Solaris 10 8/07 ご使用にあたって

Sun Java Desktop System

この節では、Solaris 10 OS の Sun Java Desktop System (Java DS) に適用される問題について説明します。

電子メールとカレンダ

この節では、電子メールとカレンダに関する問題について説明します。

複数の添付ファイルの使用に関する問題 (6260583)

電子メールメッセージを新しい電子メールメッセージ本文にドラッグ&ドロップすると、その新しい電子メールメッセージの内容が壊れます。

回避方法: 複数の添付ファイルを送信するには、次の手順を実行してください。

  1. 添付するメッセージを選択します。

  2. メニューバーで、「アクション」=>「転送」=>「添付する」の順に選択します。

    Ctrl + J キーを押してメッセージを送信することもできます。

認証タイプの変更に関する問題 (6246543)

受信メールサーバーの認証タイプを変更したあとに、電子メールとカレンダが正しく動作しないことがあります。

回避方法: 電子メールとカレンダを再起動してください。

連絡先フォルダの連絡先の一覧が不完全である (5088514)

いくつかの連絡先を含む LDIF (LDAP Data Interchange Format) ファイルをインポートしたあとに、連絡先フォルダに一部の連絡先しか表示されません。これは、単なる表示上の問題です。電子メールとカレンダには、すべての連絡先がインポートされています。

回避方法: 電子メールとカレンダを再起動してください。

ログインの問題

この節では、ログインの問題について説明します。

認可上限が admin_high に設定されていないと GDM を使用してログインできない (6432114)

GDM を使用して Solaris Trusted Extensions Java Desktop Systems (Java DS) にログインしようとすると、ログインが失敗します。このエラーは、PAM の構成が原因で発生します。pam.conf(4) ファイルには、GDM に必要なエントリが含まれていません。

ログイン時に、次のエラーメッセージが表示されます。


The system administrator has disabled access to 
the system temporarily

回避方法: 次の 2 行を /etc/pam.conf ファイルに追加します。


gdm account requisite pam_roles.so.1
gdm account required pam_unix_account.so.1

ファイルの書式については、pam.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

ログインエラーメッセージ

Java Desktop System セッションにログインしたときに、次のエラーメッセージが表示されることがあります。


Could not look up internet address for hostname.
This will prevent GNOME from operating correctly.
It may be possible to correct the problem by adding 
hostname to the file /etc/hosts

回避方法: /etc/hosts ファイルにホスト名が正しく設定されていることを確認してください。次の手順を実行します。

  1. /etc/hosts ファイルにホスト名を次のように設定します。


    127.0.0.1 localhost loghost hostname
    localhost.localdomain

    hostname はシステムの名前です。

  2. ホスト名が /etc/nodename ファイルに指定されていることを確認します。このファイルに次の行も追加する必要があります。


    127.0.0.1 localhost loghost hostname
    localhost.localdomain

ヘルプシステム

ボリュームコントロールのヘルプウィンドウが違う (6253210)

Yelp ブラウザを使用してボリュームコントロールのオンラインヘルプを開くと、代わりに「キーボードアクセシビリティ」パネルアプリケーションのヘルプファイルが開きます。

回避方法: ありません。

オンラインヘルプが動かなくなる (5090731)

アプリケーションのオンラインヘルプを開くときに、そのアプリケーションのヘルプファイルが存在しない場合には、エラーダイアログボックスが表示されます。「了解」をクリックしない限り、そのオンラインヘルプシステムが動かなくなり、それ以降に起動するその他のアプリケーションのオンラインヘルプを開けなくなります。

回避方法: エラーダイアログボックスで「了解」ボタンをクリックする必要があります。

Mozilla ブラウザ

Mozilla ブラウザから印刷できないドキュメントがある

BMP (Basic Multilingual Plane) 形式ではない Unicode 文字が含まれているドキュメントは、Mozilla ブラウザから印刷できません。

回避方法: ありません。

システムレベルの問題

ユーザー設定の互換性が完全でない

旧バージョンの GNOME デスクトップでは、ホームアカウントのユーザー設定と Java Desktop System Release 3 のユーザー設定との間に完全な互換性がない場合があります。

回避方法: ユーザー設定を設定し直してください。次の手順を実行します。

  1. Java Desktop System からログアウトします。

  2. 「セッション」をクリックし、「端末の復旧」を選択します。

  3. ログインします。

  4. 「端末の復旧」ウィンドウで、次のコマンドを入力します。


    % gnome-cleanup exit
    
  5. 再度ログインします。

    GNOME 設定が設定し直されました。

StarSuite 7 ソフトウェアのオンライン登録に関する問題 (6208829)

