コンパートメントモードワークステーションのラベル作成: エンコード形式

第 2 章 エンコーディングファイルの構造と構文

エンコーディングファイルは、自由形式のテキストが含まれる標準的なオペレーティングシステムのファイルであり、書式化したコードを指定しない限り、好みのエディタやワードプロセッサを使用して作成したり保守したりできます。ファイルでは大文字と小文字が区別されず、空白行は無視されます。ファイルの 1 行は 256 文字に制限されています。エンコーディングは、主にいくつかのキーワードから構成されますが、なかには値を指定する必要があるキーワードもあります。キーワードには必須のものと任意のものがあります。値を設定する必要があるキーワードには、必ず等号記号を付けますが、キーワードと等号記号との間に空白文字を入れてはいけません。キーワードと値は、1 つまたは複数の空白文字またはタブで区切ります。キーワードの値は、次のセミコロンまたは改行コードが現れるまで継続します。キーワード、またはキーワードと値の組み合わせは、セミコロンまたは改行コードで区切ります。キーワード自体には空白文字を含めることができますが、2 行にまたがって指定することはできません。キーワードの値の最大長は規定されていませんが、キーワードと値は同じ行に指定しなければなりません。次の表にキーワードとキーワードと値の組み合わせの例を示します。

エンコーディングファイルの構造

次の表は、エンコーディングファイルにおけるキーワードと値のペアの一覧です。

表 2–1 キーワードと値の組み合わせ

keyword1; keyword2 

2 つめのキーワードは、改行コードまで続く 

keyword3= three; keyword4; 

keyword3 の値は、「three」。keyword4 は、改行コードより前のセミコロンで終了する 

keyword5 = five 

この行にはキーワード/値のペアが指定されていない。= の前に空白文字が入っているからである。これは、「keyword5=」というキーワードを指定する際に発生しやすいエラーである 

なお、1 行にキーワード/値のペアを 1 組しか指定しない場合は、セミコロンで区切る必要はありません (セミコロンをつけてもエラーにはなりません)。

エンコーディングファイルのどの行にもコメントを記述することができます。コメントは、キーワードを指定できるところであれば、どこにでも記述できます。コメントは「*」で開始し行の終りまで継続します。コメントをキーワードや値の途中に挿入したり、コメントを記述した行に続けてキーワードを記述したりすることはできません。必須組み合わせ、組み合わせ制約、ユーザー認可範囲、機密ラベル行など、キーワードをまったく指定していない行については、コメントを行頭または行の空白に続けてのみ記述することができます。

エンコーディングは、バージョン指定と 7 つの必須セクション (格付け、情報ラベル、機密ラベル、認可上限、チャネル、プリンタバナー、認可範囲) から成ります。なお、セクションは、この順序で指定する必要があります。セクションに続いて、オプションで名前情報ラベルのセクションを記述できます。こうしたセクションの多くは、サブセクションに分かれています。バージョンは、キーワード VERSION= で指定し、これに続けてこのエンコーディングに固有のバージョンを示す文字列を指定します。次の例を参考にしてください。


VERSION= DISTRIBUTED DEMO VERSION

上記の各セクションは、次に示すキーワードで開始します。なお、これらのキーワードの末尾にはコロンを付けます。

   CLASSIFICATIONS:

   INFORMATION LABELS:

   SENSITIVITY LABELS:

     CLEARANCES:

     CHANNELS:

   PRINTER BANNERS:

   ACCREDITATION RANGE:

   NAME INFORMATION LABELS:

各セクションは、次のセクションを開始するキーワード、またはファイルの終わりで終了します。

INFORMATION LABELS:、SENSITIVITY LABELS:、CLEARANCES:、CHANNELS:、および PRINTER BANNERS: の各セクションにはどれも、WORDS: というキーワードで開始する必須サブセクションが存在します。さらに、INFORMATION LABELS:、SENSITIVITY LABELS:、および CLEARANCES: の各セクションには、REQUIRED COMBINATIONS: と COMBINATION CONSTRAINTS: というキーワードで開始する 2 つの必須サブセクションも存在します。

次に、エンコーディングファイルの雛形を示します。

VERSION=

CLASSIFICATIONS:

INFORMATION LABELS:

   WORDS:

   REQUIRED COMBINATIONS:

   COMBINATION CONSTRAINTS:

SENSITIVITY LABELS:

   WORDS:

   REQUIRED COMBINATIONS:

   COMBINATION CONSTRAINTS:

CLEARANCES:

   WORDS:
   REQUIRED COMBINATIONS:

   COMBINATION CONSTRAINTS:

CHANNELS:     

WORDS:

PRINTER BANNERS:
   WORDS:

ACCREDITATION RANGE:
NAME INFORMATION LABELS: