Solaris モジューラデバッガ

インライン編集機能

標準入力が端末デバイスである場合、コマンド行を編集するために、MDB が提供するいくつかのシンプルな emacs スタイルの機能を使用できます。編集モードの searchprevious、および next コマンドを使用すると、履歴リストにアクセスできます。検索するときに一致するのは、パターンではなく、文字列だけです。次に示すリストにおいて、制御記号はキャレット文字 (^) とそれに続く大文字の英字で表記されます。エスケープシーケンスは M- とそれに続く文字で表記されます。たとえば、M-f (「メタエフ」と呼ぶ) を入力するには、まず <ESC> を押して、次に「f」を押すか、あるいは Meta キーをサポートしているキーボード上では、まず Meta キーを押して、次に「f」を押します。コマンド行を発行および実行するには、復帰改行文字 (RETURN または NEWLINE) を使用します。編集コマンドは次のとおりです。

^F

カーソルを 1 文字だけ前方 (右) に移動します。

M-f

カーソルを 1 単語だけ前方に移動します。

^B

カーソルを 1 文字だけ後方 (左) に移動します。

M-b

カーソルを 1 単語だけ後方に移動します。

^A

カーソルを行の先頭に移動します。

^E

カーソルを行の末尾に移動します。

^D

カーソルのある行が空でない場合、カーソル位置の文字を削除します。カーソルのある行が空である場合、^D は EOF を意味し、デバッガは終了します。

M-^H

(メタ - バックスペース) 直前の単語を削除します。

^K

カーソルから行の末尾までを削除します。

^L

カーソルのある行を出力し直します。

^T

現在の文字と次の文字を入れ換えます。

^N

履歴リストから次のコマンドを取得します。^N を入力するたびに、さらに次のコマンドが取得されます。

^P

履歴リストから前のコマンドを取得します。^P を入力するたびに、さらに前のコマンドが取得されます。

^R[string]

履歴リストから文字列を含むコマンドを後方に検索します。文字列は復帰改行文字 (RETURN または NEWLINE) で終了する必要があります。文字列を省略した場合、前回入力した文字列を含むコマンドを検索します。

編集モードはまた、次のようなユーザー定義シーケンスも編集コマンドとして解釈します。ユーザー定義シーケンスを読み取ったり、変更したりするには、stty(1) コマンドを使用します。

erase

ユーザー定義の消去文字 (通常は ^H または ^?)。前の 1 文字を削除します。

intr

ユーザー定義の割り込み文字 (通常は ^C)。現在のコマンドを中断して、新しいプロンプトを出力します。

kill

ユーザー定義の強制終了文字 (通常は ^U)。現在のコマンド行全体を強制終了します。

quit

ユーザー定義の終了文字 (通常は ^\)。デバッガを終了します。

suspend

ユーザー定義の中断文字 (通常は ^Z)。デバッガを中断します。

werase

ユーザー定義の単語消去文字 (通常は ^W)。直前の単語を消去します。

矢印キーのある拡張キーパッドをサポートするキーボード上では、mdb は次のようなキーストロークも編集コマンドとして解釈します。

up-arrow

履歴リストから前のコマンドを取得します (^P と同じ)。

down-arrow

履歴リストから次のコマンドを取得します (^N と同じ)。

left-arrow

カーソルを 1 文字だけ後方に移動します (^B と同じ)。

right-arrow

カーソルを 1 文字だけ前方に移動します (^F と同じ)。