SunOS リファレンスマニュアルは、初めて SunOS を使用するユーザーやすでにある程度の知識を持っているユーザーのどちらでも対応できるように解説されています。このマニュアルを構成するマニュアルページは一般に参照マニュアルとして作られており、チュートリアルな要素は含んでいません。それぞれのコマンドを実行すると、どのような結果が得られるかについて、詳しく説明されています。なお、各マニュアルページの内容はオンラインでも参照することができます。
このマニュアルは、マニュアルページの内容によっていくつかのセクションに分かれています。各セクションについて以下に簡単に説明します。
セクション 1 は、オペレーティングシステムで使えるコマンドを説明します。
セクション 1M は、システム保守や管理用として主に使われるコマンドを説明します。
セクション 2 は、すべてのシステムコールについて説明します。ほとんどのシステムコールに 1 つまたは複数のエラーがあります。エラーの場合、通常ありえない戻り値が返されます。
セクション 3 は、さまざまなライブラリ中の関数について説明します。ただし、UNIX システムプリミティブを直接呼び出す関数については、セクション 2 で説明しています。
セクション 4 は、各種ファイルの形式について説明します。また、ファイル形式を宣言する C 構造体を適用できる場合には随時説明しています。
セクション 5 は、文字セットテーブルなど他のセクションには該当しないものについて説明します。
セクション 7 は、特殊なハードウェア周辺装置またはデバイスドライバに関するさまざまな特殊ファイルについて説明します。STREAMS ソフトウェアドライバ、モジュール、またはシステムコールの STREAMS 汎用セットについても説明します。
セクション 9 は、カーネル環境でデバイスドライバを記述するのに必要な参照情報を提供します。ここでは、デバイスドライバインタフェース (DDI) とドライバ/カーネルインタフェース (DKI) という 2 つのデバイスドライバインタフェース仕様について説明します。
セクション 9F は、デバイスドライバが使用できるカーネル関数について説明します。
以下に、このマニュアルの項目を表記されている順に説明します。ほとんどのマニュアルページが下記の項目からなる共通の書式で書かれていますが、必要でない項目については省略されています。たとえば、記述すべきバグがコマンドにない場合などは、「使用上の留意点」という項目はありません。各マニュアルページの詳細は各セクションの intro を、マニュアルページの一般的な情報については man(1) を参照してください。
コマンドや関数の名称と概略が示されています。
コマンドや関数の構文が示されています。標準パスにコマンドやファイルが存在しない場合は、フルパス名が示されます。字体は、コマンド、オプションなどの定数にはボールド体 (bold) を、引数、パラメータ、置換文字などの変数にはイタリック体 (Italic) または <日本語訳> を使用しています。オプションと引数の順番は、アルファベット順です。特別な指定が必要な場合を除いて、1 文字の引数、引数のついたオプションの順に書かれています。
このかっこに囲まれたオプションや引数は省略できます。このかっこが付いていない場合には、引数を必ず指定する必要があります。
省略符号。前の引数に変数を付けたり、引数を複数指定したりできることを意味します (例: ` filename . . .')。
区切り文字 (セパレータ)。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定できます。
この大かっこに囲まれた複数のオプションや引数は省略できます。かっこ内を 1 組として扱います。
この項が使われているのは、プロトコルが記述されているファイルを示すサブセクション 3R だけです。パス名は常にボールド体 (bold) で示されています。
コマンドの機能とその動作について説明します。実行時の詳細を説明していますが、オプションの説明や使用例はここでは示されていません。対話形式のコマンド、サブコマンド、リクエスト、マクロ、関数などに関しては「使用法」で説明します。
セクション 7 だけに使用される項です。ioctl(2) システムコールへのパラメータは ioctl と呼ばれ、適切なパラメータを持つデバイスクラスのマニュアルページだけに記載されています。特定のデバイスに関する ioctl は、(そのデバイスのマニュアルページに) アルファベット順に記述されています。デバイスの特定のクラスに関する ioctl は、mtio(7I) のように io で終わる名前が付いているデバイスクラスのマニュアルページに記載されています。
各オプションがどのように実行されるかを説明しています。「形式」で示されている順に記述されています。オプションの引数はこの項目で説明され、必要な場合はデフォルト値を示します。
コマンドのオペランドを一覧表示し、各オペランドがコマンドの動作にどのように影響を及ぼすかを説明しています。
コマンドによって生成される出力 (標準出力、標準エラー、または出力ファイル) を説明しています。
値を返す関数の場合、その値を示し、値が返される時の条件を説明しています。関数が 0 や -1 のような一定の値だけを返す場合は、値と説明の形で示され、その他の場合は各関数の戻り値について簡単に説明しています。void として宣言された関数はこの項では扱いません。
失敗の場合、ほとんどの関数はその理由を示すエラーコードを errno 変数の中に設定します。この項ではエラーコードをアルファベット順に記述し、各エラーの原因となる条件について説明します。同じエラーの原因となる条件が複数ある場合は、エラーコードの下にそれぞれの条件を別々のパラグラフで説明しています。
この項では、使用する際の手がかりとなる説明が示されています。特定の決まりや機能、詳しい説明の必要なコマンドなどが示されています。組み込み機能については、以下の小項目で説明しています。
コマンドや関数の使用例または使用方法を説明しています。できるだけ実際に入力するコマンド行とスクリーンに表示される内容を例にしています。例の中には必ず example% のプロンプトが出てきます。スーパーユーザーの場合は example# のプロンプトになります。例では、その説明、変数置換の方法、戻り値が示され、それらのほとんどが「形式」、「機能説明」、「オプション」、「使用法」の項からの実例となっています。
コマンドや関数が影響を与える環境変数を記述し、その影響について簡単に説明しています。
コマンドが呼び出しプログラムまたはシェルに返す値と、その状態を説明しています。通常、正常終了には 0 が返され、0 以外の値はそれぞれのエラー状態を示します。
マニュアルページが参照するファイル、関連ファイル、およびコマンドが作成または必要とするファイルを示し、各ファイルについて簡単に説明しています。
属性タイプとその対応する値を定義することにより、コマンド、ユーティリティ、およびデバイスドライバの特性を一覧しています。詳細は attributes(5) を参照してください。
関連するマニュアルページ、当社のマニュアル、および一般の出版物が示されています。
エラーの発生状況と診断メッセージが示されています。メッセージはボールド体 (bold) で、変数はイタリック体 (Italic) または <日本語訳> で示されており、C ロケール時の表示形式です。
作業に支障を与えるような現象について説明しています。診断メッセージではありません。
それぞれの項に該当しない追加情報が示されています。マニュアルページの内容とは直接関係のない事柄も参照用に扱っています。ここでは重要な情報については説明していません。
すでに発見されているバグについて説明しています。可能な場合は対処法も示しています。