Solaris モジューラデバッガ

プロセス間通信のデバッギングサポート (ipc)

ipc モジュールは、メッセージ待ち行列、セマフォー、および共用メモリープロセス間通信プリミティブの実装に対してデバッギングサポートを提供します。

dcmds

::ipcs [-l]

既知のメッセージ待ち行列、セマフォー、および共用メモリーセグメントに対応するシステム全体の IPC 識別子のリストを表示します。-l オプションを指定すると、より詳細な情報のリストが示されます。

address ::msg [- l] [-t type]

指定されたメッセージ待ち行列要素 (構造体 msg) のプロパティーを表示します。-l オプションを指定すると、メッセージの raw コンテンツが 16 進数と ASCII 形式で表示されます。-t オプションを指定すると、出力をフィルタリングして、指定された種類のメッセージだけを表示します。このオプションは、msgqueue walker の出力を ::msg にパイプで渡すときに便利です。

id ::msqid [- k]

指定されたメッセージ待ち行列 IPC 識別子を対応するカーネル実装構造体へのポインタに変換して、このカーネル構造体のアドレスを出力します。-k オプションを指定すると、一致させるメッセージ待ち行列キーとして id が代わりに解釈されます (msgget(2) を参照)。

[ address ] ::msqid_ds [-l]

指定された msqid_ds 構造体またはアクティブな msqid_ds 構造体 (メッセージ待ち行列識別子) のテーブルを出力します。-l オプションを指定すると、より詳細な情報のリストが表示されます。

id ::semid [- k]

指定されたセマフォー IPC 識別子を対応するカーネル実装構造体へのポインタに変換して、このカーネル構造体のアドレスを出力します。-k オプションを指定すると、一致させるセマフォーキーとして id が代わりに解釈されます (semget(2) を参照)。

[ address ] ::semid_ds [-l]

指定された semid_ds 構造体またはアクティブな semid_ds 構造体 (セマフォー識別子) のテーブルを出力します。-l オプションを指定すると、より詳細な情報のリストが表示されます。

id ::shmid [- k]

指定された共用メモリー IPC 識別子を対応するカーネル実装構造体へのポインタに変換して、このカーネル構造体のアドレスを出力します。-k オプションを指定すると、一致させる共用メモリーキーとして id が代わりに解釈されます (shmget(2) を参照)。

[ address ] ::shmid_ds [- l]

指定された shmid_ds 構造体またはアクティブな shmid_ds 構造体 (共用メモリーセグメント識別子) のテーブルを出力します。-l オプションを指定すると、より詳細な情報のリストが表示されます。

walker

msg

メッセージ待ち行列識別子に対応するアクティブな msqid_ds 構造体を調べます。この構造体は、<sys/msg.h> で定義されます。

msgqueue

現在指定されたメッセージ待ち行列に入っている message 構造体に対して反復適用します。

sem

セマフォー識別子に対応するアクティブな semid_ds 構造体を調べます。この構造体は、<sys/sem.h> で定義されます。

shm

共用メモリーセグメント識別子に対応するアクティブな shmid_ds 構造体を調べます。この構造体は、<sys/shm.h> で定義されます。