Solaris Trusted Extensions は、ネームサービスとして LDAP を使用します。Trusted Extensions では、NIS と NIS+ は tnrhdb データベース、tnrhtp データベースともサポートしません。これらのネームサービスには、マルチレベルポート (MLP) にバインドできるプロキシサーバーがありません。このため、複数のゾーンから同時にトラステッドネットワーキングデータベースに到達することはできません。
ユーザーパスワードを除き、LDAP データは公開情報と見なされます。したがって、LDAP 内の情報はどれも MAC ポリシーによって保護されません。この代わり、Solaris OS における場合と同様に、データは管理ポリシーによって保護されます。LDAP 管理ポリシーは、LDAP ID と LDAP パスワードに基づいています。ユーザーとネットワーク終端の属性として機密ラベルを割り当てると、それらのラベルは内部形式で保存されます。内部形式では、機密情報が開示されることがありません。
Trusted Extensions 環境内で LDAP サーバーをネームサービスとして配備する場合は、大域ゾーン内のマルチレベルポート (MLP) にバインドされるようにこのサーバーを設定する必要があります。
Trusted Extensions は、既存の LDAP インフラストラクチャーに依存するように設定することも可能です。この場合、LDAP プロキシサーバーをインストールしてください。このプロキシサーバーは、Trusted Extensions が構成されているシステムの大域ゾーン内の MLP にバインドするように設定する必要があります。これらの設定が終わると、この Trusted Extensions システムはほかのゾーンおよびほかのホストから出力されたマルチレベル要求を、ラベルがない既存の LDAP サーバーにプロキシできます。ラベルがないサーバーには、プロキシサーバーの tnrhdb にある admin_low テンプレートを割り当てる必要があります。
NIS+ テーブルを LDAP エントリに移行する場合は、次に示すマニュアルページを参照してください。
nisldapmaptest(1M)
rpc.nisd(1M)
rpc.nisd(4)
NIS+LDAPmapping(4)