DTrace ユーザーガイド

匿名有効化

匿名有効化を作成するには、dtrace コマンドを -A オプション付きで呼び出して、必要なプローブ、述語、アクション、およびオプションを指定します。dtrace コマンドは、dtrace(7D) ドライバの構成ファイルに、要求内容に対応した一連のドライバプロパティーを追加します。構成ファイルは通常 /kernel/drv/dtrace.conf です。これらのプロパティーは、dtrace ドライバのロード時にこのドライバによって読み取られます。このドライバは、指定されたプローブと指定されたアクションを有効にし、「匿名状態」を作成して、新しい有効化に関連付けます。通常、dtraceドライバは、dtrace プロバイダとして機能するほかのドライバとともに、必要に応じてロードされます。ブート中にトレースを行うためには、なるべく早い段階で dtrace ドライバをロードする必要があります。dtrace コマンドは、必要な dtrace プロバイダと dtrace ドライバの /etc/system (system(4) を参照) に、必要な forceload 文を追加します。

その後、システムがブートすると、dtrace ドライバから、構成ファイルが正常に処理されたことを示すメッセージが発行されます。匿名有効化には、dtrace コマンドの通常使用時に使用できるあらゆるオプションを設定できます。

匿名有効化を削除するには、プローブ記述を指定せずに dtrace -A コマンドを実行します。