Solaris 動的トレースガイド

欠落の最小化

DTrace は、カーネルに集積体データの一部を格納します。このため、集積体に新しいキーを追加したとき、容量が不足することがあります。この場合、カウンタの値は大きくなりますが、データは落とされ、dtrace から集積体欠落を示すメッセージが表示されます。DTrace は、容量が動的に増加する場合のユーザーレベルで長時間実行状態 (集積体キーと中間結果で構成される) を保存します。このため、集積体欠落はめったに発生しません。それでも集積体欠落が発生しそうなときは、aggsize オプションを指定して集積体バッファーサイズを大きくすることにより、欠落が発生する確率を低減できます。このオプションは、DTrace のメモリーフットプリントを最小化するときにも使用します。aggsize は、ほかのサイズオプションと同じく、任意のサイズの接尾辞とともに指定できます。投機バッファーのサイズ変更ポリシーは、bufresize オプションで指定します。バッファリングの詳細については、第 11 章バッファーとバッファリングを参照してください。オプションの詳細については、第 16 章オプションとチューニング可能パラメータを参照してください。

ユーザーレベルで集積体データが消費されるレートを増やすことによっても、集積体欠落の発生を抑えることができます。デフォルトでは、このレートは毎秒 1 回ですが、この値は、aggrate オプションを指定して明示的にチューニングできます。aggrate は、その他のレートオプションと同じく、任意の時間接尾辞とともに指定できます。ただし、デフォルトでは、秒当たりのレートが設定されています。aggsize オプションの詳細については、第 16 章オプションとチューニング可能パラメータを参照してください。