StarSuite 7 ソフトウェアがシステム上に Mozilla を検出できない場合に、StarSuite 7 ソフトウェアのオンライン登録を完了できない場合があります。StarSuite 7 ソフトウェアが電子メールとカレンダアプリケーションを検出できない場合には、ドキュメントを正常に送信することができません。

回避方法: /usr/sfw/binPATH に追加します。次の手順を実行してください。

  1. 端末ウィンドウを開きます。

  2. 次のコマンドを実行します。


    % export PATH=/usr/sfw/bin:$PATH
    
  3. StarSuite ソフトウェアを起動するために、次のコマンドを実行します。


    % soffice
    
  4. StarSuite 登録手順を完了します。

サウンドレコーダに関する問題

サウンドレコーダが new.wav ファイルを録音しているときに、スライドバーとサイドカウンタが機能しません。

回避方法: ありません。

Thunderbird の「ヘルプ」にリリースノートが表示されない (6565136)

Thunderbird の「ヘルプ」セクションでリリースノートの表示が失敗します。エラーメッセージは表示されません。

回避方法: Firefox をデフォルトのブラウザとして設定します。はじめて Firefox を開いたとき、Firefox をデフォルトのブラウザとして設定するかどうかを尋ねられます。「はい」を選択します。そのあと、「編集」->「設定」->「一般」->「今すぐ確認」の順に選択します。

最初のラベル変更時に Trusted Java DS ワークスペースが起動しない (6550104)

Trusted Java Desktop System (Java DS) ワークスペーススイッチを使用してワークスペースのラベルを変更すると、そのワークスペースではデスクトップが起動しません。そのワークスペースではすべてのアプリケーションの起動が失敗します。エラーメッセージは表示されません。

回避方法: /usr/openwin/server/etc/TrustedExtensionsPolicy ファイルに次の行を追加します。


extension MIT-SHM

システムに /usr/X11/lib/X11/xserver/TrustedExtensionsPolicy ファイルが存在している場合は、このファイルにも同じ行を追加します。この変更は、次回以降のトラステッド CDE および Java DS のセッションで反映されます。

詳細は、TrustedExtensionsPolicy(4) のマニュアルページを参照してください。

Nautilus ACL マスクがグループのアクセス権と同期されない (6464485)

「パーミッション」タブの「グループ」アクセス権と「アクセス」タブの「マスク」アクセス権は同じになるはずですが、状況によっては同期されないことがあります。

回避方法: 「閉じる」ボタンをクリックし、「リロード」をクリックします。ファイルのプロパティーを再度表示します。これで、「グループ」アクセス権と「マスク」アクセス権が同期された状態に戻ります。アクセス権としては、前の手順で変更した「マスク」アクセス権が設定されます。

strftime(3c) は %-m と %-d で GNU 拡張をサポートするべき (6448815)

Java DS メニューバーおよび Evolution などの一部のアプリケーションで、中国暦の日付が正しく表示されません。不正な日付は %-m M %-d D の形式で表示されます。この M と D は、それぞれ中国暦の月と日です。

回避方法: 次の手順を実行します。

  1. /usr/share/locale/LC_MESSAGES/gnome-panel*.mo ファイルをバックアップします。

  2. gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.pohttp://l10n.gnome.org/POT/gnome-panel.gnome-2-16/gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.po からダウンロードし、/tmp ディレクトリに保存します。

  3. gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.po ファイルを編集して、すべての %-m%Om で置き換え、%-d%e で置き換えます。

  4. 新しい gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.po ファイルを生成します。


    msgfmt -v -o gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.mo /tmp/gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.po

    このファイルを /usr/share/locale/LC_MESSAGES/ ディレクトリにコピーします。

  5. システムからログアウトし、再度ログインします。

x86: ビデオカードが 1 枚しかないシステムで全画面の拡大鏡を設定できない

ビデオカードを 1 枚しか使用していない Solaris 10 システムでは、全画面の拡大鏡を設定することはできません。このような構成の場合には、ダミードライバの設定を定義した別の構成ファイルを使用する必要があります。最初に、Xserver が動作していないことを確認します。そのあとに、次の手順を実行してください。

  1. コマンド行セッションにログインします。

    • GNOME ディスプレイマネージャーを使用する場合は、次の手順を実行します。

      1. スーパーユーザーとしてセッションにログインします。

      2. プロンプトで、svcadm disable application/gdm2-login と入力します。

      3. 再度スーパーユーザーとしてログインします。

    • dtlogin を使用する場合は、次の手順を実行します。

      1. dtlogin ウィンドウで、「オプション」をクリックし、「コマンド行ログイン」を選択します。

      2. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 新しい xorg.conf ファイルを作成します。


