプロパティまたはメソッドを変更するために新しい修飾子が指定されましたが、その修飾子は拡張スキーマの一部として定義されていません。この修飾子は、CIM スキーマの一部か、拡張スキーマの一部として定義する必要があります。この定義がないと、特定のクラスのプロパティまたはメソッドの有効な修飾子として認識されません。

対処方法:

この修飾子を拡張スキーマの一部として定義するか、あるいは標準の CIM 修飾子を使用します。標準 CIM 修飾子と CIM スキーマでの修飾子の使用方法については、http://www.dmtf.org を参照してください。


NO_SUCH_ROLE

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは役割名に置換されています。

原因:

指定された役割が見つからないか、役割 ID 以外が指定されました。

対処方法:

入力した役割が存在するかどうか確認してください。役割が必要な場合は、担当のシステム管理者にお問い合わせください。


NO_SUCH_SESSION

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはセッション識別子に置換されています。

原因:

すでに終了したセッションが引き続き使用されています。

対処方法:

セッションを閉じないでください。


NOT_EVENT_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

クラスパスに存在するプロバイダクラスが EventProvider インタフェースを実装していません。

対処方法:

プロバイダが正しくプロバイダ実装を登録していることを確認します。


NOT_HELLO

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

このエラーメッセージは、hello メッセージ (CIMOM に送信される最初のメッセージ) 内のデータが壊れている場合に表示されます。

対処方法:

このエラーメッセージに対しての解決方法はありません。Solaris WBEM サービス のセキュリティ機能については、第 8 章「セキュリティの管理」を参照してください。


NOT_INSTANCE_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、InstanceProvider インタフェースを定義しようとするインスタンス名に置換されます。

  • {1} は、InstanceProvider インタフェースを実装していない Java プロバイダクラスの名前に置換されます。指定されたクラスのインスタンスをすべて列挙するには、InstanceProvider インタフェースを指定する必要があります。

原因:

CLASSPATH 環境変数で指定されている Java プロバイダクラスのパスに、InstanceProvider インタフェースが実装されていません。

対処方法:

プロバイダが正しくプロバイダ実装を登録していることを確認します。


NOT_METHOD_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、MethodProvider インタフェースを定義しようとするメソッド名に置換されます。MethodProvider インタフェースが定義されると、指定されたメソッドがプログラム内で実装され、呼び出されます。

  • {1} は、MethodProvider インタフェースを実装していない Java プロバイダクラスの名前に置換されます。

原因:

クラスパスに存在する Java プロバイダクラスが MethodProvider インタフェースを実装していません。

対処方法:

クラスパスに存在する Java プロバイダクラスが MethodProvider インタフェースを実装していることを確認します。プロバイダを宣言するには、クラス定義にpublic Solaris implements MethodProvider を使用します。


NOT_PROPERTY_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、PropertyProvider インタフェースを定義しようとするメソッド名に置換されます。PropertyProvider インタフェースは、指定されたプロパティの値の検出に使用されます。

  • {1} は、PropertyProvider インタフェースを実装していない Java プロバイダクラスの名前に置換されます。

原因:

クラスパスに存在する Java プロバイダクラスが PropertyProvider インタフェースを実装していません。

対処方法:

クラスパスに存在する Java プロバイダクラスが PropertyProvider インタフェースを実装していることを確認します。プロバイダを宣言するには、クラス定義にpublic Solaris implements PropertyProvider を使用します。


NOT_RESPONSE

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

このエラーメッセージは、CIMOM からの最初の応答メッセージにあるデータが壊れている場合に表示されます。

対処方法:

このエラーメッセージに対しての解決方法はありません。Solaris WBEM サービス のセキュリティ機能については、第 8 章「セキュリティの管理」を参照してください。


PROPERTY_OVERRIDDEN

説明:

このエラーメッセージは、次の 3 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、パラメータ {1} によって示されるプロパティをオーバーライドしようとするプロパティ名に置換されます。

