Solaris 10 6/06 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)

非大域ゾーンを含むアップグレード

Solaris OS をインストールした後、非大域ゾーンをインストールして構成することができます。Solaris OS をアップグレードする準備が完了したら、非大域ゾーンがインストールされているシステムをアップグレードできます。Solaris 対話式インストールプログラムおよびカスタム JumpStart プログラムを使用するとアップグレードが可能です。

表 3–7 非大域ゾーンを含むアップグレードでの制約

プログラムまたは条件 

説明 

Solaris Live Upgrade 

非大域ゾーンがインストールされている場合は、Solaris Live Upgrade を使用してシステムをアップグレードすることはできません。lucreate コマンドでブート環境を作成できますが、luupgrade コマンドを使用するとアップグレードに失敗します。エラーメッセージが表示されます。

Solaris フラッシュアーカイブ 

非大域ゾーンがインストールされていると、Solaris フラッシュアーカイブは正常に作成できません。Solaris フラッシュ機能には Solaris ゾーン区分技術との互換性はありません。Solaris フラッシュアーカイブを作成する場合、そのアーカイブの配備条件が次のいずれかの場合は、作成されたアーカイブは正しくインストールされません。

  • アーカイブが非大域ゾーンに作成された場合。

  • アーカイブが、非大域ゾーンがインストールされている大域ゾーンに作成された場合。

場合によっては、-R オプションまたは同等のオプションを使用するコマンドを使用してはいけません。

次の条件がいずれも成立する場合は、コマンドに -R オプションまたは同等のオプションを使用して代替ルート (/) ファイルシステムを指定してはいけません。

  • コマンドが大域ゾーン内で実行される。

  • 代替ルート (/) ファイルシステムが非大域ゾーンにあるすべてのパスを参照する。

たとえば、pkgadd ユーティリティーに -R root_path オプションで非大域ゾーンのルート (/) ファイルシステムへのパスを指定して、大域ゾーンから実行する場合です。

代替ルート (/) ファイルシステムが指定可能なユーティリティーの一覧およびゾーンの詳細については、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』「大域ゾーンから非大域ゾーンにアクセスする際の制限」を参照してください。

ゾーンを含むアップグレードを実行する前のシステムのバックアップ

アップグレードを実行する前に、Solaris システムの大域ゾーンと非大域ゾーンをバックアップしてください。ゾーンがインストールされているシステムのバックアップを作成する方法については、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の第 25 章「Solaris のゾーン管理 (概要)」を参照してください。