    # /usr/X11/bin/Xorg -configure
    

    ルート (/) ディレクトリに xorg.conf.new が作成されます。

  3. 新しい構成ファイルを /etc/x11 ディレクトリにコピーし、ファイルの名前を xorg.conf に変更します。


    # cp /xorg.conf.new /etc/X11/xorg.conf
    
  4. 次のサンプル構成を使用して、ファイルの構成を変更します。

    • 新しいモニターセクションを追加します。


      Section "Monitor"
       	Identifier   "monitor_dummy"
       	ModelName    "dummy"
       	HorizSync    10-200
         	VertRefresh  20-90
          EndSection
    • 新しいデバイスセクションを追加します。


      Section "Device"
         BoardName    "dummy"
         Driver       "dummy"
         Identifier   "device_dummy"
         VendorName   "dummy"
         videoram	10000
      EndSection

      注 –

      グラフィックスカードの画面の幅と高さ、および発色数に応じて、videoram 値の調整が必要になる場合があります。値 (K バイト) は、使用する画面に適した大きさにする必要があります。たとえば、幅 * 高さ * bpp/8 という式を使用して値を計算します。


    • 新しい画面セクションを追加します。


      Section "Screen"
         DefaultDepth 24
         SubSection "Display"
           Depth      24
           Modes      "1280x1024"
         EndSubSection
         Device       "device_dummy"
         Identifier   "screen_dummy"
         Monitor      "monitor_dummy"
      EndSection

      注 –

      解像度の値は、システムの設定に応じて調整が必要になる場合があります。


  5. ServerLayout セクションで次の行を探します。


    Screen      0  "Screen0" 0 0
  6. この行の下に、次の行を挿入します。


    Screen      1  "screen_dummy" RightOf "Screen0"

    この追加した行により、Screen1 が定義されます。2 番目のダミー画面として、物理的な主画面である Screen0 の論理的に右側に割り当てられます。

  7. 変更を保存します。

  8. コマンド行セッションからシステムをリブートします。

    • GDM を使用する場合は、次の操作を実行します。

      1. svcadm enable application/gdm2-login と入力します。

      2. システムをリブートします。

    • dtlogin を使用する場合は、システムをリブートし、ログインします。

  9. Gnopernicus スクリーンリーダーを起動します。

  10. 「起動モード」を「拡大鏡」に変更します。

  11. 「設定」をクリックしてから、「拡大鏡」を選択します。

  12. 「追加/変更」をクリックします。

  13. 「拡大鏡」設定に次の値を割り当てます。

    • ソース: 0.1

    • 拡大表示の位置:

      • 左と上部: 0

      • 右と下部: 最大値

  14. 「適用」をクリックします。

    全画面拡大の画面が上に表示され、Gnopernicus ウィンドウが表示されなくなります。この状態で、全画面拡大を設定することができます。

x86: USB マウスデバイスを拡張デバイスとして GNOME オンスクリーンキーボードと一緒に使用するように設定するときの問題

USB マウスデバイスを拡張デバイスとして、GNOME オンスクリーンキーボード (GOK) と一緒に使用するように設定することはできません。PS2 マウスデバイスを主ポインタとして使用しながら USB マウスデバイスを設定すると、設定に失敗します。USB マウスを適切に設定するには、次の手順を実行します。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. USB マウスデバイスが接続されていない間に、端末ウィンドウで次のように入力します。


    # ls -l /dev/usb/hid*
    
  3. USB マウスを接続し、上記のコマンドをもう一度入力します。

  4. 画面に表示される USB マウスのパスを書き留めておきます。

  5. コマンド行セッションにログインします。

    • GNOME ディスプレイマネージャーを使用する場合は、次の手順を実行します。

      1. スーパーユーザーとしてセッションにログインします。

      2. プロンプトで、svcadm disable application/gdm2-login と入力します。

      3. 再度スーパーユーザーとしてログインします。

    • dtlogin を使用する場合は、次の手順を実行します。

      1. dtlogin ウィンドウで、「オプション」をクリックし、「コマンド行ログイン」を選択します。

      2. スーパーユーザーとしてログインします。

  6. 新しい xorg.conf ファイルを作成します。


    # /usr/X11/bin/Xorg -configure
    

    ルート (/) ディレクトリに xorg.conf.new が作成されます。

  7. 新しい構成ファイルを /etc/x11 ディレクトリにコピーし、ファイルの名前を xorg.conf に変更します。


    # cp /xorg.conf.new /etc/X11/xorg.conf
    
  8. このファイルの設定を変更します。

    • ServerLayout セクションの InputDevice "Mouse0" "CorePointer" 行の下に、Mouse1 として入力デバイスを追加します。次の例を参照してください。


