Java Desktop System Release 3 システム管理

第 4 章 フォントの設定

この章では、Java Desktop System でのフォントの設定方法について説明します。

フォント設定の概要

Java Desktop System は fontconfig フォント設定およびカスタマイズライブラリを使用します。fontconfig ライブラリでは、PostScript Type 1 フォントおよび TrueType フォントを含め、すべての種類のフォントを使用できます。

fontconfig ライブラリには、Java Desktop System で使用できるすべてのフォントのリストがあります。このリストを作成するために、fontconfig/etc/fonts/fonts.conf ファイルに一覧表示されるディレクトリを検索します。システムで使用できるすべてのフォントを表示するには、システム上のファイルマネージャ内で fonts:/// にアクセスします。

fontconfig ライブラリについては、次の URL を参照してください。

http://freedesktop.org/software/fontconfig

フォント置換

fontconfig ライブラリは、フォント全体または個別の文字が存在しない場合にフォントを置換します。存在しないフォントを表示する必要がある場合、fontconfig は別の類似フォントの表示を試みます。たとえば、Web ページが Verdana フォントの表示を要求していて、そのフォントがシステムにインストールされていない場合、fontconfig は、Helvetica などの類似フォントを表示します。類似フォントのリストは、/etc/fonts/fonts.conf ファイルに定義されています。

選択したフォントには存在しない文字を表示する必要がある場合、fontconfig は別の類似フォントの文字の表示を試みます。たとえば、テキストエディタアプリケーションのフォントとして Bitstream Vera Sans を選択したとします。Bitstream Vera フォントファミリにはキリル文字が含まれません。キリル文字が含まれた文書を開くと、テキストエディタはキリル文字を含む類似フォントを使用して文字を表示します。

fontconfig ライブラリは、serifsans-serifmonospace など、フォントの別名も定義します。フォントの別名の 1 つを選択すると、/etc/fonts/fonts.conf ファイル内でその別名に定義されている最初のフォントが使用されます。

すべてのユーザーにフォントを追加する

すべてのユーザーにフォントを追加するには、次の手順を実行します。

  1. /etc/fonts/fonts.conf ファイル内に記述されたディレクトリの 1 つに、フォントファイルをコピーします。通常、追加フォントは /usr/share/fonts/ ディレクトリに格納されています。

  2. fontconfig ライブラリは、フォントのリストを自動的に更新します。フォントのリストが更新されない場合は、次のコマンドを実行します。

    # fc-cache

    また、ディレクトリを特定して更新するには、次のコマンドを実行します。

    # fc-cache directory-name

    また、/etc/fonts/fonts.conf にあるディレクトリのみを更新し、更新済みディレクトリのリストを表示するには、次のコマンドを実行します。

    # fc-cache --system-only -v

個別ユーザーにフォントを追加する

個別のユーザーにフォントを追加するには、次の手順を実行します。

  1. ユーザーの $HOME/.fonts ディレクトリに、フォントファイルをコピーします。ファイルマネージャ内の fonts:/// にフォントファイルをドラッグすると、フォントファイルが $HOME/.fonts ディレクトリにコピーされます。

  2. fontconfig ライブラリは、フォントのリストを自動的に更新します。フォントのリストが更新されない場合は、次のコマンドを実行します。

    # fc-cache directory-name

    fc-cache コマンドで使用するほかのオプションについては、「すべてのユーザーにフォントを追加する」を参照してください。