ZFS ファイルシステムを破棄するには、zfs destroy コマンドを使用します。破棄されたファイルシステムは、マウントおよび共有が自動的に解除されます。自動的に管理されるマウントおよび共有の詳細については、「自動マウントポイント」を参照してください。
次の例では、tabriz ファイルシステムが破棄されます。
# zfs destroy tank/home/tabriz |
destroy サブコマンドでは、確認を求めるプロンプトは表示されません。慎重に使用してください。
破棄するファイルシステムがビジー状態でマウントを解除できない場合、zfs destroy コマンドは失敗します。アクティブなファイルシステムを破棄する場合は、-f オプションを使用します。このオプションは慎重に使用してください。アクティブなファイルシステムのマウント解除、共有解除、および破棄も実行することができ、その場合はアプリケーションが予期しない動作をすることがあります。
# zfs destroy tank/home/ahrens cannot unmount 'tank/home/ahrens': Device busy # zfs destroy -f tank/home/ahrens |
zfs destroy コマンドは、ファイルシステムに子孫が存在する場合にも失敗します。ファイルシステムとそのすべての子孫を再帰的に破棄するときは、-r オプションを使用します。再帰的な破棄を実行すると、スナップショットも破棄されるので、このオプションは慎重に使用してください。
# zfs destroy tank/ws cannot destroy 'tank/ws': filesystem has children use '-r' to destroy the following datasets: tank/ws/billm tank/ws/bonwick tank/ws/maybee # zfs destroy -r tank/ws |
破棄するファイルシステムに間接的な依存関係が存在する場合は、再帰的な破棄コマンドでも失敗します。破棄する階層の外部に複製されたファイルシステムなど、すべての依存関係を強制的に破棄する場合は、-R オプションを使用する必要があります。このオプションは、慎重に使用してください。
# zfs destroy -r tank/home/schrock cannot destroy 'tank/home/schrock': filesystem has dependent clones use '-R' to destroy the following datasets: tank/clones/schrock-clone # zfs destroy -R tank/home/schrock |
zfs destroy コマンドの -f、-r、または -R オプションでは、確認を求めるプロンプトは表示されないので、これらのオプションは慎重に使用してください。
スナップショットおよびクローンの詳細については、第 7 章Oracle Solaris ZFS のスナップショットとクローンの操作を参照してください。