Oracle Solaris ZFS 管理ガイド

ProcedureZFS 上にゾーンルートを持つ ZFS ルートファイルシステムを構成する方法 (Solaris 10 10/08)

次の手順では、アップグレードやパッチの適用が可能な ZFS ルートファイルシステムおよび ZFS ゾーンルート構成を設定する方法を説明します。この構成では、ZFS ゾーンルートは ZFS データセットとして作成されます。

次の手順では、プール名の例として rpool、アクティブなブート環境の名前の例として s10BE を使用しています。ゾーンのデータセットの名前には、正当なデータセット名であればどのようなものでも使用できます。次の例では、ゾーンのデータセットの名前は zones になっています。

  1. Solaris 対話式テキストインストーラまたは Solaris JumpStart インストール方法を使用して、システムを ZFS ルートでインストールします。

    初期インストールまたは Solaris JumpStart インストールを使用して ZFS ルートファイルシステムをインストールする方法については、「ZFS ルートファイルシステムのインストール (初期インストール)」または 「ZFS ルートファイルシステムのインストール (Oracle Solaris JumpStart インストール)」を参照してください。

  2. 新しく作成したルートプールからシステムを起動します。

  3. ゾーンルートをまとめるためのデータセットを作成します。

    次に例を示します。


    # zfs create -o canmount=noauto rpool/ROOT/s10BE/zones
    

    canmount プロパティーに noauto 値を設定すると、Oracle Solaris Live Upgrade とシステムの起動コードの明示的なアクションによらないかぎり、データセットはマウントされなくなります。

  4. 新しく作成したゾーンデータセットをマウントします。


    # zfs mount rpool/ROOT/s10BE/zones
    

    データセットは /zones にマウントされます。

  5. 各ゾーンルートのデータセットを作成し、マウントします。


    # zfs create -o canmount=noauto rpool/ROOT/s10BE/zones/zonerootA
    # zfs mount rpool/ROOT/s10BE/zones/zonerootA
    
  6. ゾーンルートディレクトリに適切なアクセス権を設定します。


    # chmod 700 /zones/zonerootA
    
  7. ゾーンを設定して、ゾーンパスを次のように設定します。


    # zonecfg -z zoneA
        zoneA: No such zone configured
        Use 'create' to begin configuring a new zone.
        zonecfg:zoneA> create
        zonecfg:zoneA> set zonepath=/zones/zonerootA
    

    次の構文を使用して、システムの起動時にゾーンが自動的に起動するように設定できます。


    zonecfg:zoneA> set autoboot=true
    
  8. ゾーンをインストールします。


    # zoneadm -z zoneA install
    
  9. ゾーンを起動します。


    # zoneadm -z zoneA boot