Java Desktop System Configuration Manager, Release 1.1 インストールガイド

第 6 章 Microsoft Windows へのデスクトップコンポーネントのインストール

集中設定機能に必要なコンポーネントはすべて Java Desktop System に付属しており、Java Desktop System と一緒にインストールされます。一般的に、このような集中設定の機能は、ほかのシステムでも使用できます。ただしその場合、必要なインストール手順を実行する必要があります。Configuration Manager のインストールでは、Microsoft Windows システムで簡単にセットアップを行えるようにするために、インストール手順をわかりやすく説明する GUI ベースのインストーラが用意されています。

Configuration Agent のインストール


注 –

Configuration Agent もインストーラも、JavaTM Runtime Environment (JRE) 1.4 以上がインストールされている必要があります。本インストールには JRE は含まれていません。インストールされている Java のバージョンが分からない場合は、java -version を実行します。このコマンドによって、Java バージョンが適切であるか、システムに正常に設定されているかを確認できます。


このインストーラは、バッチファイル setup.bat によって起動されます。このバッチファイルは Java Desktop System Management Tools CD にあります。十分な管理特権を持つユーザー (local administrator) としてスクリプトを起動する必要があります。管理特権が十分にない場合は、新しいシステムサービスとして Configuration Agent をインストールおよび起動することはできません。

次のように入力してインストーラを起動します。

	setup[-help]
		[-saveState filename][-no]
		[-noconsole][-state filename]
		[-nodisplay] 

次のオプションがインストーラによって認識されます。

-help

ヘルプテキストを表示する 

-saveState

対話式インストールセッションからの入力を、指定したファイルに書き込む。デフォルトのファイル名は statefile.out

-state

指定した状態ファイルをサイレントインストールの入力として使用する。このオプションは -noconsole とともに使用する

-noconsole

ユーザーインタフェースなしでインストーラを起動する。-state とともに使用し、サイレントインストールを開始する

-nodisplay

グラフィカルユーザーインタフェースを起動せずにコマンド行モードでインストーラを起動する 

-no

ソフトウェアをインストールせずにインストーラを実行する。このオプションは、サイレントインストールの準備のために -saveState とともに使用すると便利 

「ようこそ」

Configuration Agent インストールウィザードが呼び出されると、「ようこそ」ページが表示されます。「ようこそ」ページには、インストールプロセスに関する情報が示されます。

図 6–1 Configuration Agent、「ようこそ」ページ

「ようこそ」ページ

「次へ」ボタンをクリックしてウィザードの次のページに進みます。

使用許諾契約

「ソフトウェアライセンス条項」ページには、Configuration Agent のライセンス情報が示されます。

図 6–2 Configuration Agent、「ソフトウェアライセンス条項」

ライセンス合意書

ライセンス合意書の内容を読み、「はい (ライセンスに同意)」ボタンをクリックしてインストールプロセスを続行します。

インストールの種類

インストーラには 3 種類のインストールが用意されています。これらは、インストールプロセス中に定義できる設定の数だけが異なります。

図 6–3 Configuration Agent、インストールの種類のページ

インストールの種類のページ

インストールの種類を選択して「次へ」をクリックします。選択したインストールタイプに応じて、それぞれの設定のページが表示されます。次の節で各設定を説明します。


注 –

「高速」または「最小」のオプションを選択した場合、以降で説明する設定のページの中には該当しないものもあります。



注 –

Configuration Agent を起動するには、ホスト名、LDAP サーバーのポートなどのブートストラップ情報が必要です。さらに、ロギングレベル、データディレクトリなどの詳細な設定も定義できます。これらのすべての設定は、インストールプロセス中に指定できます。この情報は、policymgr.propertiesapocd.propertiesos.properties などのプロパティファイルの集合として保守されます。これらのファイルは、ローカルの Program Files\Sun\Apoc\lib ディレクトリに格納されます。これらのプロパティファイルは手作業でも、Configuration Agent の設定ウィザードでも編集できます。


Configuration Agent ウィザードと設定情報

この節では、Configuration Agent で使用できるすべての設定について具体的に説明します。

この設定ウィザードは、グラフィカルユーザーインタフェースを提供し、これに従って Configuration Agent に必要な設定ができます。このウィザードのすべてのページで、対応するヘルプ画面が利用できます。

