Solaris フラッシュのキーワードは、カスタム JumpStart のキーワードと類似しています。どちらのキーワードも、インストール要素を定義します。各キーワードは、Solaris フラッシュソフトウェアによるクローンシステムへのソフトウェアのインストール方法の一部分を制御するコマンドです。
次のガイドラインに従って、キーワードおよび値の書式を指定します。
キーワードと値は 1 つの等号で区切られ、1 行に 1 つのキーワードと 1 つの値を指定します
キーワードは、大文字と小文字を区別しません
個々の行の長さに制限はありません
Solaris フラッシュアーカイブの各セクションは、section_begin と section_end キーワードで定義されます。たとえば、アーカイブファイルセクションには、値の異なる section_begin キーワードが含まれます。ユーザー定義アーカイブセクションは、section_begin と section_end キーワードで区切られ、各キーワードには、そのセクションに適した値が指定されます。section_begin と section_end キーワードの値を次の表に示します。
表 5–2 section_begin と section_end キーワードの値| アーカイブのセクション | section_begin と section_end キーワードの値 | 
|---|---|
| アーカイブ Cookie | cookie - このセクションは、section_begin と section_end キーワードで区切られません。 | 
| アーカイブ識別 | identification | 
| ユーザー定義セクション | section_name。section_name キーワードの一例は、X-user_section_1 です。 | 
| アーカイブファイル | archive | 
次の表に、アーカイブ識別セクションで使用されるキーワードと、これらに定義可能な値を示します。
各セクションでは、表 5–3 に示したキーワードがセクションの区切りに使用されます。
表 5–3 アーカイブ識別セクションのキーワード: 一般的なキーワード| キーワード | 値の定義 | 値 | 必須 | 
|---|---|---|---|
| section_begin section_end | これらのキーワードは、アーカイブ内のセクションの区切りに使用されます。使用は、アーカイブ識別セクションに限定されません。これらのキーワードの詳細は、「一般的なキーワード」を参照してください。 | テキスト | 必須 | 
次のキーワードは、識別セクションで使用され、アーカイブファイルセクションの内容を説明します。
表 5–4 アーカイブ識別セクションのキーワード: アーカイブファイルセクションの内容
次のキーワードは、アーカイブ全体に関する情報を提供します。通常、これらのキーワードは、アーカイブの選択および管理を支援する目的で使用されます。これらのキーワードはすべてオプションであり、各アーカイブの識別を容易にするために使用されます。これらのキーワードを含めるには、flarcreate コマンドのオプションを使用します。詳細は、例 3–9を参照してください。
表 5–5 アーカイブ識別セクションのキーワード: ユーザーによるアーカイブの記述
次のキーワードも、アーカイブ全体の説明に使われます。デフォルトでは、値は、フラッシュアーカイブの作成時に uname で指定されます。ルートディレクトリが / ではないフラッシュアーカイブを作成すると、アーカイブソフトウェアにより、これらのキーワードに対して文字列 UNKNOWN が挿入されます。例外は、creation_node、creation_release、および creation_os_name キーワードです。
creation_node では、ソフトウェアは nodename ファイルの内容を使用します。
creation_release および creation_os_name では、ソフトウェアは root ディレクトリの /var/sadm/system/admin/INST_RELEASE の内容を使用しようとします。ソフトウェアがこのファイルの読み込みに失敗した場合、値 UNKNOWN が割り当てられます。
これらのキーワードの値は設定方法に関係なく、上書きできません。
表 5–6 アーカイブ識別セクションのキーワード: ソフトウェアによるアーカイブの記述| キーワード | 値 | 
|---|---|
| creation_node | uname -n から返される値 | 
| creation_hardware_class | uname -m から返される値 | 
| creation_platform | uname -i から返される値 | 
| creation_processor | uname -p から返される値 | 
| creation_release | uname -r から返される値 | 
| creation_os_name | uname -s から返される値 | 
| creation_os_version | uname -v から返される値 | 
Solaris フラッシュアーカイブで定義されるキーワードに加えて、ほかのキーワードを定義できます。Solaris フラッシュアーカイブはユーザー定義のキーワードを無視しますが、アーカイブ識別セクションを処理してユーザー定義のキーワードを使用するスクリプトやプログラムを、ユーザーが作成することもできます。ユーザー定義キーワードを作成する際、次の書式に従います。
キーワード名を X で始めます。
改行、等号、空文字以外の任意の文字を使用してキーワードを作成します。
ユーザー定義キーワードの命名規則には、定義済みのキーワードに対して使用される、下線で区切る記述方法を推奨します。他によく使われる命名規則としては、Java パッケージの命名に類似したフェデレーテッド規則があります。
たとえば、X-department はユーザー定義のキーワードとして有効です。
オプションを使用して、アーカイブ識別セクションにユーザー定義キーワードを含める具体例は、例 3–9を参照してください。