DTrace ユーザーガイド

カーネル破壊アクション

システム全体に影響を及ぼす破壊アクションもあります。これらのアクションは慎重に使用してください。これらのアクションは、システムで実行中のすべてのプロセスに影響を及ぼします。さらに、そのシステムのネットワークサービスを使用しているその他のシステムに影響を及ぼすこともあります。

breakpoint() 関数

void breakpoint(void)

breakpoint() アクションは、カーネルブレークポイントを設定して、システムを停止し、カーネルデバッガに制御を移します。カーネルデバッガは、アクションを引き起こした DTrace プローブを表す文字列を発行します。

panic() 関数

void panic(void)

panic() アクションが指定されているプローブが起動すると、カーネルパニックが発生します。このアクションを実行すると、必要に応じて強制的にシステムのクラッシュダンプを出力できます。このアクションをリングバッファリングや事後分析と組み合わせることで、 システムの問題を診断できます。詳細は、『Solaris 動的トレースガイド』の第 11 章「バッファーとバッファリング」『Solaris 動的トレースガイド』の第 37 章「事後トレース」を参照してください。

chill() 関数

void chill(int nanoseconds)

chill() アクションが指定されているプローブが起動すると、指定された時間 (ナノ秒) だけ DTrace が実行され続けます。chill() アクションは、タイミング関連の問題の調査に役立ちます。DTrace プローブコンテキストでは、割り込みは無効になります。このため、chill() を使用すると、割り込み遅延、スケジュール遅延、ディスパッチ遅延が発生します。