名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用法 | 環境 | 終了ステータス | ファイル | 属性 | 関連項目 | 注意事項
mail [-tw] [-m message_type] recipient...
rmail [-tw] [-m message_type] recipient...
mail [-ehpPqr] [-f file]
mail [-x debug_level] [other_mail_options] recipient...
recipient は通常、ドメイン形式 (“user@machine”) のアドレス、またはlogin(1) が認識するユーザー名です。recipient を指定すると、mail はメッセージを送信中であるとみなします。このコマンドは、標準入力からファイルの終端 (Control-d) まで、あるいは端末デバイスから読み取っている場合は、ピリオドだけの行に至るまで読み取りを続けます。ファイルの終端またはピリオドだけの行のいずれかを受信すると、mail は各 recipient に対してレターをメールファイルに追加します。
レターは、最初にヘッダー行が数行、次に空行、さらに本文が続きます。レターのヘッダー行セクションは、1 つまたは複数の UNIX ポストマークから構成されます。
From sender date_and_time [remote from remote_system_name]
この後に、以下の形式の 1 つまたは複数の標準メッセージヘッダー行が続きます。
keyword-name: [printable text]
ここで、keyword-name は、コロン (`:') 以外の表示可能な空白以外の文字から構成されます。MIME-version: ヘッダー行は、そのメッセージが RFC 2045 形式であることを示します。Content-Length: ヘッダー行は本文内のバイト数を示し、常に存在します。ただし、レターがメッセージ内容のないヘッダー行だけから構成されている場合は例外です。Content-Type: ヘッダー行は本文 (テキスト、アプリケーション/オクテットストリームなど) のタイプを示し、常に存在します。ただし、レターがメッセージ内容のないヘッダー行だけから構成されている場合は例外です。ヘッダー行は、その次の行が空白で始まっている場合、次の行に継続できます。
以下のコマンド行引数は、メール送信に影響を与えます。
Message-Type: 行を、message_type の値とともにメッセージヘッダーに追加します。
対象となる recipient の各々について、To: 行を、メッセージヘッダーに追加します。
リモート送信プログラムの完了を待たずに、レターをリモート受信者に送信します。
レターが配送できないことがわかった場合、そのレターは障害の原因と性質を示す診断とともに送信者に返されます。入力中に mail が中断された場合、メッセージを dead.letter というファイルにセーブするので、後から編集と再送信を実行することもできます。dead.letter は常に追加されるので、以前の内容はすべて保存されます。dead.letter の追加 (または作成) は、まず、現在のディレクトリで行われます。これが失敗すると、ユーザーのログインディレクトリに dead.letter を追加 (または作成) しようとします。2 度目の試行も失敗した場合は、dead.letter の処理はいっさい行われません。
rmail は、メールの送信だけ可能です。uucp(1C) は rmail をセキュリティ通知として使用します。メールメッセージを生成するアプリケーションプログラムは、メッセージの送信や配送、またはその両方において、必ず、mailではなく rmail を起動する必要があります。
ローカルシステムに Basic Networking Utilities をインストールしてある場合、ローカルシステムで利用可能な送信機構に応じて、様々な方法でリモートシステム上の受信者にメールを送信できます。最も広く利用されているアドレス指定機構は、ドメイン形式とUUCP 形式の 2 つです。
受信者名に `@' とドメイン (およびサブドメインもあり得る) 情報を追加してリモート受信者を指定します (たとえば、user@sf.att.com)。(ローカルシステム上でどの規則が利用可能かについての詳細は、ローカルシステム管理者に相談する必要があります)。
