Solaris 10 6/06 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)

ファイルシステムのコピー

新しいブート環境を作成するには、まず、クリティカルファイルシステムをコピーできる未使用のスライスが存在することを確認します。スライスが使用できないかあるいは最小限の要件を満たしていない場合は、新しいスライスをフォーマットする必要があります。

スライスを定義した後、ファイルシステムをディレクトリにコピーする前に、新しいブート環境上のファイルシステムを再構成できます。ファイルシステムを分割およびマージすることによってvfstab を簡単に編集でき、ファイルシステムを再構成することができます。ファイルシステムは、同じマウントポイントを指定して親ディレクトリにマージすることも、異なるマウントポイントを指定して親ディレクトリから分割することも可能です。

非アクティブブート環境でファイルシステムを構成した後、自動コピーを開始します。クリティカルファイルシステムは、指定された宛先ディレクトリにコピーされます。共有可能なファイルシステムは (それらの一部をコピーするように指定しない限り)、コピーされずに共有されます。ファイルシステムをアクティブなブート環境から非アクティブなブート環境にコピーする時、ファイルは新しいディレクトリにコピーされるので、アクティブなブート環境は変更されません。

ファイルシステムの分割やマージの手順 

RAID-1 ボリュームファイルシステムを持つブート環境の作成の概要 

「RAID-1 ボリュームファイルシステムを持つブート環境の作成」

新しいブート環境の作成の例

次の図に、さまざまな方法で新しいブート環境を作成する例を示します。

図 6–2 に、クリティカルファイルシステムのルート (/) をディスク上の別のスライスにコピーして、新しいブート環境を作成する方法を示します。アクティブなブート環境は、既存のスライス上にルート (/) ファイルシステムを持っています。新しいブート環境は、新しいスライス上にルート (/) ファイルシステムとまったく同じ複製を持ちます。ファイルシステム /swap および /export/home はアクティブなブート環境と非アクティブなブート環境で共有されます。

図 6–2 非アクティブなブート環境の作成 - ルート (/) ファイルシステムのコピー

この図については本文中で説明しています。

図 6–3 に、クリティカルファイルシステムを分割し、ディスク上の複数のスライスにコピーして、新しいブート環境を作成する方法を示します。アクティブなブート環境は、既存のスライス上にルート (/) ファイルシステムを持っています。このスライスでは、ルート (/) ファイルシステム内に、/usr/var、および /opt ディレクトリがあります。新しいブート環境では、ルート (/) ファイルシステムは分割され、/usr/opt は別のスライスに配置されています。ファイルシステム /swap/export/home は両方のブート環境で共有されます。

図 6–3 非アクティブなブート環境の作成 - ファイルシステムの分割

この図については本文中で説明しています。

図 6–4 に、クリティカルファイルシステムをマージし、ディスク上の複数のスライスにコピーして、新しいブート環境を作成する方法を示します。アクティブなブート環境には、ルート (/) ファイルシステム、/usr/var/opt があり、各ファイルシステムは別々のスライス上に配置されています。新しいブート環境では、/usr/opt はルート (/) ファイルシステムと同一のスライス上にマージされます。ファイルシステム /swap/export/home は両方のブート環境で共有されます。

図 6–4 非アクティブなブート環境の作成 - ファイルシステムのマージ

この図については本文中で説明しています。