国際化対応言語環境の利用ガイド

.xpr ファイル

これらのファイルは、デフォルトで /usr/lib/lp/locale/C/mp/ に格納されています。.xpr ファイルは、mp.common.ps ファイルを除き、それぞれの PostScript prolog レイアウトファイルに対応しています。MP_PROLOGUE 環境変数を定義することによって、代わりの prolog ディレクトリを定義できます。

これらのファイルでは、キーワード/値ペアが使用されます。# で始まる行はコメントとみなされます。特に断りがない限り、それぞれのトークンはスペースで区切られます。.xpr ファイルの 3 つの主要なセクションは、次のキーワードペアで囲まれます。

3 つの領域では、一定のキーワード/値ペアが使用できます。各領域については、以下の節で説明します。

STARTCOMMON/ENDCOMMON キーワード

STARTCOMMON キーワードと ENDCOMMON キーワードの間にあるすべてのキーワード/値ペアは、印刷ページの一般的なプロパティを定義するためのものです。キーワードの有効な値は、それぞれスラッシュ文字 (/) を使用して区切ります。

ORIENTATION 0/1

0 は印刷をポートレートモードで行うことを、1 は印刷をランドスケープモードで行うことをそれぞれ示します。

PAGELENGTH unsigned-integer

論理ページ当たりの行数です。

LINELENGTH unsigned-integer

行あたりの文字数 (単一カラム文字) です。

NUMCOLS unsigned-integer

物理ページ当たりの論理ページ数です。

HDNGFONTSIZE unsigned-integer

ヘディングのフォントポイントサイズ (デシポイント単位) です。

BODYFONTSIZE unsigned-integer

本体のフォントポイントサイズ (デシポイント単位) です。

PROLOGDPI unsigned-integer

現在の .xpr ファイルが作成されているインチ当たりドット数スケールです。

YTEXTBOUNDARY unsigned-integer

この y 座標では、ページまたは論理ページにおけるテキスト印刷の境界 (カラム) を設定します。この境界は、テキスト印刷が正しい領域内で行なわれているかどうかを確認するための追加のチェックとして使用されます。この境界は Complex Text Layout や EUC の印刷に必要です。対応するフォントから得られる文字の高さ情報が正しいとは限らないからです。

STARTTEXT unsigned-integerunsigned-integer

物理ページの最初の論理ページで実際のテキスト印刷が行なわれるデシポイント x/y ポイントです。

PAGESTRING 0/1

1 は、ヘディングのページ番号の前にページ文字列を付加する必要があることを示します。

0 は、ページ番号だけを表示することを示します。

EXTRAHDNGFONT font string 1, font string 2, ... font string n

フォント文字列は X Logical Font Description です。キーワード EXTRAHDNGFONT と、コンマで区切ったフォント名リストを分離するトークンは引用符文字 " 文字です。スペースやタブではありません。これらのフォントは、ヘディングの印刷時に、組み込まれているフォントよりも優先して使用されます。通常、EXTRABODYFONT は、 /usr/openwin/server/etc/XpConfig/C/print/models/<model name>/fonts ディレクトリに設定されているプリンタ常駐フォントを割り当てるために使用されます。

fonts.dir ファイルには、プリンタ常駐フォントの XLFD が含まれています。

通常、.xpr ファイルでは、フォントが次の例のように指定されています。

 "-monotype-Gill Sans-Regular-r-normal- -*-%d-*-*-p-0-iso8859-2" 

%d」(存在する場合) は、 mp によって、.xpr ファイルに指定されているヘディングフォントのポイントサイズで置き換えられます。x 解像度と y 解像度は * で指定されます。平均幅のフィールドは 0 に設定され、可能な限りスケーラブルなフォントを選択することが示されます。特定のフォント名を指定することもできます。

EXTRABODYFONT font string 1, font string 2, ... font string n

これらのフォントがページ本体の印刷に使用されることを除けば、EXTRAHDNGFONT と同じです。

XDISPLACEMENT signed/unsigned int

ページに適用する x 座標変位を指定します。ページの内容は、この変位分だけ x 方向にシフトされます。この値は +ve でも -ve でもかまいません。

YDISPLACEMENT signed/unsigned int

内容が y 方向にシフトされることを除けば、x 変位と同じです。

これらのキーワードは、プリンタのマージン幅が標準的でないためにページの内容をシフトしたいときに有効です。

STARTPAGE/ENDPAGE キーワード

このセクションのキーワード値ペアは、STARTPAGEENDPAGE キーワードで囲まれた部分です。このセクションには、物理ページに適用する描画やヘディングの情報を指定します。物理ページには多数の論理ページが含まれていることがありますが、これらのキーワードで囲まれる描画ルーチンは物理ページに 1 度だけ適用されます。

