次の手順では、SPARC メディアを使って SPARC WAN ブートミニルートを作成します。x86 ベースのサーバーから SPARC WAN ブートミニルートを提供するには、まず SPARC マシンにミニルートを作成する必要があります。次に、作成したミニルートを、x86 ベースのサーバーのドキュメントルートディレクトリにコピーします。
この手順では、WAN ブートサーバーでボリュームマネージャーを実行していると仮定します。ボリュームマネージャーを使用していない場合は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』を参照してください。
WAN ブートサーバーでスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
システムの必要条件は次のとおりです。
CD-ROM ドライブまたは DVD-ROM ドライブを備えていること
サイトのネットワークおよびネームサービスに組み込まれていること
ネームサービスを使用する場合は、システムがすでに NIS、NIS+、DNS、LDAP のいずれかのネームサービスに登録されていなければなりません。ネームサービスを使用しない場合は、サイトのポリシーに従ってシステムの情報を供給する必要があります。
Solaris SOFTWARE - 1 CD または Solaris DVD をインストールサーバーのドライブに挿入します。
WAN ブートミニルートと Solaris インストールイメージを置くためのディレクトリを作成します。
# mkdir -p wan-dir-path install-dir-path |
目的のディレクトリを作成するときに、必要な親ディレクトリもすべて作成するよう mkdir コマンドに指示します。
WAN ブートミニルートの作成先となる、インストールサーバー上のディレクトリを指定します。このディレクトリには、ミニルートを格納できる容量が必要です。ミニルートの標準サイズは 250M バイトです。
Solaris ソフトウェアイメージのコピー先となる、インストールサーバー上のディレクトリを指定します。この手順の後半で、このディレクトリは削除できます。
マウントされたディスクの Tools ディレクトリに移動します。
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/Tools |
上の例では、cdrom0 は、Solaris OS のメディアが入っているドライブへのパスです。
WAN ブートミニルートと Solaris ソフトウェアイメージを、WAN ブートサーバーのハードディスクにコピーします。
# ./setup_install_server -w wan-dir-path install-dir-path |
WAN ブートミニルートをコピーするディレクトリを指定します。
Solaris ソフトウェアイメージをコピーするディレクトリを指定します。
setup_install_server コマンドは、Solaris SOFTWARE のディスクイメージをコピーする十分なディスク容量があるかどうかを調べます。利用できるディスク容量を調べるには、df -kl コマンドを使用します。
setup_install_server -w コマンドは、WAN ブートミニルートと、Solaris ソフトウェアのネットワークインストールイメージを作成します。
(省略可能) ネットワークインストールイメージを削除します。
Solaris フラッシュアーカイブを使って WAN インストールを実行する場合、Solaris ソフトウェアイメージは不要です。ほかのネットワークインストールに使用する予定がない場合は、ネットワークインストールイメージを削除して、ディスクの空き領域を増やすことができます。ネットワークインストールイメージを削除するには、次のコマンドを入力します。
# rm -rf install-dir-path |
次のどちらかの方法で、WAN ブートサーバーが WAN ブートミニルートにアクセスできるようにします。
WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリに、WAN ブートミニルートへのシンボリックリンクを作成します。
# cd /document-root-directory/miniroot # ln -s /wan-dir-path/miniroot . |
WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリにあるディレクトリで、WAN ブートミニルートにリンクするものを指定します。
WAN ブートミニルートへのパスを指定します。
WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリに、WAN ブートミニルートを移動します。
# mv /wan-dir-path/miniroot /document-root-directory/miniroot/miniroot-name |
WAN ブートミニルートへのパスを指定します。
WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリにある WAN ブートミニディレクトリへのパスを指定します。
WAN ブートミニルートの名前を指定します。miniroot.s10_sparc のように、わかりやすい名前をファイルに付けます。
setup_install_server(1M) に -w オプションを指定して実行することで、WAN ブートミニルートと Solaris ソフトウェアイメージを、wanserver-1 の /export/install/Solaris_10 ディレクトリにコピーします。
wanserver-1 に接続されているメディアドライブに Solaris SOFTWARE のメディアを挿入します。次のコマンドを入力します。
wanserver-1# mkdir -p /export/install/cdrom0 wanserver-1# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/Tools wanserver-1# ./setup_install_server -w /export/install/cdrom0/miniroot \ /export/install/cdrom0 |
WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリ (/opt/apache/htdocs/) に、WAN ブートミニルートを移動します。この例では、WAN ブートミニルートの名前を miniroot.s10_sparc に設定しています。
wanserver-1# mv /export/install/cdrom0/miniroot/miniroot \ /opt/apache/htdocs/miniroot/miniroot.s10_sparc |
WAN ブートミニルートを作成したあと、クライアントの OpenBoot PROM (OBP) が WAN ブートに対応しているかどうかを確認します。手順については、「クライアントの WAN ブート対応の確認」を参照してください。
setup_install_server コマンドの詳細は、install_scripts(1M) のマニュアルページを参照してください。