Solaris 10 OS のインストール時またはインストール後に発生するバグ情報について説明します。
512M バイトのシステム上でのインストールは、次の条件のときにメモリーが不足してハングアップすることがあります。
OS のネットワークインストールイメージを使用してインストールする。
Solaris インストールプログラムが次のウィンドウ環境である。
グラフィカルユーザーインタフェース (GUI)。
-text オプションまたは下記のメニューの「3. Solaris Interactive Text (Desktop session)」。
利用可能なメモリーが使い果たされると、GUI インストール処理は速度が低下し、最終的に失敗します。ウィンドウ環境への表示が正しく行われません。
回避方法:
この問題を回避するには、最初にインストールを開始するときに非ウィンドウ環境を選択してください。インストールメディアから起動しているときに、次のメニューが表示されます。
----------- 1. Solaris Interactive (default) 2. Custom JumpStart 3. Solaris Interactive Text (Desktop session) 4. Solaris Interactive Text (Console session) 5. Apply driver updates 6. Single user shell Enter the number of your choice. ----------- |
このとき、「4. Solaris Interactive Text (Console session)」を選択します。この非ウィンドウ環境ではテキストのみのインストールが開始され、大量のメモリーを消費するプロセスは発生しません。
次の flarcreate コマンドの例はエラーを示しています。
# flarcreate -n test.flar -c /net/ins3525-svr/export/rw/test.flar Full Flash Checking integrity... Integrity OK. Running precreation scripts... ./caplib: ERROR: /usr/ccs/bin/elfdump not found or not executable, exiting... fdo: ERROR: Customization script failure. ERROR: Precreation script failure. Running pre-exit scripts... Pre-exit scripts done. |
回避方法:
DVD または CD インストールメディアから、pkgadd コマンドを使用して SUNWbtool パッケージを追加します。このパッケージの追加後に、flarcreate コマンドを正常に実行できます。
ディレクトリを変更します。
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Product |
SUNWbtool パッケージを追加します。
# pkgadd -d `pwd` SUNWbtool |
x86 プラットフォーム上で Solaris ボリュームマネージャー (Solaris Volume Manager、SVM) をアップグレードする場合、アップグレードは失敗します。SVM ボリュームがルート (/) ファイルシステム上に構成されているときに、Solaris 9 9/05 OS から Solaris 10 6/06 OS または Solaris Express リリースにアップグレードする場合にエラーが発生します。
次のエラーメッセージが表示されます。
Processing profile ERROR: The specified root and/or boot was not found or was not upgradeable Solaris installation program exited. |
Solaris OS は パス復元処理中に Process Login (PRLI) データをテープデバイスに送信しません。
ユーザーに対するエラーメッセージは表示されませんが、次のことから問題を識別できます。
通常のシステムログメッセージが、オフラインやオンラインなどのように、パスに関する内容を示している。
cfgadm -al コマンド。このコマンドを使用すると、テープデバイスに対する障害の状態が表示されます。
テープデバイスへの入出力が止まっている。
回避方法:
この状況から回復するには、FC ホストバスアダプタに対して luxadm forcelip コマンドを使用します。次に例を示します。
luxadm -e forcelip /dev/cfg/c99
c99 は、テープ移送との通信に使用されている特定のコントローラです。
複合ネットワークインストールイメージまたは DVD メディアから Solaris 10 6/06 リリースをインストールする場合、インストールは部分的に失敗します。このエラーにより、音声フィードバックなどの一部のアクセシビリティー機能が機能しなくなります。この問題は Java パッケージおよびアクセシビリティーパッケージに関係しています。これらのパッケージによって古い Java ソフトウェアがデフォルトバージョンになります。
回避方法:
インストールの完了後に、いくつかのリンクを手動で作成し、いくつかのファイルをさまざまな場所にコピーする必要があります。これを実行すると、Java 1.5.0 バージョンは実行されるデフォルトのバージョンになり、Java 用のさまざまなファイルの準備が整います。アクセシビリティーユーザー用の音声フィードバックは正しく機能します。
次の手順を実行します。
スーパーユーザーとしてログインします。
/usr ディレクトリに移動します。
# cd /usr |
現在の java ディレクトリを削除します。
# rm java |
現在の java ディレクトリにリンクします。
# ln -s jdk/jdk1.5.0_06 java |
/lib ディレクトリに移動します。
# cd jdk/jdk1.5.0_06/jre/lib/ |
アクセシビリティーファイルにリンクします。
# ln -s /usr/share/jar/accessibility.properties |
Java ファイルをコピーします。
