仮想ネットワークコンピューティング (Virtual Network Computing、VNC) テクノロジは、クライアントを遠隔サーバーに接続し、クライアントのウィンドウに遠隔サーバーのデスクトップを表示します。Xvnc は UNIX バージョンの VNC であり、標準 X サーバーをベースにしています。Trusted Extensions では、どのプラットフォーム上のクライアントでも、Trusted Extensions ソフトウェアが実行されている Xvnc に接続して、Xvnc サーバーにログインし、マルチレベルデスクトップ上で表示して作業できます。
Xvnc サーバーとして使用するシステムに Trusted Extensions ソフトウェアをインストールして設定しておきます。また、ラベル付きゾーンを作成してブートしておきます。Xvnc サーバーはホスト名または IP アドレスによって VNC クライアントを認識します。
Xvnc サーバーとして使用するシステムの大域ゾーンのスーパーユーザーになります。
Xvnc サーバーを構成します。
詳細は、Xvnc(1) および vncconfig(1) のマニュアルページを参照してください。
Solaris 10 10/08 または Solaris 10 5/08 リリースを実行している場合、サーバーを構成する前にシステムにパッチを適用してください。SPARC システムでは、パッチ 125719 の最新バージョンをインストールします。x86 システムでは、パッチ 125720 の最新バージョンをインストールします。
X サーバーの構成ディレクトリを作成します。
# mkdir -p /etc/dt/config |
/usr/dt/config/Xservers ファイルを /etc/dt/config ディレクトリにコピーします。
# cp /usr/dt/config/Xservers /etc/dt/config/Xservers |
/etc/dt/config/Xservers ファイルを編集して、X サーバーや Xorg ではなく Xvnc プログラムを起動します。
次の例では、パスワードなしでサーバーにログインするようにエントリが構成されています。デスクトップに正常にログインするには、ローカル UID は console ではなく none にします。
例では表示の便宜上、エントリが分割されています。実際には、エントリは 1 行で入力してください。
# :0 Local local_uid@console root /usr/X11/bin/Xserver :0 -nobanner :0 Local local_uid@none root /usr/X11/bin/Xvnc :0 -nobanner -AlwaysShared -SecurityTypes None -geometry 1024x768x24 -depth 24 |
構成の安全性を高めるには、-SecurityTypes VncAuth パラメータを使用してパスワードを要求します。パスワードの要件については、Xvnc(1) のマニュアルページで説明しています。
サーバーを再起動するか、Xvnc サーバーを起動します。
# reboot |
再起動後、Xvnc プログラムが実行されていることを確認します。
# ps -ef | grep Xvnc root 2145 932 0 Jan 18 ? 6:15 /usr/X11/bin/Xvnc :0 -nobanner -AlwaysShared -SecurityTypes None -geometry 1024 |
Trusted Extensions の Xvnc サーバーの VNC クライアントすべてに対して、VNC クライアントソフトウェアをインストールします。
クライアントシステムでは、ソフトウェアを選択できます。次の例では、Sun の VNC ソフトウェアを使用します。
# cd SUNW-pkg-directory # pkgadd -d . SUNWvncviewer |
VNC クライアントの端末ウィンドウで、サーバーに接続します。
% /usr/bin/vncviewer Xvnc-server-hostname |
表示されるウィンドウで、名前とパスワードを入力します。
ログイン手順に進みます。残りの手順については、『Oracle Solaris Trusted Extensions ユーザーズガイド』の「Trusted Extensions へのログイン」を参照してください。
スーパーユーザーとしてサーバーにログインした場合は、サーバーをすぐに管理できます。一般ユーザーとしてサーバーにログインした場合は、システムを管理する役割になってください。