初期設定チームは、大域ゾーンとラベル付きゾーンに IP アドレスを割り当てています。3 タイプの構成については、『Oracle Solaris Trusted Extensions 構成ガイド』の「ラベル付きゾーンの作成」に説明されています。
システムに、大域ゾーンとすべてのラベル付きゾーン用の 1 つの IP アドレスを設定します。
この構成は、DHCP ソフトウェアを使用して IP アドレスを取得するシステムで役に立ちます。ログインする予定のユーザーがいない場合は、LDAP サーバーをこのように構成します。
システムに、大域ゾーン用の 1 つの IP アドレスと、大域ゾーンを含めたすべてのゾーンで共有される 1 つの IP アドレスを設定します。任意のゾーンが、一意のアドレスと共有アドレスの組み合わせを持つことができます。
この構成は、一般ユーザーがログインするシステムで役に立ちます。プリンタや NFS サーバーにも使用できます。この構成では IP アドレスが節約されます。
システムに、大域ゾーン用の 1 つの IP アドレスを設定し、ラベル付きの各ゾーンが一意の IP アドレスを持ちます。
この構成は、シングルレベルシステムの個々の物理ネットワークにアクセスするときに役に立ちます。通常、各ゾーンはほかのラベル付きゾーンとは異なる物理ネットワーク上の IP アドレスを持ちます。この構成は単一の IP インスタンスによって実装されるため、大域ゾーンで物理インタフェースを制御し、経路テーブルなどの大域リソースを管理します。
非大域ゾーン用の排他的 IP インスタンスの導入に伴って、Solaris OS では 4 番目の構成タイプを使用できるようになりました。Solaris 10 8/07 リリース以降、非大域ゾーンにそれぞれの IP インスタンスを割り当てて、非大域ゾーンでそれぞれの物理インタフェースを管理できるようになりました。この構成では、各ゾーンは別個のシステムであるかのように動作します。詳細は、『System Administration Guide: Oracle Solaris Containers-Resource Management and Oracle Solaris Zones』の「Zone Network Interfaces」を参照してください。
ただし、このような構成では、各ラベル付きゾーンは別個のシングルラベル付きシステムのように動作します。Trusted Extensions のマルチレベルネットワーク機能は、共有 IP スタックの機能に依存しています。Trusted Extensions の管理手順は、ネットワーク接続が大域ゾーンによって完全に制御されることを前提としています。したがって、初期設定チームが排他的 IP インスタンスでラベル付きゾーンをインストールした場合は、サイト固有のマニュアルを用意するか参照する必要があります。