# cp /usr/share/jar/gnome-java-bridge.jar ext/ |
Solaris フラッシュアーカイブのインストール後に、 /boot/solaris/bootenv.rc ファイルのコンソール値が更新されません。リブート後に、システムは稼働しますが、コンソールが正しく表示されません。
回避方法:
Telnet でシステムにリモート接続します。
/boot/solaris/bootenv.rc ファイルを正しいコンソール値に変更します。
値は次のいずれかです。
ttya
ttyb
screen
システムをリブートします。
pfinstall -D コマンドを使用して JumpStart プロファイルをテストする場合、次の条件でドライランテストが失敗します。
プロファイルに locale キーワードが含まれている場合。
GRUB ソフトウェアが含まれているリリースをテストしている場合。Solaris 10 1/06 リリース以降では、GRUB ブートローダーが GRUB メニューを使用して、ユーザーのシステムにインストールされた異なるオペレーティングシステムのブートを容易にします。
GRUB ソフトウェアの導入によって、ミニルートが圧縮されます。GRUB ソフトウェアは圧縮されたミニルートからロケールのリストを検出できません。ミニルートは、最小の Solaris ルート (/) ファイルシステムで、Solaris インストールメディア上にあります。
次のエラーメッセージが表示されます。
Could not select locale |
回避方法:
スクリプトの値は次のとおりです。
MEDIA_DIR=/cdrom/cdrom0/s0
MINIROOT_DIR=$MEDIA_DIR/Solaris_10/Tools/Boot
MINIROOT_ARCHIVE=$MEDIA_DIR/boot/x86.miniroot
TEMP_FILE_NAME=/tmp/test
次の手順を実行します。
ミニルートアーカイブを圧縮解除します
# /usr/bin/gzcat $MINIROOT_ARCHIVE > $TEMP_FILE_NAME |
lofiadm コマンドを使用してミニルートデバイスを作成します。
# LOFI_DEVICE=/usr/sbin/lofiadm -a $TEMP_FILE_NAME # echo $LOFI_DEVICE/dev/lofi/1 |
lofi を含むミニルートをミニルートディレクトリの下にマウントします。
# /usr/sbin/mount -F ufs $LOFI_DEVICE $MINIROOT_DIR |
プロファイルをテストします。
# /usr/sbin/install.d/pfinstall -D -c $MEDIA_DIR $path-to-jumpstart_profile |
pfinstall テストの完了後に、lofi デバイスをマウント解除します。
# umount $LOFI_DEVICE |
lofi デバイスを削除します。
# lofiadm -d $TEMP_FILE_NAME |
SUNWgnome-a11y-libs-share パッケージを追加しているときに、インストール後プロセスで問題が発生することがあります。この問題は、次の状況に影響します。
非大域ゾーンを使用し、かつ完全ルートゾーンを設定する
Solaris Live Upgrade を使用して Solaris 8 または Solaris 9 リリースからアップグレードする
Solaris 10 1/06 リリースからディスクレスクライアントを設定する
非大域ゾーンを使用し、かつ完全ルートゾーンを設定した場合、次のエラーメッセージが表示されます。
# zoneadm -z wholerootzone install Installation of these packages generated warnings: <SUNWgnome-a11y-libs-share> The file </export/home/wholerootzone/root/var/sadm/system/logs/install_log> contains a log of the zone installation . # |
install_log に、次のエラーが報告されます。
*** package <SUNWgnome-a11y-libs-share> installed with warnings: cp: cannot access ../../../../../share/jar/gnome-java-bridge.jar pkgadd: ERROR: postinstall script did not complete successfully Installation of <SUNWgnome-a11y-libs-share> on zone <wholerootzone> partially failed. |
Solaris 8 または Solaris 9 リリースから Solaris Live Upgrade を使用してアップグレードする場合、upgrade_log から次のエラーが報告されます。
Doing pkgadd of SUNWgnome-a11y-libs-share to /. 15360 blocks /a/var/sadm/pkg/SUNWgnome-a11y-libs-share/install/postinstall: /sbin/zonename: not found Installation of <SUNWgnome-a11y-libs-share> was successful. |
Solaris 10 1/06 リリースにディスクレスクライアントサービスを設定した場合に、そのシステムの /var/sadm/system/logs にあるログファイルに次のエラーが報告されます。
Doing pkgadd of SUNWgnome-a11y-libs-share to /export/Solaris_10. 15360 blocks /export/Solaris_10/var/sadm/pkg /SUNWgnome-a11y-libs-share/install/postinstall: /export/Solaris_10/usr/java/jre/lib: does not exist pkgadd: ERROR: postinstall script did not complete successfully Installation of <SUNWgnome-a11y-libs-share> failed. pkgadd return code = 1 |
