Solaris モジューラデバッガ

警告

次の警告情報は MDB の使用に適用されます。

エラー回復メカニズムの使用

デバッガとその dmod は同じアドレス空間内で動作するので、dmod にバグがあると、MDB がコアをダンプしたり、誤動作したりする可能性があります。MDB の resume 機能 (「シグナル処理」を参照) はこのような状況に対して、制限付きで回復メカニズムを提供します。しかし、dmod 自身の状態やデバッガの大域的な状態だけでは、MDB は 当該 dmod が壊れているかどうかを最終的には判断できません。したがって、resume 操作は安全であるとは保証されず、また、その後のデバッガのクラッシュを防ぐこともできません。resume によるもっとも安全な対処方法は、重要なデバッグ情報を保存し、デバッガを停止し再起動します。

動作中のオペレーティングシステムのデバッガによる修正

動作中のオペレーティングシステムのアドレス空間をデバッガを使用して修正する (書き込む) ことは非常に危険であり、ユーザーがカーネルデータの構造を破損するとシステムパニックが発生する可能性があります。

動作中のオペレーティングシステムの kmdb による停止

kmdb を使って動作中のオペレーティングシステムを停止するには、mdb -K を使用するか、動作中のオペレーティングシステムにブレークポイントを設定しますが、この操作は、開発者が本稼働システム以外のシステムで行うためのものです。kmdb によってオペレーティングシステムカーネルが停止すると、オペレーティングシステムサービスとネットワーク関連機能が実行されないため、ターゲットシステムに依存するネットワーク上のほかのシステムはターゲットシステムに接続できなくなります。