名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 使用法 | 環境変数 | 属性 | 関連項目 | 警告
/usr/sbin/swap -a swapname [swaplow] [swaplen]
/usr/sbin/swap -d swapname [swaplow]
/usr/sbin/swap -l
/usr/sbin/swap -s
swap ユーティリティーは、メモリーマネージャーが使用するシステムスワップ領域を追加、削除、および監視する方法を提供します。
サポートしているオプションは、以下のとおりです。
指定されたスワップ領域を追加します。このオプションは、スーパーユーザーのみ使用できます。swapname はスワップファイルの名前です。たとえば、/dev/dsk/c0t0d0s1 または通常ファイルです。swaplow は、ファイル内でスワップ領域を開始する場所のオフセット (512 バイトブロック単位) です。swaplen は、スワップ領域として望ましい長さ (512 バイトブロック単位) です。swaplen の値は 16 より小さくすることはできません。たとえば、n ブロックが指定された場合、(n-1) ブロックが実際のスワップの長さになります。swaplen は、長さが少なくとも 1 ページは必要です。メモリーのページのサイズは、pagesize コマンドを使用して決定することができます。pagesize(1) を参照してください。スワップファイルの最初のページは自動的にスキップされ、スワップファイルは長さが少なくとも 1 ページは必要なため、最小サイズは 2 ページサイズバイトの倍数にすることをお勧めします。メモリーのページのサイズは、マシンに依存します。
swaplow + swaplen は、スワップファイルのサイズ以下である必要があります。swaplen を指定しないと、swaplow から始まり指定したファイルの末尾で終わる領域が追加されます。swaplow も swaplen も指定されない場合、最初のページ以外のファイル全体が使用されます。スワップ領域は通常、システムの起動中に /sbin/swapadd スクリプトによって自動的に追加されます。このスクリプトは、/etc/vfstab ファイルで指定したすべてのスワップ領域を追加します。これらの指定する構文については、vfstab(4) を参照してください。
NFS またはローカルファイルシステム swapname を使用するには、最初に mkfile(1m) を使用してファイルを作成することをお勧めします。ローカルファイルシステムのスワップファイルの場合、swap -a コマンドを実行するだけで、稼働中のシステムに追加できます。NFS マウントされたスワップファイルの場合、サーバーはファイルをエクスポートする必要があります。このためには次の手順を実行します。
/etc/dfs/dfstab に次の行を追加します。
share -F nfs -o rw=clientname,root=clientname path-to-swap-file
shareall(1M) を実行します。
クライアントに次の行を /etc/vfstab に追加させます。
server:path-to-swap-file - local-path-to-swap-filenfs \ - - - local-path-to-swap-file - - swap - - -
クライアントに mount を実行させます。
# mount local-path-to-swap-file |
クライアントは次に swap -a を実行して、スワップ空間を追加できます。
# swap -a local-path-to-swap-file |
指定されたスワップ領域を削除します。このオプションは、スーパーユーザーのみ使用できます。swapname はスワップファイルの名前です。たとえば、/dev/dsk/c0t0d0s1 または通常ファイルです。swaplow は、削除されるスワップ領域のオフセット (512 バイトブロック単位) です。swaplow を指定しないと、領域の削除は第 2 ページから開始されます。コマンドが完了すると、この領域からスワップブロックを割り当てることはできなくなり、以前このスワップ領域で使用されていたすべてのスワップブロックは、別のスワップ領域へ移動されています。
すべてのスワップ領域の状態をリスト表示します。出力には 5 つの列があります。
スワップ領域のパス名です。
ブロック特殊デバイスの場合は、十進数のメジャー/マイナーデバイス番号、それ以外の場合はゼロです。
領域の swaplow 値 (512 バイトブロック単位) です。
領域の swaplen 値 (512 バイトブロック単位) です。
この領域で現在割り当てられていない 512 バイトブロックの数です。
このリストには物理メモリー形式でのスワップ空間は含まれません。この空間は特定のスワップ領域と関連付けられていないためです。
swapname の (swap -d による) 削除処理中に swap -l を実行した場合、スワップの状態の列の 6 番目に文字列 INDEL が表示されます。
全体のスワップ空間の使用量および利用可能量についての概要情報を出力します。
バッキングストアとして使用されるよう現在割り当てられているスワップ空間の、バイト単位の合計容量です。
現在は割り当てられていないが、あとから使用できるようにメモリーマッピングによって確保されているスワップ空間のバイト単位の合計容量です。
割り当て済みまたは予約済みのスワップ空間のバイト単位の合計容量です。
あとから予約や割り当てに使用可能なスワップ空間のバイト単位の合計。
これらの数には、-l オプションによって表示されるすべての構成済みスワップ領域のスワップ空間に加えて、物理メモリー形式でのスワップ空間も含まれます。
32 ビットオペレーティングシステムでは、スワップデバイスが 2G バイト以上の場合、最初の 2G バイト -1 だけが使用されます。64 ビットオペレーティングシステムでは、2G バイトを超えるブロックデバイスを十分に活用でき、263 -1 バイトまでスワップ用に使用できます。
swap の実行に影響を与える次の環境変数についての詳細は、environ(5) を参照してください。LC_CTYPE および LC_MESSAGE。
次の属性については、attributes(5) を参照してください。
属性タイプ |
属性値 |
---|---|
使用条件 |
SUNWcsu |
追加するスワップ領域が既存のファイルシステムとオーバーラップするかどうかの確認は行われません。