回避方法: 3 つのすべての状況で、エラーメッセージを無視してください。
Solaris 対話式インストールプログラムを使用してインストールするときに、端末のタイプの設定画面でエラーが発生します。このプログラムは、入力された最初の文字をすぐに受け入れて、インストールを続行してしまいます。このため、複数の文字を入力する必要があるオプションを選択することができません。誤って文字を 1 つ入力しただけでも、インストールプログラムはすぐにその文字を受け入れてしまうので、残りのインストールはエラーになります。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: インストールを通常どおりに開始します。インストールタイプの入力を求める画面で、入力制限時間の 30 秒以内にインストールタイプを選択します。後続の画面での端末タイプの選択は、適切に動作するはずです。
x86 ベースのシステムに Solaris 10 1/06 リリースをインストールすると、次のエラーメッセージが表示されます。
/sbin/dhcpinfo: primary interface requested but no primary interface is set |
このエラーはインストールには影響がなく、インストールは成功します。
回避方法: このエラーメッセージは無視してください。
Solaris OS DVD からシステムをブートして Solaris ソフトウェアをインストールするときに、次の警告が表示されます。
/sbin/install-discovery: /usr/bin/loadkeys: not found |
このため、自動検出されたキーボードのキーボードマッピングは、ブートプロセス時には自動的に読み込まれません。
回避方法: ありません。この警告メッセージは無視してください。キーボードマッピングがなくても、Solaris ソフトウェアのインストールは続行できます。キーボードマッピングは、インストールの完了後にシステムをリブートするときに自動的に設定されます。
Solaris インストール起動ツールが find_device.out の検出に失敗して Solaris 10 3/05 HW1 のインストールに失敗し、リブートし、また同じ状態になって再度リブートを求めることがあります。
回避方法: ブート時に -text オプションを指定します。
boot net -text |
CD メディアを使用して Solaris インストールプログラムを実行しているときに、問題が発生することがあります。Solaris 10 1/06 SOFTWARE CD - 4 から Solaris ソフトウェアをインストールしたあとに、次のプロンプトが表示されます。
Press Reboot now to continue. |
「Reboot」を押しても、システムが応答しない場合があります。インストールは成功します。ただし、このエラーにより、インストールプログラムが正常に終了しません。つまり、標準のインストール後クリーンアップとシステムリブートを実行することができません。
次の例のようなエラーメッセージが、/tmp/disk0_install.log ファイルに記録されます。
Exception in thread "Thread-70" java.lang.IndexOutOfBoundsException: Index: 6, Size: 5 at java.util.ArrayList.add(ArrayList.java:369) at com.sun.wizards.core.WizardTreeManager. actualExitButtonPressed(WizardTreeManager.java:1499) at com.sun.wizards.core.WizardTreeManager. exitButtonPressed(WizardTreeManager.java:1486) at com.sun.wizards.core.AutonextController. run(AutonextController.java:736) at java.lang.Thread.run(Thread.java:595) |
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: 次の手順を実行します。
システムをシャットダウンしてから、電源を再投入します。
システムが起動したあとに CD を要求されたら、適切な CD を挿入します。CD が挿入されても、追加のソフトウェアはインストールされません。すぐに、通常のリブートが実行されます。
回避方法 2: 次の手順を実行します。
端末ウィンドウを開きます。
スーパーユーザーとしてログインします。
.instsuccess ファイルへのアクセスを作成または変更します。
# touch /tmp/.instsuccess |
Java プロセスを停止します。
# pkill -9 java |
CD メディアが要求されないまま、システムがリブートします。
Solaris 10 OS の初期インストール後、システムの最初のリブート時に kdmconfig プログラムが 2 回実行されることがあります。この最初の起動時に、プログラムが起動するたびに X サーバーの選択を求めるプロンプトが表示されます。この状況は、X サーバーを使用するように構成されていない x86 ベースのシステムで発生します。たとえば、グラフィックスディスプレイを使用していない「ヘッドレス」システムは、そのようなシステムの一例です。
回避方法: プログラムが起動して X サーバーの選択を求めるプロンプトが表示されたら、そのたびに F3_Exit キーを押します。起動処理が再開されるまでに少し時間がかかる場合もあります。この最初の起動が完了したら、それ以降はシステムをリブートしてもこの問題は発生しなくなります。
カスタム JumpStart インストール方式を使用して x86 ベースのシステムへのインストールを行う場合は、スライス 2 をオーバーラップスライスとして明示的に構成すると、エラーが発生します。インストールの完了後に、システムが正常にリブートされません。次のエラーメッセージが表示されます。
Cannot find Solaris partition |
オーバーラップスライス 2 (c0t0d0s2 など) は、シリンダ 0 ではなくシリンダ 1 から始まるように設定されるので、この失敗が発生します。
回避方法: カスタム JumpStart プロファイルで、スライス 2 をオーバーラップスライスとして構成する filesys キーワードエントリを削除します。たとえば、次のようなキーワードエントリを削除します。
