wanboot.conf ファイルは、プレーンテキストの構成ファイルで、WAN インストールを実行するために WAN ブートプログラムで使用されます。wanboot-cgi プログラム、ブートファイルシステム、および WAN ブートミニルートはすべて、wanboot.conf ファイルに保存されている情報を使ってクライアントマシンのインストールを行います。
WAN ブートサーバー上の /etc/netboot ディレクトリにある該当のクライアントのサブディレクトリに、この wanboot.conf ファイルを保存してください。/etc/netboot ディレクトリを使って WAN ブートインストールの適用範囲を定義する方法については、「WAN ブートサーバーに /etc/netboot ディレクトリを作成する」を参照してください。
WAN ブートサーバーで Solaris 10 11/06 OS が稼働している場合は、/etc/netboot/wanboot.conf.sample に wanboot.conf ファイルの例があります。この例は、WAN ブートインストール用のテンプレートとして使用できます。
wanboot.conf ファイルには、次の情報を指定する必要があります。
これらの情報を指定するには、パラメータとその値を次の書式で列挙します。
パラメータ=値 |
wanboot.conf ファイルのパラメータと構文については、「wanboot.conf ファイルのパラメータと構文」を参照してください。
wanboot.conf ファイルを作成するには、次の手順に従ってください。
WAN ブートサーバーで、Web サーバーユーザーと同じ役割になります。
wanboot.conf テキストファイルを作成します。
wanboot.conf という名前の新しいテキストファイルを作成するか、/etc/netboot/wanboot.conf.sample にあるファイル例を使用します。ファイル例を使用する場合は、パラメータを追加したあとで、ファイルの名前を wanboot.conf に変更してください。
インストール用のパラメータと値を wanboot.conf に入力します。
wanboot.conf のパラメータと値については、「wanboot.conf ファイルのパラメータと構文」を参照してください。
/etc/netboot ディレクトリの適切なサブディレクトリに wanboot.conf ファイルを保存します。
/etc/netboot ディレクトリの作成方法については、「WAN ブートサーバーに /etc/netboot ディレクトリを作成する」を参照してください。
# bootconfchk /etc/netboot/path-to-wanboot.conf/wanboot.conf |
WAN ブートサーバーにあるクライアントの wanboot.conf ファイルへのパスを指定します
wanboot.conf ファイルが構造的に有効であれば、bootconfchk コマンドは終了コード 0 を返します。
wanboot.conf ファイルが無効であれば、bootconfchk コマンドは 0 以外の終了コードを返します。
wanboot.conf ファイルのアクセス権を 600 に変更します。
# chmod 600 /etc/netboot/path-to-wanboot.conf/wanboot.conf |
次の wanboot.conf ファイル例には、HTTPS を使った WAN インストールを行うための構成情報が記述されています。この wanboot.conf ファイルには、インストールで 3DES 暗号化鍵を使用することも指示されています。
boot_file=/wanboot/wanboot.s10_sparc root_server=https://www.example.com:1234/cgi-bin/wanboot-cgi root_file=/miniroot/miniroot.s10_sparc signature_type=sha1 encryption_type=3des server_authentication=yes client_authentication=no resolve_hosts= boot_logger=https://www.example.com:1234/cgi-bin/bootlog-cgi system_conf=sys-conf.s10–sparc
この wanboot.conf ファイルで指定されている構成は次のとおりです。
二次レベルのブートプログラムの名前は wanboot.s10_sparc です。このプログラムは、WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリ内の /wanboot ディレクトリに置かれています。
WAN ブートサーバー上の wanboot-cgi プログラムの場所は https://www.example.com:1234/cgi-bin/wanboot-cgi です。URL の https という部分は、この WAN ブートインストールで HTTPS を使用することを示しています。
WAN ブートミニルートの名前は miniroot.s10_sparc です。このミニルートは、WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリ内の /miniroot ディレクトリに置かれています。
wanboot.s10_sparc プログラムと WAN ブートファイルシステムは、HMAC SHA1 ハッシュキーで署名されます。
wanboot.s10_sparc プログラムとブートファイルシステムは、3DES 暗号化鍵で暗号化されます。
インストール時にサーバー認証が行われます。
インストール時にクライアント認証は行われません。
WAN インストールの実行に必要な追加のホスト名はありません。必要なファイルと情報はすべて、WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリに置かれています。
(省略可能) ブートログメッセージおよびインストールログメッセージが、WAN ブートサーバー上で HTTPS を使用して記録されます。
WAN ブートインストールのログサーバーの設定方法については、「(省略可能) WAN ブートログサーバーを構成する方法」を参照してください。
sysidcfg ファイルと JumpStart ファイルの場所が記述されたシステム構成ファイルは、/etc/netboot ディレクトリのサブディレクトリに置かれています。システム構成ファイルの名前は sys-conf.s10–sparc です。
次の wanboot.conf ファイル例には、HTTP を使ったセキュリティーの低い WAN インストールを行うための構成情報が記述されています。この wanboot.conf ファイルには、インストールで暗号化鍵やハッシュキーを使用しないことも指示されています。
boot_file=/wanboot/wanboot.s10_sparc root_server=http://www.example.com/cgi-bin/wanboot-cgi root_file=/miniroot/miniroot.s10_sparc signature_type= encryption_type= server_authentication=no client_authentication=no resolve_hosts= boot_logger=http://www.example.com/cgi-bin/bootlog-cgi system_conf=sys-conf.s10–sparc
この wanboot.conf ファイルで指定されている構成は次のとおりです。
二次レベルのブートプログラムの名前は wanboot.s10_sparc です。このプログラムは、WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリ内の /wanboot ディレクトリに置かれています。
WAN ブートサーバー上の wanboot-cgi プログラムの場所は http://www.example.com/cgi-bin/wanboot-cgi です。このインストールでは HTTPS を使用しません。
WAN ブートミニルートの名前は miniroot.s10_sparc です。このミニルートは、WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリ内の /miniroot サブディレクトリに置かれています。
wanboot.s10_sparc プログラムと WAN ブートファイルシステムは、ハッシュキーで署名されません。
wanboot.s10_sparc プログラムとブートファイルシステムは、暗号化されません。
インストール時に、キーや証明書によるサーバー認証は行われません。
インストール時に、キーや証明書によるクライアント認証は行われません。
インストールの実行に必要な追加のホスト名はありません。必要なファイルと情報はすべて、WAN ブートサーバーのドキュメントルートディレクトリに置かれています。
(省略可能) WAN ブートサーバー上でブートログメッセージおよびインストールログメッセージが記録されます。
WAN ブートインストールのログサーバーの設定方法については、「(省略可能) WAN ブートログサーバーを構成する方法」を参照してください。
sysidcfg ファイルと JumpStart ファイルの場所が記述されたシステム構成ファイルは、sys-conf.s10–sparc という名前です。このファイルは、/etc/netboot ディレクトリにある適切なクライアントのサブディレクトリに置かれています。
wanboot.conf ファイルを作成したあと、必要に応じて、WAN ブートをサポートするように DHCP サーバーを構成できます。手順については、「(省略可能) DHCP による構成情報の提供」を参照してください。
WAN ブートインストールで DHCP サーバーを使用しない場合は、「クライアント OBP の net デバイス別名を確認する方法」を参照して WAN ブートインストールを続行します。
wanboot.conf のパラメータと値については、「wanboot.conf ファイルのパラメータと構文」および wanboot.conf(4) のマニュアルページを参照してください。