      InputDevice   "Mouse0" "CorePointer"
      InputDevice   "Mouse1"
    • Identifier "Mouse0" 行のある InputDevice セクションで、次の変更を適用します。

      • Option "Device" "/dev/mouse"Option "Device" "/dev/kdmouse" に変更します。

      • Option "Protocol" "auto"Option "Protocol" "VUID" に変更します。

      • 次の新しいオプションを追加します。


        Option    "StreamsModule" "vuid3ps2"

      変更を適用したあとのセクションは、次の例のようになっているはずです。


      Section "InputDevice"
         Identifier  "Mouse0"
         Driver      "mouse"
         Option      "Protocol" "VUID"
         Option      "Device" "/dev/kdmouse"
         Option      "StreamsModule" "vuid3ps2"
      EndSection
    • 上記の InputDevice セクションの下に、新しい InputDevice セクションを作成します。


      Section "InputDevice"
         Identifier  "Mouse1"
         Driver      "mouse"
      	  Option      "Device" "/dev/usb/hid1"
      EndSection

      注 –

      /dev/usb/hid1 は、USB マウスのパスの例です。手順 4 のパスを使用して、/dev/usb/hid1 を置き換えてください。


  9. ファイルを保存し、終了します。

  10. コマンド行セッションからシステムをリブートします。

    • GDM を使用する場合は、次の操作を実行します。

      1. svcadm enable application/gdm2-login と入力します。

      2. システムをリブートします。

    • dtlogin を使用する場合は、システムをリブートします。

  11. アクセス可能な UI を使用するユーザーのアカウントにログインします。

  12. 「起動」メニュー =>「設定」=>「アクセシビリティ」=>「支援技術のサポート」の順にクリックして、支援技術のサポートを有効にします。

  13. システムからログアウトしてから、アクセス可能な UI を使用するユーザーのアカウントに再度ログインします。

  14. 端末ウィンドウを開き、次のコマンドを入力します。


    % /usr/sfw/bin/gok --select-action=switch1
    
  15. GOK ウィンドウで、「GOK」をクリックし、「設定」を選択します。

  16. アクセス可能な UI を使用するユーザーの要件に応じて、GOK を設定します。GOK を設定せずに現在の設定を受け入れる場合は、「GOK の設定」ウィンドウで「適用」をクリックしてから「了解」をクリックします。

  17. GOK を終了してから、「起動」メニュー =>「アプリケーション」=>「アクセシビリティ」=>「オンスクリーンキーボード」の順にクリックして GOK を再起動します。次の警告メッセージが表示される場合があります。


    The device you are using to control GOK is
    also controlling the system pointer.
  18. 「了解」をクリックします。

  19. GOK を終了してから、手順 14 〜 17 を繰り返します。

    警告メッセージは表示されなくなります。

x86: dtremote を使用すると GNOME アプリケーションが失敗する (6278039)

リモートログインして gnome-at-properties のアクセシビリティーを有効にすると、GNOME アプリケーションは起動しません。GNOME アプリケーションを起動しようとすると、次のエラーメッセージが表示されます。


** ERROR **: Accessibility app error:
 exception during registry activation from id:
 IDL:Bonobo/GeneralError:1.0
  aborting...

回避方法: ありません。dtremote を使用してログインするときには、アクセシビリティーを有効にしないでください。

アクセシビリティーが無効になっているデフォルトのデスクトップ設定に戻すには、GNOME セッションを閉じます。次のコマンドを実行します。


% gnome-cleanup

一部の表示オプションを使用すると、ファイルマネージャーでエラーが発生することがある (6233643)

次の表示オプションを使用すると、ファイルマネージャーでエラーが発生することがあります。

使用する表示オプションに応じて、次のエラーメッセージが表示されることがあります。

回避方法: ありません。これらの問題が発生したら、ファイルマネージャーを再起動するか、クラッシュダイアログボックスで「アプリケーションの再起動」ボタンをクリックしてください。

特定の種類のアーカイブを作成するときの問題 (5082008)

アーカイブ管理を使用して、次の種類のアーカイブを作成することはできません。

回避方法: ありません。