Oracle Solaris ZFS 管理ガイド

正常な起動を妨げる ZFS マウントポイントの問題の解決 (Solaris 10 10/08)

アクティブなブート環境を変更するための最適な方法は、luactivate コマンドを使用することです。不適切なパッチや構成エラーが原因でアクティブな環境の起動に失敗する場合、別の環境から起動する唯一の方法は、起動時にその環境を選択することです。x86 システムでは GRUB メニューから代替 BE を選択でき、SPARC システムでは PROM から明示的に代替 BE を起動できます。

Solaris 10 10/08 リリースの Oracle Solaris Live Upgrade のバグのため、アクティブでないブート環境は起動に失敗する場合があります。これは、ブート環境の ZFS データセットまたはゾーンの ZFS データセットに無効なマウントポイントが含まれているためです。同じバグのため、BE に別の /var データセットがある場合は、BE をマウントすることもできなくなります。

ゾーンのデータセットに無効なマウントポイントが含まれている場合は、次の手順を実行してマウントポイントを修正することができます。

ProcedureZFS マウントポイントの問題を解決する方法

  1. フェイルセーフアーカイブからシステムを起動します。

  2. プールをインポートします。

    次に例を示します。


    # zpool import rpool
    
  3. 正しくない一時的なマウントポイントを探します。

    次に例を示します。


    # zfs list -r -o name,mountpoint rpool/ROOT/s10u6
        
        NAME                               MOUNTPOINT
        rpool/ROOT/s10u6                   /.alt.tmp.b-VP.mnt/
        rpool/ROOT/s10u6/zones             /.alt.tmp.b-VP.mnt//zones
        rpool/ROOT/s10u6/zones/zonerootA   /.alt.tmp.b-VP.mnt/zones/zonerootA

    ルート BE (rpool/ROOT/s10u6) のマウントポイントは / となるべきです。

    /var のマウントの問題が原因で起動に失敗する場合は、/var データセットについて同様に、正しくない一時的なマウントポイントを探します。

  4. ZFS BE とそのデータセットのマウントポイントを設定しなおします。

    次に例を示します。


    # zfs inherit -r mountpoint rpool/ROOT/s10u6
    # zfs set mountpoint=/ rpool/ROOT/s10u6
    
  5. システムを再起動します。

    GRUB メニューまたは OpenBoot PROM プロンプトで、特定のブート環境を起動するオプションが表示されたら、前の手順でマウントポイントを修正したブート環境を選択します。