Java Desktop System 電子メールとカレンダ・ユーザーズガイド

第 10 章 Microsoft Exchange Server アカウントの使用

この章では、電子メールとカレンダMicrosoft Exchange Server アカウントを使用する方法について説明します。

電子メールとカレンダで Exchange Server を使用する方法の概要

電子メールとカレンダでは、Exchange Server の情報を操作できます。電子メールとカレンダから Exchange Server を操作すると、データはローカルシステムではなく Exchange Server サーバーに保存されます。

電子メールとカレンダから、次の種類の Exchange Server フォルダを操作できます。

電子メールとカレンダで一度に有効にできる Exchange Server アカウントは 1 つだけです。電子メールとカレンダExchange Server アカウントを構成する方法については、第 2 章「電子メールとカレンダ入門」を参照してください。

電子メールとカレンダから Exchange Server を操作する場合、特に Exchange Server フォルダとローカルフォルダに関する機能などの一部の機能が異なった動作をします。次の表に、機能の違いをまとめます。

機能 

Exchange Server フォルダ 

ローカルフォルダ 

電子メールメッセージからの予定や連絡先の保存 

項目は該当する Exchange Server フォルダに保存されます。

項目はローカルフォルダに保存されません。 

予定と会議のリマインダ 

リマインダは、電子メールとカレンダを開始するまでは機能しません。

リマインダは、電子メールとカレンダを開始しなくても機能します。


注 –

Exchange Server アカウントにログインして GAL をクリックしても、GAL に連絡先は表示されません。これはグローバルカタログサーバーの負荷を軽減するためです。GAL の連絡先を表示するには、検索を実行します。連絡先の検索方法については、「連絡先の検索」を参照してください。


Exchange Server アカウントにログインする

電子メールとカレンダExchange Server アカウントを構成すると、アカウントがフォルダ区画に追加されます。

電子メールとカレンダを開始すると、アカウントのパスワードを求められます。正しいパスワードを入力した場合は、フォルダ区画にアカウントが表示され、フォルダの内容を表示できます。

委任先権限の割り当て

Microsoft Exchange Server には、自分の Exchange Server アカウントに、ほかのユーザーがアクセスできるように権限を与える機能があります。権限を別のユーザーに割り当てると、そのユーザーは委任先となります。委任先ユーザーは本人の代わりに、次のタスクを実行できます。


注 –

Exchange Server アカウントを Microsoft Outlook で使用していない場合は、電子メールとカレンダで委任機能が正しく機能しません。「ツール」-> 「設定」を選択し、「Exchange Server の委任」をクリックすると、「委任先リストの読み取り中にエラーが発生しました。」というメッセージが表示されます。

Outlook から電子メールとカレンダに移行して委任機能を使用する場合は、移行前に Outlook で委任オプションをすべて指定しておく必要があります。

委任機能を使用できない場合は、代わりに別のユーザーのアクセス権をフォルダに設定できます。設定すると、そのユーザーは自分のフォルダ区画でフォルダを開けるようになります。フォルダのアクセス権の設定方法については、「フォルダのアクセス権を設定する」を参照してください。別のユーザーのフォルダを開く方法については、「他のユーザーのフォルダを開く」を参照してください。


ユーザーを委任先として構成する

次の手順を実行します。

  1. 「ツール」->「設定」を選択します。

  2. 左区画で「Exchange Server の委任」をクリックします。

  3. 「他の人に委任」タブの領域で、「追加」をクリックします。

  4. 「ユーザーの選択」ダイアログで「委任先」フィールドにユーザーの名前を入力します。または、「アドレス帳」ボタンをクリックして、GAL (連絡先リスト) からユーザーを選択します。「アドレス帳から連絡先を選択」ダイアログを使用して、ユーザーを選択します。

  5. 「ユーザーの選択」ダイアログで「了解」をクリックして、ユーザーを委任先に割り当てます。

  6. 「Evolution 設定」ダイアログで「了解」をクリックします。

委任先のアクセス権を指定する

次の手順を実行します。

  1. 「ツール」->「設定」を選択します。

  2. 左区画で「Exchange Server の委任」をクリックします。

  3. 「他の人に委任」タブの領域で、アクセス権を変更する委任先を選択し、「編集」をクリックします。

  4. username のアクセス権」ダイアログで、「カレンダ」、「連絡先」、「受信箱」、「タスク」の各フォルダに対して委任先のアクセス権を選択します。各フォルダの横にあるドロップダウンリストから委任先の役割を選択します。各役割には複数の権限が関連付けられています。たとえば、「作者」の役割を選択すると、委任先はフォルダの内容を読んだり、項目をフォルダに追加したりできます。

  5. 「 区分」が「非公開」となっている予定、会議、タスクなどを委任先で表示できるようにするには、「委任先はプライベートな項目を表示できる」オプションを選択します。