sysa!user のように、受信者名にリモートシステム名と感嘆符を接頭辞として付けてリモート受信者を指定します。csh(1) がデフォルトシェルの場合、sysa\!user を使用する必要があります。一連のシステム名を感嘆符で区切れば、拡張したネットワークを介してレターを出力することができます (たとえば、sysa!sysb!sysc!user または sysa\!sysb\!sysc\!user)。
以下のコマンド行引数は、メールの読み取りに影響を与えます。
メールがあるかどうかをテストします。mail は何も表示しません。ユーザーにメールがある場合、0 の終了コードを返します。メールがない場合、1 の終了コードを返します。
-e と似ていますが、新しいメールがあるかどうかをテストします。
ユーザーに新しいメールがある場合、0 の終了コードを返します。新しいメールがない場合、1 の終了コードを返します。既読のメールがある場合、2 の終了コードを返します。
最初に、最新のメッセージではなく、ヘッダーのウィンドウを表示します。ディスプレイの後に ? プロンプトを表示します。
配置を示すプロンプトなしに、すべてのメッセージを表示します。
デフォルトの選択したヘッダー行を表示する代わりに、ヘッダー行すべてを表示してから、すべてのメッセージを表示します。
割り込みを受けた後、mail は終了します。通常、割り込みによって発生するのは、表示中のメッセージの終了だけです。
先入れ先出し方式でメッセージを表示します。
デフォルトのメールファイルの代わりに、mail は、file (たとえば、mbox) を使用します。
mail は、コマンド行引数の影響を特に受けないかぎり、後入れ先出し方式でユーザーのメールメッセージを表示します。メッセージ表示のデフォルトのモードは、至急必要なヘッダー行だけを表示することです。これらには、UNIX の From ポストマークおよび >From ポストマーク、From: ヘッダー行、Date: ヘッダー行、Subject: ヘッダー行、および Content-Length: ヘッダー行、ならびに To:、Cc:、Bcc: などの受信者ヘッダー行が含まれますが、これに限定されるわけではありません。ヘッダー行を表示した後、mail は、メッセージに表示できない文字がないかぎり、その内容 (本体) を表示します。表示できない文字がある場合、mail は、メッセージの内容がバイナリである旨の警告文を発行し、その内容を表示しません (これは、p コマンドで無効にすることができます。)。
各メッセージにおいて、ユーザーは ? というプロンプトを受け、標準入力から行が読み取られます。メッセージの配置を判別するときは、以下のコマンドを利用できます。
現在のメッセージの数を表示します。
直前のメッセージを表示します。
次のメッセージを表示します。
シェルにエスケープして、command を実行します。
mail セッション中に到着したメッセージを表示します。
現在のメッセージを削除し、次のメッセージを表示します。
n 番のメッセージを削除します。次のメッセージを表示しません。
メッセージを削除し、mail を終了します。
現在のメッセージを中心としてヘッダーのウィンドウを表示します。
n 番のメッセージを中心としてヘッダーのウィンドウを表示します。
ユーザーのメールファイルにすべてのメッセージのヘッダーを表示します。
削除予定のメッセージのヘッダーを表示します。
指定された persons に現在のメッセージを送信 (および削除) します。
n 番のメッセージを表示します。
現在のメッセージを再び表示し、バイナリ (つまり、表示不能) の内容の表示を無効にします。
デフォルトの省略モードを無効にし、現在のメッセージを再表示して、ヘッダー行をすべて表示します。
削除を解除したメールをメールファイルに戻し、mail を終了します。
送信者と他の users に応答してから、メッセージを削除します。
メッセージを、指定された files (デフォルトは mbox) にメッセージの内容をヘッダー行なしでセーブし、メッセージを削除します。
n 番のメッセージの削除を解除します(デフォルトは直前に読み取ったメッセージ)。
指定された files (デフォルトは mbox) にメッセージの内容をヘッダー行なしでセーブし、メッセージを削除します。
メールすべてを変更を加えずにメールファイルに戻し、mail を終了します。
-w オプションと同じ。
コマンド概要を表示します。
通常、ユーザーがログインする際にメールが存在すれば、それが通知されます。また、mail を使用中に新しいメールが到着した場合でも通知されます。