有効な描画エンティティは、LINEARC です。XDrawLine() および XDrawArc() 関数は、これらのキーワードの値に対して実行されます。

このセクション内の寸法は PROLOGDPI 単位でマップされます。傾きは度数で表されます。

LINE x1 y1 x2 y2

線をつなぐ両端を無符号の x/y 座標で定義します。

ARC x y width height angle1 angle2

x と y は共に円弧の基点を表す無符号の整数です。幅と高さはそれぞれ円弧の幅と高さを表す無符号の整数です。

USERSTRINGPOS x y

ヘディングに印刷するユーザー情報の位置を表す無符号の座標です。

TIMESTRINGPOS x y

ヘディングに印刷する印刷時刻の位置を表す無符号の座標です。

PAGESTRINGPOS x y

ページに印刷するページ文字列の位置を表す無符号の座標です。

SUBJECTSTRINGPOS x y

ページに印刷する件名の位置を表す無符号の座標です。

STARTFORCEDPAGE/ENDFORCEDPAGE セクション

mp-n オプションを指定すると、STARTPAGE/ENDPAGE セクションに指定したデコレーションはいっさい印刷されません。しかし、-n オプションを指定しても、 STARTFORCEDPAGE/ENDFORCEDPAGE セクションのデコレーションは印刷されます。

STARTCOLUMN/ENDCOLUMN セクション

このセクションの各エンティティが NUMCOLS の回数だけ物理ページに適用されることを除けば、すべてのキーワードは STARTPAGE/ENDPAGE キーワード」 と同じです。たとえば、NUMCOLS が 3 なら、物理ページの印刷可能域が 3 つに分割され、線や円弧、エンディングの指定がページごとに 3 回印刷されます。

STARTFORCEDCOLUMN/ENDFORCEDCOLUMN セクション

mp-n オプションを指定すると、STARTCOLUMN/ENDCOLUMN セクションに指定したデコレーションはいっさい印刷されません。しかし、-n オプションを指定しても、 STARTFORCEDCOLUMN/ENDFORCEDCOLUMN セクションのデコレーションは印刷されます。

新しい .xpr ファイルの作成

新しい .xpr prolog ファイルを作成する際には、デフォルトと異なる値だけを指定します。

以下の表は、.xpr ファイルの STARTCOMMON/ENDCOMMON セクションでキーワードの値が指定されていない場合に、mp プログラムが使用するデフォルト値の一覧です。

表 7–2 STARTCOMMON/ENDCOMMON キーワード値

キーワード 

値 

ORIENTATION

0

PAGELENGTH

60

LINELENGTH

80

YTEXTBOUNDARY

3005

NUMCOLS

01

HDNGFONTSIZE

120

PROLOGDPI

300

STARTTEXT

135 280

PAGESTRING

0

STARTPAGE/ENDPAGE および STARTCOLUMN/ENDCOLUMN で囲まれる他の 2 つのセクションでは、デフォルト値は必要ありません。

デコレーションなしのページを作成する場合は、ページ当たり 4 つの論理ページをポートレート形式で作成します。次のセクションと値を指定します。

デコレーションなしのページを作成する場合は、次の 2 つのセクションを指定する必要はありません。

印刷ページにデコレーションを入れない場合は、これらのパラメータを設定する必要はありません。PROLOGDPI キーワードを指定しなければ、すべての解像度は 300 dpi (デフォルト) で表されます。対象のプリンタの解像度がこれと異なる場合は、プリンタの解像度に合わせて .xpr ファイルが自動的に拡大縮小されます。

.xpr ファイルを作成する前に、用紙のサイズを知っている必要があります。解像度が 300 dpi のプリンタの場合、米国で使用される 8.5x11 インチの用紙の合計サイズは 2550X3300 です。ほとんどのプリンタでは、用紙の左上隅に印刷することはできません。代わりに、用紙の周囲にはマージンが割り当てられます。0,0 から印刷しようとしても、ページの左上隅には印刷されません。新しい .xpr ファイルを作成する場合には、この点に注意してください。