  • {1} は、すでにオーバーライドされているプロパティの名前に置換されます。

  • {2} は、パラメータ {1} で示されるプロパティをオーバーライドしたプロパティ名に置換されます。

原因:

別のプロパティによってすでにオーバーライドされているプロパティをオーバーライドしようとするプロパティが指定されました。オーバーライド済みのプロパティを再度オーバーライドすることはできません。

対処方法:

オーバーライドする別のプロパティを指定します。


QUALIFIER_UNOVERRIDABLE

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、DisableOverride フレーバが設定されている修飾子の名前に置換されます。

  • {1} は、{0} によって無効になるように設定されている修飾子の名前に置換されます。

原因:

オーバーライドされた修飾子には、DisableOverride フレーバが設定されています。

対処方法:

この修飾子の特性を、EnableOverride または Override=True に設定し直します。


REF_REQUIRED

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはクラス名に置換されています。

原因:

関連を持つようにあるクラスが定義されましたが、参照が指定されていません。CIM では、関連は 1 つまたは複数の参照を含む必要があります。

対処方法:

参照を追加するか、関連修飾子を削除します。


SCOPE_ERROR

説明:

このエラーメッセージは、次の 3 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、指定された修飾子が変更するクラス名に置換されます。

  • {1} は、指定された修飾子の名前に置換されます。

  • {2} は、修飾子が変更する属性の種類に置換されます。

原因:

修飾子の種類の定義に準拠しない方法で修飾子が指定されました。[READ] 修飾子のスコープは、プロパティを変更するように [READ] 修飾子に指示する定義です。たとえば、メソッドを変更するために [READ] 修飾子がメソッドを変更するよう指定された場合、SCOPE_ERROR メッセージが返されます。


注 –

CIM 仕様は、CIM 修飾子が変更できる CIM 要素の種類を定義しています。修飾子の使用方法についてのこの定義は、修飾子の「スコープ」と呼ばれます。ほとんどの修飾子は、プロパティまたはメソッド、あるいはこの両方の変更を修飾子に指示するスコープを持ちます。多くの修飾子は、パラメータ、クラス、関連、インジケーション、またはスキーマの変更を修飾子に指示するスコープを持ちます。


対処方法:

指定された修飾子のスコープを確認します。CIM 修飾子の標準の定義については、http://www.dmtf.org の DMTF CIM 仕様を参照してください。別の修飾子を使用するか、あるいは CIM 定義に従って修飾子を使用するようにプログラムを変更します。


TYPE_ERROR

説明:

このエラーメッセージは、次の 5 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、指定された要素 (プロパティ、メソッド、修飾子など) の名前に置換されます。

  • {1} は、指定された要素が属するクラス名に置換されます。

  • {2} は、要素に定義されたデータ型に置換されます。

  • {3} は、割り当てられた値のデータ型に置換されます。

  • {4} は、割り当てられた実際の値に置換されます。

原因:

プロパティまたはメソッドのパラメータ値と、定義されたそのデータ型が一致しません。

対処方法:

プロパティまたはメソッドの値を、定義されたそのデータ型に一致させます。


UNKNOWNHOST

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはホスト名に置換されています。

原因:

指定されたホストが呼び出されましたが指定されたホストが使用できないか、または見つかりません。このメッセージは、次のいずれかの条件で表示されます。

  • ホスト名のスペルが正しくない

  • ホストコンピュータがほかのドメインに移された

  • ホスト名がこのドメインに登録されていない

  • システム状況により、ホストが一時的に使用できない

対処方法:

ホスト名のスペルに入力ミスがないか確認します。ping コマンドを使用して、そのホストコンピュータが応答していることを確認します。ホストのシステム状況を確認します。そのホストが指定されたドメインに属していることを確認します。


VER_ERROR

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは動作中の CIMOM のバージョン番号に置換されています。

原因:

CIMOM は、接続しようとしているクライアントのバージョンをサポートしていません。

対処方法:

サポートされているバージョンをインストールします。