ブートストラップ情報

図 6–4 Configuration Agent、設定リポジトリ

Configuration Agent、設定リポジトリ


注 –

対応するプロパティファイルキーを括弧内に示しています (適切な場合)。


図 6–5 Configuration Agent、認証機構

Configuration Agent、認証機構

ポートの設定

Configuration Agent は、次の 2 つのポートを使用します。

図 6–6 Configuration Agent、ポートの設定

Configuration Agent、ポートの設定

変更検出間隔

Configuration Agent は、次の 2 つの間隔を使用して、設定データに変更があるかどうかを定期的にチェックします。

汎用の検出間隔を使用すると、リモートの設定データの変更をクライアント側のアプリケーションに伝播する間隔を調整できます。この設定で指定する値は、リモートに加えられた変更の内容がクライアントアプリケーションに反映されるまでの最大期間 (分) です。

この値が小さくなるほど、Configuration Agent と LDAP サーバーの活動が増えます。したがって、この設定値を調整する場合は注意が必要です。たとえば、最初の配備段階でこの値を 1 分に設定するれば、クライアントアプリケーションに対するリモート設定の影響を簡単にテストできます。テストが完了したら、この設定を初期値に戻します。

操作設定

図 6–7 Configuration Agent、データディレクトリ

Configuration Agent、データディレクトリ

次の設定が設定できます。

図 6–8 Configuration Agent、要求の処理とロギング

Configuration Agent、要求の処理とロギング


注 –

ほとんどの操作設定 (「データディレクトリ」と「接続タイムアウト」の設定を除く) は、LDAP サーバーに格納された対応するポリシー経由で集中的に保守できます。この機能を使用する場合は、対応する設定をウィザードで変更しないでください。代わりに、Configuration Manager 内の Configuration Agent ポリシーを使用して、操作設定を集中的に指定します。


エージェント設定の要約

Configuration Manager を使用して LDAP サーバーに格納した操作設定 (「データディレクトリ」と「接続タイムアウト」の設定を除く) は、エージェント設定の次回の変更検出時に自動的に適用されます (DaemonChangeDetectionInterval を参照)。

図 6–9 Configuration Agent、設定の要約ページ

Configuration Agent、設定の要約ページ

ローカルで変更したその他の設定については、Configuration Agent を再読み込みまたは再起動する必要があります。設定ウィザードを使用する場合、再読み込みまたは再起動は自動的に実行されます。


注 –

手動で Configuration Agent を再起動するには、関連するクライアントアプリケーションが実行されていないことを確認し、管理者としてログインしてコマンド Program Files\Sun\Apoc\bin\apocd restart を入力します。または、コントロールパネルの管理ツールにあるサービスを起動します。使用可能なサービスのリストから「Configuration Agent」を選択し、 「サービスの再起動」をクリックします。


インストール準備完了

「インストール準備完了」ページには、インストールされる Configuration Agent の項目が表示されます。

図 6–10 Configuration Agent、「インストール準備完了」ページ

インストール準備完了

この時点では、システムはまだ変更されていません。実際にインストールが開始されるのは、「今すぐインストール」ボタンをクリックしてからです。

インストールの概要

ウィザードの「インストールの概要」ページには、インストールされる項目の状態が表示されます。それぞれの項目の「詳細」ボタンをクリックすると、その項目の詳細情報が表示されます。

図 6–11 Configuration Agent、「インストールの概要」ページ

インストールの概要

インストーラによって、Configuration Agent のバイナリがデフォルトのプログラムファイルディレクトリ (通常は C:\Program Files) 内の Sun\apoc に格納されます。さらに、「スタート」–「プログラム」–「Sun」メニューに Java Desktop System の新しいフォルダも自動的に作成されます。このフォルダには 2 つのショートカットが含まれていて、Configuration Agent をさらに詳細に設定したり、アンインストールすることができます。

Configuration Agent の設定の変更

前述のように、Configuration Agent の設定はインストール後にいつでも変更できます。Program Files\Sun\Apoc\bin\apoc-config.bat スクリプトを使用して、管理者としてウィザードを起動します。または、「スタート」メニューから「プログラム」–「Sun」–「Java Desktop System」の「Configuration Agent」エントリを選択することによっても、Configuration Agent ウィザードを起動できます。


注 –

ウィザードはグラフィカルインタフェースを起動しなくても起動できます。たとえば、コンソールモードでウィザードを起動するには、Program Files\Sun\Apoc\bin\apoc-config -nodisplay を実行します。


Configuration Agent のアンインストール

Configuration Agent をアンインストールするには、「スタート」メニューから「プログラム」–「Sun」–「Java Desktop System」–「Configuration Agent」–「Configuration Agentのアンインストール」を選択します。