Solaris 動的トレースガイド

多次元配列

D では、多次元のスカラー配列は、あまり使用されません。多次元のスカラー配列は、ANSI-C との互換性を実現するためのものです。この機能を使って、C で作成されたオペレーティングシステムデータ構造を監視したり、使用したりできます。多次元配列は、基本型の後ろに、連続するスカラー配列サイズを角括弧 ([ ]) で囲んだ形式で宣言されます。たとえば、12 行 × 34 列の整数値から成る固定サイズの 2 次元四角形配列は、次のように宣言します。

int a[12][34];

多次元スカラー配列にも、同様の表記法でアクセスできます。たとえば、行 0 列 1 に格納されている値にアクセスしたい場合、次のような D 式を記述します。

a[0][1]

多次元スカラー配列値の記憶域の位置は、「行番号」×「宣言された列数の合計」+「列番号」で計算されます。

多次元配列の構文と、連想配列アクセスの D 構文を混同しないでください。a[0][1]a[0, 1] は、まったく別の構文です。連想配列に互換性のない組を使用したり、スカラー配列の連想配列アクセスを試行したりすると、D コンパイラからエラーメッセージが表示され、プログラムのコンパイルが拒否されます。