chmod(1) を使用し、2 種類の方法でメールファイルのアクセス権を処理すれば、mail の機能を変更できます。ファイルのその他のアクセス権を、読み取り書き込みともに可能 (0666)、読み取り専用 (0664)、または読み取り書き込みとも不可 (0660) とすることによって、プライバシーをさまざまに調整できます。デフォルト ( 0660モード) 以外に変更すると、空の場合でもファイルは保存され、希望のアクセス権が永久的になります (管理者は mailcnfg の DEL_EMPTY_MAILFILE オプションを使用すれば、このファイル保存を無効にできます)。
メールファイルのグループ ID を mail として新しいメッセージを配送可能にし、メールファイルをグループ mail で書き込み可能にする必要があります。
以下のコマンド行引数によって、mail は、デバッグ情報を提供します。
mail は、デバッグ情報の入ったトレースファイルを作成します。
-x オプションを指定すると、mail は /tmp/MLDBGprocess_id という名前のファイルを作成します。このファイルには、mail が現在のメッセージを処理した手順に関するデバッグ情報が入っています。debug_level の絶対値はデバッグ情報の長さを制御します。0 はデバッグなしを意味します。debug_level が 0 より大きい場合、デバッグファイルが保持されるのは、mail のメッセージ処理中に問題が発生した場合だけです。debug_level が 0 未満の場合、常にデバッグファイルを保持します。-x で debug_level を指定すると、/etc/mail/mailcnfg 内の DEBUG の指定すべてが無効になります。-x オプションの提供する情報は難解であり、役立つのはシステム管理者だけだと思われます。
メールの通知には、いくつかの形式があります。以下の行をメッセージヘッダーに挿入することによって実現します。
Transport-Options: [ /options ]
Default-Options: [ /options ]
>To: recipient [ /options ]
ここで “/options” には、以下のうちの 1 つまたは複数が使用できます。
メッセージが recipient のメールボックスに正常に配送されたことを送信者に通知します。
配送が成功したことを送信者に通知しません。
配送が失敗したことを送信者に通知しません。
メール配送が失敗したか否かを送信者に通知します。送信者に失敗メッセージを返します。
/return と同じ。ただし、元のメッセージは返しません。
デフォルトは /nodelivery/return です。矛盾のあるオプションを使用すると、最初のオプションを認識し、その後の矛盾する条件を無視します。
メール送信には次のオペランドがあります。
ドメイン形式 (“user@machine”) のアドレス、またはlogin(1) が認識するユーザー名
ファイルが 2G バイト ( 231バイト) 以上ある場合の mail と rmail の動作については、largefile(5) を参照してください。
mail の実行に影響を与える環境変数 LC_CTYPE、LC_MESSAGES、NLSPATH についての詳細は、environ(5) を参照してください。
日付と時間の文字列とともに使用する時間帯を指定する
メールできなかったテキスト
送信者の識別および recipient の発見用
セーブされたメール
メールファイルのパス名を含む変数
一時ファイル
デバッグ・トレースファイル
メールディレクトリのロック
一時ファイルを保持し、システムクラッシュ時のデータ損失を防ぐためのディレクトリ
ユーザーに送られたメール (ユーザーに届いたメール)。すなわち、デフォルトのメールファイル
次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
属性タイプ |
属性値 |
---|---|
使用条件 |
SUNWcsu |
chmod(1), csh(1), login(1), mailx(1), uucp(1C), uuencode(1C), vacation(1), write(1), attributes(5), environ(5), largefile(5)
上記の「配送通知」の節で説明したように、ヘッダー行による解釈と結果的な処置が発生するのは、配送 (または失敗) が行われたシステム上に、このバージョンの mail がインストールされている場合だけです。mail の初期のバージョンはどのタイプの配送通知もサポートしません。
条件によっては、ロックファイルの削除が失敗することがあります。
割り込み後、次のメッセージが表示されないことがあります。表示を強制するときは、p を入力します。
名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用法 | 環境 | 終了ステータス | ファイル | 属性 | 関連項目 | 注意事項