Oracle Solaris Trusted Extensions ユーザーズガイド

任意アクセス制御

「任意アクセス制御 (Discretionary Access Control、DAC)」は、ファイルとディレクトリに対するユーザーのアクセスを制御するためのソフトウェア機構です。DAC では、ファイルおよびディレクトリに設定する保護の種類を所有者自身が決定できます。DAC には、UNIX アクセス権ビットを使用する方法と、アクセス制御リスト (ACL) を利用する方法があります。

アクセス権ビット方式では、「所有者」、「グループ」、「その他のユーザー」の単位で、読み取り保護、書き込み保護、実行保護を設定できます。従来の UNIX のシステムでは、スーパーユーザー (root ユーザー) が DAC 保護を上書きできます。Trusted Extensions ソフトウェアでは、DAC を上書きできるのは、管理者と承認されたユーザーのみです。ACL では、アクセス制御をさらに細かく設定できます。所有者は ACL を使用することにより、特定のユーザーやグループに対して別個のアクセス権を指定できます。詳細は、『System Administration Guide: Security Services』の第 6 章「Controlling Access to Files (Tasks)」を参照してください。