  6. username のアクセス権」ダイアログで「了解」をクリックします。

  7. 「Evolution 設定」ダイアログで「了解」をクリックします。

委任先を削除する

次の手順を実行します。

  1. 「ツール」->「設定」を選択します。

  2. 左区画で「Exchange Server の委任」をクリックします。

  3. 「他の人に委任」タブの領域で、削除する委任先を選択し、「削除」をクリックします。

  4. 確認ダイアログで「はい」をクリックします。

  5. 「Evolution 設定」ダイアログで「了解」をクリックします。

委任の依頼元ユーザーを表示する

次の手順を実行します。

  1. 「ツール」->「設定」を選択します。

  2. 左区画で「Exchange Server の委任」をクリックします。

  3. 「委任先として機能」タブをクリックします。このタブ領域の表に、委任の依頼元ユーザーのリストが表示されます。

    ユーザーに代わって電子メールメッセージを送信する場合は、ユーザーの名前の横にあるチェックボックスを選択します。メッセージを作成するときに、「差出人」ドロップダウンリストからユーザーのアドレスを選択できます。

  4. 「閉じる」をクリックして「Evolution 設定」ダイアログを閉じます。

フォルダのアクセス権を設定する

次の手順を実行します。

  1. フォルダを右クリックし、ポップアップメニューから「アクセス権」を選択します。

  2. folder-name のアクセス権」ダイアログでアクセス権を設定します。次の表は、「フォルダのアクセス権」ダイアログの要素を説明しています。

    要素 

    説明 

    ユーザー表 

    ユーザーにアクセス権を設定するには、表からユーザーを選択し、「アクセス権」グループで必要なオプションを選択します。

    ユーザーを表に追加するには、「追加」をクリックします。「ユーザーを追加」ダイアログで、ユーザーの名前を入力し、「了解」をクリックします。または、GAL (連絡先リスト) からユーザーを選択するには、「アドレス帳」ボタンをクリックします。「アドレス帳から連絡先を選択してください」ダイアログを使用して、ユーザーを選択します。

    ユーザーを表から削除するには、ユーザーを選択し、「削除」をクリックします。

    役割

    ドロップダウンリストからユーザーの役割を選択します。各役割には複数の権限が関連付けられています。たとえば、「閲覧者」の役割を選択すると、次のオプションが自動的に選択されます。

    • 「項目を読み取る」

    • 「フォルダの表示」

    • 「項目を編集」グループの「なし」オプション

    • 「項目を削除」グループの「なし」オプション

    アクセス権は、ユーザーの役割を選択したあとでも変更できます。アクセス権を変更すると、ドロップダウンリストの値が該当する役割に変わります。選択したアクセス権と役割が一致しない場合は、ドロップダウンリストの値が「カスタム」に変わります。

    「項目を作成」

    ユーザーにフォルダへの項目の追加を許可する場合は、このオプションを選択します。 

    「フォルダの所有者」

    ユーザーにフォルダの所有者と同じタスクの実行を許可する場合に、このオプションを選択します。 

    「項目を読み取る」

    ユーザーにフォルダの項目の読み取りを許可する場合は、このオプションを選択します。 

    「連絡先フォルダ」

    ユーザーにフォルダに関連するメッセージのコピーを送信する場合は、このオプションを選択します。たとえば、ユーザーがフォルダに変更を加えたときに、すべての連絡先フォルダにメッセージを送信する場合です。 

    「サブフォルダを作成」

    ユーザーにフォルダ内での新しいフォルダの作成を許可する場合は、このオプションを選択します。 

    「フォルダの表示」

    ユーザーが自分のアカウントのフォルダを購読しているとき、そのユーザーのフォルダ区画でフォルダの表示を許可する場合は、このオプションを選択します。 

    項目を編集

    フォルダ内の項目をユーザーが編集するときの権限を指定するには、このグループを使用します。 

    • 「なし」 : フォルダ内の項目の変更をユーザーに許可しない場合は、このオプションを選択します。

    • 「所有」 : ユーザー自身がフォルダ内に作成した項目だけに対して変更を許可する場合は、このオプションを選択します。

    • 「すべて」 : ユーザーにフォルダ内の任意の項目に対する変更を許可する場合は、このオプションを選択します。

    「項目を削除」

    ユーザーがフォルダから項目を削除するときの権限を指定するには、このグループを使用します。 

    • 「なし」 : フォルダからの項目の削除をユーザーに許可しない場合は、このオプションを選択します。

    • 「所有」 : ユーザー自身が作成した項目だけについてフォルダからの削除を許可する場合は、このオプションを選択します。

    • 「すべて」 : ユーザーにフォルダの任意の項目に対する削除を許可する場合は、このオプションを選択します。

  3. 「了解」をクリックして変更を保存し、ダイアログを閉じます。

外出中メッセージ

外出中メッセージは、メッセージの差出人に応答できないときに、Exchange サーバーから自動的に送信される電子メールメッセージです。外出中メッセージは、メッセージを送信した人に一度だけ送信されます。

外出中メッセージのオプションを指定する

次の手順を実行します。

  1. 「ツール」->「設定」を選択します。

  2. 左区画で「外出中」をクリックします。

  3. 外出中であることを指定するには、「現在、私は外出中です」オプションを選択します。

    応答できることを指定するには、「現在、私は在席中です」オプションを選択します。

  4. 送信するメッセージを「外出中の通知」テキスト領域に入力します。

  5. 「了解」をクリックします。

「現在、私は外出中です」オプションを選択した場合は、次回 Exchange アカウントにログインしたときに、「外出中の通知アシスタント」ダイアログが表示されます。このダイアログで、ステータスを外出中から在席中に変更するかどうか尋ねられます。ステータスを在席中に変更するには、「はい、ステータスを変更します」ボタンをクリックします。ステータスを変更しない場合は、「いいえ、ステータスを変更しません」ボタンをクリックします。