Solaris 10 8/07 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)

Solaris 10 1/06 リリースにおける Solaris インストールの新機能

この節では、Solaris 10 1/06 リリースの次のような新しいインストール機能について説明します。

非大域ゾーンをインストールしている場合の Solaris OS のアップグレード

Solaris ゾーン区分技術には、1 つの Solaris インスタンス、つまり大域ゾーンに、複数の非大域ゾーンを設定する機能があります。非大域ゾーンはアプリケーション実行環境の 1 つで、そこではプロセスがほかのすべてのゾーンから隔離されます。Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、非大域ゾーンがインストールされたシステムが稼働している場合は、標準の Solaris アップグレードプログラムを使用してアップグレードできます。アップグレードに使用できるのは、Solaris の対話式インストールプログラムか、カスタム JumpStart です。非大域ゾーンがインストールされている場合のアップグレードには、若干の制限があります。

Solaris 対話式インストールプログラムの使用方法の詳細は、『Solaris 10 8/07 インストールガイド (基本編)』を参照してください。

x86: GRUB ベースのブート

Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、オープンソースの GNU GRand Unified Boot Loader (GRUB) が x86 ベースのシステムの Solaris OS に採用されています。GRUB の役割は、ブートアーカイブをシステムのメモリーにロードすることです。ブートアーカイブは、root (/) ファイルシステムがマウントされる前のシステム起動時に必要とされる重要なファイルの集合です。ブートアーカイブを使用して Solaris OS をブートします。

もっとも注目すべき変更点は、Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) が GRUB メニューに置き換えられたことです。GRUB メニューにより、システムにインストールされている別のオペレーティングシステムのブートが容易になります。GRUB メニューは x86 ベースのシステムのブート時に表示されます。矢印キーを使用して、インストールする OS インスタンスを GRUB メニューから選択できます。OS インスタンスを選択しないと、デフォルトの OS インスタンスがブートします。

GRUB ベースのブート機能により、次の点が改善されます。

GRUB の詳細については、次の節を参照してください。

作業 

GRUB の作業 

参照先 

インストール 

GRUB ベースのブートの概要 

「x86: GRUB ベースのブート (概要)」

GRUB ベースのブートのインストール計画 

「x86: GRUB ベースのブート (計画)」

GRUB メニューを使用したネットワーク経由のブートおよびインストール方法 

『Solaris 10 8/07 インストールガイド (ネットワークインストール)』「DVD イメージを使用したネットワークからのシステムのインストール」

GRUB メニューとカスタム JumpStart インストール方式によるブートおよびインストール方法 

『Solaris 10 8/07 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』「カスタム JumpStart インストールの実行」

GRUB メニューと Solaris Live Upgrade を使用して、ブート環境をアクティブ化およびフォールバックする方法 

GRUB メニューの menu.lst ファイルの検出

『Solaris 10 8/07 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』「GRUB メニューの menu.lst ファイルの検出 (作業)」

システム管理 

GRUB メニューによるシステム管理作業の実行方法 


注 –

GNU は、「GNU's Not UNIX」の再帰的頭字語です。詳細については、http://www.gnu.org を参照してください。


Solaris リリースのアップグレードサポートの変更

Solaris 10 1/06 以降のリリースは、Solaris 8、9、または 10 リリースからアップグレード可能です。Solaris 7 リリースからのアップグレードはサポートされていません。