Solaris Trusted Extensions 開発ガイド

トラステッド X ウィンドウシステム API

トラステッド X ウィンドウシステム, Version 11 サーバーがログイン時に起動します。このサーバーは、信頼できるプロセス間通信 (IPC) パスを使用してワークステーションウィンドウシステムを処理します。ウィンドウ、プロパティー、セレクション、および ToolTalkTM のセッションが複数の機密ラベルで別個のオブジェクトとして作成されます。この複数の機密ラベルでの別個のオブジェクトの作成は、「多インスタンス化」と呼ばれます。Motif ウィジェット、Xt イントリンシクス、Xlib、およびデスクトップインタフェースによって作成されるアプリケーションは、セキュリティーポリシーの制約内で実行されます。この制約は X11 プロトコルに対する拡張によって強制されます。

第 6 章「トラステッド X ウィンドウシステム」では、「Trusted Extensions セキュリティーポリシー」に示されるセキュリティー属性情報にアクセスできるプログラミングインタフェースについて説明しています。このプログラミングインタフェースは、ラベルおよび認可上限をテキストに変換する場合にも使用できます。そのテキストは、トラステッド X ウィンドウシステムで表示するために指定した幅およびフォントリストによって制限できます。

トラステッド X ウィンドウシステムは、次のセキュリティー属性を格納します。

監査 ID 

トラステッドパスフラグ 

グループ ID 

トラステッドパスウィンドウ 

インターネットアドレス 

ユーザー ID 

プロセス ID 

X ウィンドウサーバー所有者 ID 

機密ラベル 

X ウィンドウサーバー認可上限 

セッション ID 

X ウィンドウサーバー最小ラベル 

トラステッドパスフラグは、トラステッドパスウィンドウとしてウィンドウを指定します。トラステッドパスウィンドウは、信頼できないプログラムによってシステムがアクセスされないように保護します。このウィンドウは、スクリーンストライプ、ログインウィンドウなどのように、常に最上位に位置するウィンドウです。

付録 B 「Solaris Trusted Extensions API リファレンス」 に、X11 トラステッド IPC パスを作成するために使用できる拡張機能がリストされています。