旧バージョンの GSS-API との下位互換性のため、この実装の GSS-API は gss_str_to_oid() 関数をサポートします。gss_str_to_oid() は、機構または QOP を表す文字列を OID に変換します。この文字列は、数値または ASCII 文字列のどちらでもかまいません。
デフォルトの機構と QOP を使用することが強く推奨されているため、gss_str_to_oid()、gss_oid_to_str()、および gss_release_oid() をサポートしていない GSS-API の実装もあります。
機構を表す文字列は、アプリケーション内でハードコード化することも、ユーザー入力から取得することも可能です。しかし、必ずしもすべての GSS-API の実装が gss_str_to_oid() 関数をサポートしているわけではないため、アプリケーションはこの関数に依存すべきではありません。
機構を表す数値には、2 つの異なる形式を指定できます。1 つは { 1 2 3 4 } であり、GSS-API 仕様によって正式に認められています。もう 1 つは 1.2.3.4 で、こちらの方が広く使用されていますが、正式な標準形式ではありません。gss_str_to_oid() は機構の数値として最初の形式を期待します。したがって、2 番目の形式を使用している場合は、gss_str_to_oid() を呼び出す前に 1 番目の形式に変換する必要があります。gss_str_to_oid() の例については、例 C–3 を参照してください。機構が有効でない場合、gss_str_to_oid() は GSS_S_BAD_MECH を戻します。
gss_str_to_oid() は GSS-API データ領域を割り当てるため、終了時には、割り当てられた OID を gss_release_oid() 関数で削除する必要があります。gss_str_to_oid() と同様に、gss_release_oid() も一般的にサポートされている関数ではありません。したがって、移植性を最大限にしたいプログラムはこの関数に依存すべきではありません。