Solaris 10 リリースのネットワーク接続に関するバグ情報について説明します。
ECC および RSA 暗号化方式群を使用する NSS でメモリーリークが発生すると、システムがハングアップしたり、システムパニックが発生したりすることがあります。「out of memory」エラーメッセージが表示されます。
回避方法: 次のパッチをインストールしてください。
SPARC ベースのシステムの場合は、パッチ ID 119213-09。
x86 ベースのシステムの場合は、パッチ ID 119214-09。
Solaris iSCSI ソフトウェアイニシエータは 255 より大きい LUN を持つ論理ユニットをサポートしません。エラーメッセージは表示されません。
回避方法:
ターゲットデバイスの論理ユニット番号を 255 以下の番号に変更してください。
255 より大きい LUN 番号は、QLogic 4G バイト HBA と QLogic 2G バイト HBA では異なって処理されます。次のエラーメッセージが表示されます。
Customer cannot have a lun number greater than 255. |
回避方法:
QLogic HBA に接続する場合は、255 より大きい番号を持つ LUN を単一ポートに割り当てないでください。
Sun Update Connection を使用したリモート更新管理のために Solaris 10 6/06 OS に登録すると、システム情報が表示されます。システムに複数の Ethernet カードがある場合、すべての Ethernet カードに同じ MAC アドレスが表示されます。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: ありません。
PF_ROUTE ソケットを作成し、if_msghdr_t 構造体に含まれる RTM_IFINFO メッセージの内容を解析する 64 ビットのプログラムは、再コンパイルしないと正しく動作しないことがあります。
この Solaris リリースでは、IP 転送はデフォルトで無効になっています。この設定は、ほかのシステム構成に関係なくIPv4 と IPv6 の両方に適用されます。以前はデフォルトで IP パケットを転送していた複数の IP インタフェースを持つシステムには、もうこの自動機能はありません。マルチホームシステムでの IP 転送を有効にするには、管理者は手動でいくつかの設定手順を実行する必要があります。
回避方法: コマンド routeadm を実行して IP 転送を有効にできます。routeadm を使用して行われた構成変更は、システムのリブート時にも保持されます。
IPv4 転送を有効にするには、routeadm -e ipv4-forwarding と入力します。
IPv6 転送を有効にするには、routeadm -e ipv6-forwarding と入力します。
有効になった IP 転送の設定を現在実行しているシステムに適用するには、routeadm -u と入力します。
IP 転送の詳細については、routeadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
Generic LAN Driver Version 3 (GLDv3) では、LLC (Logical Link Control) フレームのフィールド長が正しく設定されません。結果として、LLC に依存する AppleTalk などのプロトコルが正しく機能しません。エラーメッセージは表示されません。この問題は、次のネットワークインタフェースコントローラに影響します。
bge
e1000g
xge
回避方法: ありません。
ゾーンの IP アドレスが IP ネットワークマルチパス (IPMP) グループの一部になるようにゾーンを構成できます。構成方法については、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の「IP ネットワークマルチパス機能を非大域ゾーンに拡張する方法」を参照してください。
IPMP グループに含まれるすべてのネットワークインタフェースが失敗すると、その IPMP グループに属している IP アドレスを持つゾーンはブートしません。
次の例は、ゾーンをブートしようとした場合の結果を示しています。
# zoneadm -z my-zone boot zoneadm: zone 'my-zone': bge0:1: could not set default interface for multicast: Invalid argument zoneadm: zone 'my-zone': call to zoneadmd failed |
回避方法: グループ内のネットワークインタフェースの少なくとも 1 つを修復してください。
DataDigests が有効になっている場合に、Internet SCSI (iSCSI) ターゲットが CRC (巡回冗長検査) エラーを報告することがあります。iSCSI イニシエータにデータを転送したあとに入出力バッファーを更新するユーザーアプリケーションでは、CRC が正しく計算されないことがあります。ターゲットが CRC エラーを返すと、iSCSI イニシエータは正しい DataDigest CRC を含むデータを再転送します。データの整合性は維持されます。ただし、データ転送のパフォーマンスに影響します。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: DataDigest オプションは使用しないでください。
1 つのアダプタ上に 9 つ以上の LANE (LAN Emulation) インスタンスが存在する場合は、システムのブート時に複数のインスタンスが対応する LANE インスタンスに接続されないことがあります。このバグは、マルチユーザーレベルでは発生しません。
回避方法: SunATM ネットワークを再度初期化するには、次の手順を実行します。
lanestat -a コマンドを実行して問題が発生しているかどうかを確認します。
接続されていないインスタンスは、LES (LAN Emulation Server) とBUS (Broadcast and Unknown Address Server) の VCI (Virtual Circuit Identifier) 値が 0 です。
SunATM ネットワークをいったん終了してから再起動します。
# /etc/init.d/sunatm stop # /etc/init.d/sunatm start |
SunATM インタフェースのネットマスクやその他のネットワーク設定をリセットします。
2 つの IP ノード間に複数の IP トンネルを設定し、ip_strict_dst_multihoming またはその他の IP フィルタを有効にした場合、パケットが失われることがあります。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
まず、2 つの IP ノード間に IP トンネルを 1 つだけ設定します。次に、addif オプションを指定した ifconfig コマンドによって、トンネルにアドレスを追加します。
2 つの IP ノード間のトンネルで ip_strict_dst_multihoming を有効にしないでください。