Oracle Solaris ZFS 管理ガイド

チェックサムと自己修復データ

ZFS では、すべてのデータおよびメタデータが、ユーザーが選択したチェックサムアルゴリズムを使って検証されます。チェックサム検証の機能を持つ従来のファイルシステムでは、ボリューム管理層および従来のファイルシステムの設計のために、強制的にブロック単位でチェックサムが計算されていました。従来の設計では、完全なブロックを誤った位置に書き込むといった特定の障害の結果として、データは不正だがチェックサムエラーにならないという状況が生じる可能性があります。ZFS のチェックサムはそのような障害を検出し、障害モードから正常に回復できるような方法で格納されます。すべてのチェックサム検証とデータの回復は、ファイルシステム層でアプリケーションに透過的に実行されます。

また、ZFS は自己修復データも備えています。ZFS は、さまざまなレベルのデータ冗長性を備えたストレージプールをサポートします。不正なデータブロックが検出されると、ZFS は別の冗長コピーから正しいデータを取得し、不正なデータを正しいデータで置き換えて修復します。