Oracle Solaris ZFS 管理ガイド

ZFS アクセス権の委任 (zfs allow)

zfs allow の構文を次に示します。


zfs allow -[ldugecs] everyone|user|group[,...] perm|@setname,...] filesystem| volume

次の zfs allow 構文 (太字) は、アクセス権の委任先を示しています。


zfs allow [-uge]|user|group|everyone [,...] filesystem | volume

複数のエンティティーをコンマ区切りのリストとして指定できます。-uge オプションが指定されていない場合、引数はキーワード everyone、ユーザー名、最後にグループ名という優先順位で解釈されます。「everyone」という名前のユーザーまたはグループを指定するには、-u オプションまたは -g オプションを使用します。ユーザーと同じ名前のグループを指定するには、-g オプションを使用します。-c オプションは作成時のアクセス権を委任します。

次の zfs allow 構文 (太字) は、アクセス権およびアクセス権セットの指定方法を示しています。


zfs allow [-s] ... perm|@setname [,...] filesystem | volume

複数のアクセス権をコンマ区切りのリストとして指定できます。アクセス権の名前は、ZFS のサブコマンドおよびプロパティーと同じです。詳細は、前の節を参照してください。

アクセス権を「アクセス権セット」にまとめ、-s オプションで指定できます。アクセス権セットは、指定のファイルシステムとその子孫に対してほかの zfs allow コマンドで使用できます。アクセス権セットは動的に評価されるため、セットに加えられた変更はすぐに更新されます。アクセス権セットは ZFS ファイルシステムと同じ命名要件に従いますが、名前はアットマーク記号 (@) で始まり、64 文字以下の長さでなければなりません。

次の zfs allow 構文 (太字) は、アクセス権の委任方法を示しています。


zfs allow [-ld] ... ... filesystem | volume

-l オプションは、アクセス権が指定のデータセットだけに許可されることを示します。-d オプションも指定されている場合を除き、子孫には許可されません。-d オプションは、アクセス権が子孫のデータセットだけに許可されることを示します。-l オプションも指定されている場合を除き、このデータセットには許可されません。どちらのオプションも指定されていない場合は、ファイルシステムまたはボリュームおよびそのすべての子孫にアクセス権が許可されます。