節には、任意の数のアクションと変数操作を含めることができます。節に何も指定しないと、「デフォルトアクション」が実行されます。デフォルトアクションでは、有効なプローブ ID (EPID ) が主バッファー内にトレースされます。EPID は、特定の述語とアクションによる特定のプローブの特定の有効化を識別します。DTrace コンシューマは、この EPID から、アクションを引き起こしたプローブを特定できます。実際、データのトレース時には必ず、EPID を指定して、コンシューマにトレース対象のデータを伝える必要があります。デフォルトアクションが EPID のトレースのみになっているのは、このためです。
デフォルトアクションを使用すると、dtrace(1M) コマンドの使用が簡単になります。たとえば、次のコマンド例では、タイムシェアリング (TS) スケジューリングモジュール内のすべてのプローブが有効化され、デフォルトアクションが実行されます。
# dtrace -m TS |
このコマンドを実行すると、次のような出力が得られます。
# dtrace -m TS dtrace: description 'TS' matched 80 probes CPU ID FUNCTION:NAME 0 12077 ts_trapret:entry 0 12078 ts_trapret:return 0 12069 ts_sleep:entry 0 12070 ts_sleep:return 0 12033 ts_setrun:entry 0 12034 ts_setrun:return 0 12081 ts_wakeup:entry 0 12082 ts_wakeup:return 0 12069 ts_sleep:entry 0 12070 ts_sleep:return 0 12033 ts_setrun:entry 0 12034 ts_setrun:return 0 12069 ts_sleep:entry 0 12070 ts_sleep:return 0 12033 ts_setrun:entry 0 12034 ts_setrun:return 0 12069 ts_sleep:entry 0 12070 ts_sleep:return 0 12023 ts_update:entry 0 12079 ts_update_list:entry 0 12080 ts_update_list:return 0 12079 ts_update_list:entry ... |