Oracle Solaris セキュリティーサービス開発ガイド

システムセキュリティー

システムのセキュリティーに関して、Solaris OS はプロセス特権を提供します。「プロセス特権」は、特権付きアプリケーションへのアクセス許可を行う際に、スーパーユーザーベースの UNIX 標準モデルに対する代替技術として使用できます。システム管理者は、特権付きアプリケーションへのアクセスを許可する一連のプロセス特権をユーザーに付与します。そうしたユーザーは、スーパーユーザーにならなくても、特権付きアプリケーションを使用できます。

特権を使用すれば、システム管理者は、システムセキュリティーを無視する権限をユーザーに与える際に、完全なスーパーユーザー権限ではなく制限された権限を与えることができます。したがって、新しい特権付きアプリケーションを作成する開発者は、UID が 0 かどうかを検査するのではなく、特定の特権の有無を検査する必要があります。第 2 章特権付きアプリケーションの開発を参照してください。

きわめて強固なシステムセキュリティーが必要な場合には、Oracle Solaris の Trusted Extensions 機能の使用を検討してください。Trusted Extensions 機能を使用すれば、システム管理者は、特定のユーザーだけがアクセスできるアプリケーションやファイルを指定できます。Trusted Extensions 機能はこのマニュアルの対象外です。詳細については、http://www.sun.com/software/solaris/ds/trusted_extensions.jsp を参照してください。