Solaris モジューラデバッガ

mdb_alloc()mdb_zalloc() および mdb_free()

void *mdb_alloc(size_t size, uint_t flags);
void *mdb_zalloc(size_t size, uint_t flags);
void mdb_free(void *buf, size_t size);

mdb_alloc()size バイトのデバッガメモリーを割り当て、割り当てたメモリーを指すポインタを返します。割り当て済みメモリーは、どのような C 構造体でも保持できるように、少なくともダブルワードが割り当てられます。それ以上の割り当てはできません。flags パラメータは、次の 1 つ以上の値のビット単位の論理和となります。

UM_NOSLEEP

要求を満たすだけの十分なメモリーがすぐに使用可能でない場合、失敗を示す NULL が返されます。呼び出し元は NULL が返されたかどうかをチェックして、NULL の場合には適切に対処する必要があります。

UM_SLEEP

要求を満たすだけの十分なメモリーがすぐに使用可能でない場合、要求を満たすことができるまでの間、スリープ (休眠) します。したがって、UM_SLEEP 割り当ての場合、成功することが保証されています。呼び出し元で NULL 戻り値をチェックする必要はありません。

UM_GC

このデバッガコマンドの終わりに自動的に割り当てのガベージコレクションを行います。割り当ての解除はデバッガによって自動的に行われるので、呼び出し元はこのブロックにおいてそれ以降 mdb_free() を呼び出すことはできません。dcmd がユーザーによって中断された場合、デバッガが不要メモリーのガベージコレクションを実行できるように、dcmd の中からメモリーの割り当てを行うときは、必ず UM_GC を使用する必要があります。

mdb_zalloc()mdb_alloc() と似ていますが、呼び出し元に戻る前に割り当てたメモリーにはゼロが入ります。mdb_alloc() から戻されるメモリーの初期内容は、保証されません。mdb_free() は、UM_GC で割り当てられたメモリー以外の、以前に割り当て済みのメモリーを解放するのに使用します。バッファーアドレスとサイズは元の割り当てと正確に一致している必要があります。mdb_free() を使用して割り当ての一部だけを解放することはできません。また、二度以上割り当てを解放することもできません。ゼロバイトの割り当てでは、常に NULL が返されます。サイズがゼロの NULL ポインタの解放は、常に成功します。