次の手順では、アップグレードやパッチの適用が可能な ZFS ルートファイルシステムおよび ZFS ゾーンルート構成を設定する方法を説明します。この構成では、ZFS ゾーンルートは ZFS データセットとして作成されます。
次の手順では、プール名の例として rpool、アクティブなブート環境の名前の例として s10BE を使用しています。ゾーンのデータセットの名前には、正当なデータセット名であればどのようなものでも使用できます。次の例では、ゾーンのデータセットの名前は zones になっています。
Solaris 対話式テキストインストーラまたは Solaris JumpStart インストール方法を使用して、システムを ZFS ルートでインストールします。
初期インストールまたは Solaris JumpStart インストールを使用して ZFS ルートファイルシステムをインストールする方法については、「ZFS ルートファイルシステムのインストール (初期インストール)」または 「ZFS ルートファイルシステムのインストール (Oracle Solaris JumpStart インストール)」を参照してください。
新しく作成したルートプールからシステムを起動します。
ゾーンルートをまとめるためのデータセットを作成します。
次に例を示します。
# zfs create -o canmount=noauto rpool/ROOT/s10BE/zones |
canmount プロパティーに noauto 値を設定すると、Oracle Solaris Live Upgrade とシステムの起動コードの明示的なアクションによらないかぎり、データセットはマウントされなくなります。
新しく作成したゾーンデータセットをマウントします。
# zfs mount rpool/ROOT/s10BE/zones |
データセットは /zones にマウントされます。
各ゾーンルートのデータセットを作成し、マウントします。
# zfs create -o canmount=noauto rpool/ROOT/s10BE/zones/zonerootA # zfs mount rpool/ROOT/s10BE/zones/zonerootA |
ゾーンルートディレクトリに適切なアクセス権を設定します。
# chmod 700 /zones/zonerootA |
ゾーンを設定して、ゾーンパスを次のように設定します。
# zonecfg -z zoneA zoneA: No such zone configured Use 'create' to begin configuring a new zone. zonecfg:zoneA> create zonecfg:zoneA> set zonepath=/zones/zonerootA |
次の構文を使用して、システムの起動時にゾーンが自動的に起動するように設定できます。
zonecfg:zoneA> set autoboot=true |
ゾーンをインストールします。
# zoneadm -z zoneA install |
ゾーンを起動します。
# zoneadm -z zoneA boot |