filesys c0t0d0s2 all overlap |
エントリを削除したあと、カスタム JumpStart インストールを実行します。
Solaris 10 Operating System DVD から Solaris をインストールする場合、対話式 GUI インストールは失敗することがあります。この失敗は、システムで boot-device 構成変数が設定されていない場合に発生します。
boot-device 構成変数が設定されているかどうかを調べるには、次のコマンドを入力します。
# prtconf -pv | grep boot-device |
このコマンドの出力が boot-device: のみで、関連付けられたデバイスがない場合、対話式 GUI インストールプログラムを使用して Solaris 10 Operating System DVD からインストールを行うことはできません。
回避方法: 対話式テキストインストーラを使用して Solaris 10 ソフトウェアをインストールしてください。インストールプログラムで、インストールの種類を選択するよう求められたら、オプション 3 の「Solaris Interactive Text (Desktop Session)」を選択します。
Solaris 10 Operating System DVD からのインストール方法の詳細については、『Solaris 10 6/06 インストールガイド (基本編)』を参照してください。
Solaris インストールプログラムを使用して Solaris 10 ソフトウェアをインストールすると、いくつかの情報および SunSM Remote Services (SRS) Net Connect ソフトウェアの終了パネルが適切に表示されないことがあります。
インストールパネルのフレームおよび「取消し」ボタンは表示されますが、インストールパネルの内容が表示されません。
この問題は、この Solaris OS リリースに含まれているほかのソフトウェア製品を Solaris インストールでインストールしている場合にも発生することがあります。
回避方法: 次の手順を実行します。
空のインストールパネルが表示されたら、「取消し」ボタンをクリックして、SRS Net Connect インストールを省略します。
Solaris 10 ソフトウェアのインストールが完了したあとで、SRS Net Connect ソフトウェアを Solaris 10 Operating System DVD または Solaris 10 SOFTWARE - 2 CD から手動でインストールします。
最初に Solaris 10 ソフトウェアインストールを完了したあとで SRS Net Connect ソフトウェアをインストールすると、すべてのパネルが正しく表示されます。
一部の Dell Precision ワークステーションでは、インストール中に USB キーボードがフリーズしたり部分的に機能しなくなったりして、インストールを実行できなくなることがあります。
回避方法: 次のいずれかを実行してください。
ファームウェアの USB エミュレーションモードを切り替えます。
PS/2 キーボードに切り替えます。
リブートして再試行します。
あるいは、システムの BIOS を更新して問題を解決してください。
ネットワークイメージを使用して Solaris をインストールできます。Solaris 10 SOFTWARE CD を組み合わせてイメージを作成した場合は、次のメッセージが表示される場合があります。
Error message: Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 514559 daemon.error] svc_tp_create: Could not register prog 100024 vers 1 on udp Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 514559 daemon.error] svc_tp_create: Could not register prog 100024 vers 1 on tcp Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 514559 daemon.error] svc_tp_create: Could not register prog 100024 vers 1 on ticlts Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 514559 daemon.error] svc_tp_create: Could not register prog 100024 vers 1 on ticotsord Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 514559 daemon.error] svc_tp_create: Could not register prog 100024 vers 1 on ticots Jun 18 10:51:53 b26b statd[149]: [ID 447212 daemon.error] statd: unable to create (SM_PROG, SM_VERS) for netpath. |
回避方法: ありません。このメッセージは無視してください。システムのブート後、ネットワークファイルシステム (NFS) は正常に機能します。
インストール中、ファイルシステムの作成時に、次のどちらかの警告メッセージが出力される可能性があります。
Warning: inode blocks/cyl group (87) >= data blocks (63) in last cylinder group. This implies 1008 sector(s) cannot be allocated. |
または
Warning: 1 sector(s) in last cylinder unallocated |
この警告メッセージは、作成中のファイルシステムのサイズと使用しているディスク上の容量が等しくない場合に表示されます。この場合、ディスク上に、作成中のファイルシステムには取り込まれない未使用の領域ができます。この未使用のディスク領域は、ほかのファイルシステムに割り当てることはできません。
回避方法: この警告メッセージは無視してください。