バージョン定義シンボルも、dlopen(3C) によって取得されたオブジェクトのバージョン要件を検査するメカニズムとなるものです。dlopen(3C) を使用してプロセスのアドレス空間に追加されたオブジェクトに対しては、自動バージョン依存関係検査が行われません。このため、dlopen(3C) の呼び出し元が、バージョン管理要件が適合しているかどうかを検査する必要があります。
必要なバージョン定義があるかどうかは、dlsym(3C) を使用して、関連のバージョン定義シンボルを調べることによって検査できます。次の例では、dlopen(3C) を使用して共有オブジェクト libfoo.so.1 をプロセスに追加します。次に、インタフェース SUNW_1.2 が利用可能であることを確認します。
#include <stdio.h> #include <dlfcn.h> main() { void * handle; const char * file = "libfoo.so.1"; const char * vers = "SUNW_1.2"; .... if ((handle = dlopen(file, (RTLD_LAZY | RTLD_FIRST))) == NULL) { (void) printf("dlopen: %s\n", dlerror()); exit (1); } if (dlsym(handle, vers) == NULL) { (void) printf("fatal: %s: version `%s' not found\n", file, vers); exit (1); } .... |
dlopen(3C) のフラグ RTLD_FIRST を使用すると、dlsym(3C) の検索が libfoo.so.1 に制限されます。