Solaris 動的トレースガイド

匿名状態を要求する

マシンが完全にブートしたら、任意の匿名状態を要求できるようになります。このためには、-a オプションを指定して dtrace を実行します。デフォルトでは、-a は、匿名状態を要求し、既存のデータを処理し、実行を続行することを表します。匿名状態を消費して終了する場合は、-e オプションを追加します。

カーネルの匿名状態がいったん消費されてしまうと元に戻すことはできませんが、カーネル内バッファーは再利用されます。匿名トレース状態が存在しないのに、この状態を要求した場合、dtrace から次のようなメッセージが返されます。


dtrace: could not enable tracing: No anonymous tracing state

欠落やエラーが発生した場合、dtrace は、匿名状態が要求された時点で適切なメッセージを返します。欠落やエラーを知らせるメッセージは、匿名状態のときも非匿名状態のときも同じです。