zpool iostat コマンドでは、プール全体の入出力統計だけでなく、仮想デバイスの入出力統計を表示できます。このコマンドを使用して、速度が異常に遅いデバイスを検出することができます。また、ZFS が生成した入出力の分布を監視するといった使い方もできます。仮想デバイス全体のレイアウトおよびすべての入出力統計を要求する場合は、zpool iostat -v コマンドを使用します。次に例を示します。
# zpool iostat -v capacity operations bandwidth pool alloc free read write read write ---------- ----- ----- ----- ----- ----- ----- rpool 6.05G 61.9G 0 0 785 107 mirror 6.05G 61.9G 0 0 785 107 c1t0d0s0 - - 0 0 578 109 c1t1d0s0 - - 0 0 595 109 ---------- ----- ----- ----- ----- ----- ----- tank 36.5G 31.5G 4 1 295K 146K mirror 36.5G 31.5G 126 45 8.13M 4.01M c1t2d0 - - 0 3 100K 386K c1t3d0 - - 0 3 104K 386K ---------- ----- ----- ----- ----- ----- ----- |
仮想デバイスの入出力統計を表示するときは、2 つの重要な点に注意してください。
まず、ディスク容量の使用統計は、最上位レベルの仮想デバイスに対してのみ利用できます。ミラーおよび RAID-Z 仮想デバイスにディスク領域がどのように割り当てられるかは、実装に固有なので、1 つの数値として表現するのは簡単ではありません。
次に、予期したとおりの正確な数値にならないことがあります。特に、RAID-Z デバイスとミラー化されたデバイスの統計は、正確に一致することがありません。この相違は、プールが作成された直後に、特に顕著になります。プールが作成されるときに大量の入出力がディスクに直接実行されますが、これらがミラーレベルでは計上されないためです。時間の経過とともに、これらの数値はしだいに等しくなります。ただし、故障したデバイス、応答しないデバイス、またはオフラインのデバイスも、この対称性に影響する可能性があります。
仮想デバイスの統計を検査するときにも、同じオプション (間隔とカウント) を使用できます。