Solaris 10 8/07 インストールガイド (ネットワークインストール)

Procedure(省略可能) サーバー認証とクライアント認証にデジタル証明書を使用する方法

WAN ブートインストールでは、PKCS#12 ファイルを使って、サーバー認証またはサーバー認証とクライアント認証の両方を伴うインストールを HTTPS で実行できます。PKCS#12 ファイルを使用するための要件とガイドラインについては、「デジタル証明書の要件」を参照してください。

WAN ブートインストールで PKCS#12 ファイルを使用するには、次の作業を実行します。

wanbootutil コマンドには、上記の作業を実行するためのオプションが用意されています。

セキュリティー保護された WAN ブートを実行しない場合は、この手順は省略してください。セキュリティー保護されていないインストールの準備を続行するには、「カスタム JumpStart インストールファイルの作成」を参照してください。

信頼できる証明書とクライアントの非公開鍵を作成するには、次の手順に従ってください。

始める前に

PKCS#12 ファイルを分割する前に、WAN ブートサーバーの /etc/netboot ディレクトリに適切なサブディレクトリを作成してください。

  1. WAN ブートサーバーで、Web サーバーユーザーと同じ役割になります。

  2. 信頼できる証明書を PKCS#12 ファイルから抽出します。/etc/netboot ディレクトリにあるクライアントの truststore ファイルに、この証明書を挿入します。


    # wanbootutil p12split -i p12cert \
    -t /etc/netboot/net-ip/client-ID/truststore
    
    p12split

    wanbootutil コマンドのオプションです。PKCS#12 ファイルを非公開鍵ファイルと証明書ファイルに分割します。

    -i p12cert

    分割する PKCS#12 ファイルの名前を指定します。

    -t /etc/netboot/net-ip /client-ID/truststore

    クライアントの truststore ファイルに証明書を挿入します。net-ip は、クライアントのサブネットの IP アドレスです。client-ID は、ユーザーが定義した ID か、DHCP クライアント ID です。

  3. (省略可能) クライアント認証を要求するかどうかを決定します。

    • 要求しない場合は、「(省略可能) ハッシュキーと暗号化鍵を作成する方法」に進みます。

    • 要求する場合は、引き続き次の手順を実行します。

      1. クライアントの certstore にクライアントの証明書を挿入します。


        # wanbootutil p12split -i p12cert -c \
        /etc/netboot/net-ip/client-ID/certstore -k keyfile
        
        p12split

        wanbootutil コマンドのオプションです。PKCS#12 ファイルを非公開鍵ファイルと証明書ファイルに分割します。

        -i p12cert

        分割する PKCS#12 ファイルの名前を指定します。

        -c /etc/netboot/net-ip/ client-ID/certstore

        クライアントの certstore にクライアントの証明書を挿入します。net-ip は、クライアントのサブネットの IP アドレスです。client-ID は、ユーザーが定義した ID か、DHCP クライアント ID です。

        -k keyfile

        PKCS#12 ファイルの分割によって作成する、クライアントの SSL 非公開鍵ファイルの名前を指定します。

      2. クライアントの keystore に非公開鍵を挿入します。


        # wanbootutil keymgmt -i -k keyfile \
        -s /etc/netboot/net-ip/client-ID/keystore -o type=rsa
        
        keymgmt -i

        クライアントの keystore に SSL 非公開鍵を挿入します

        -k keyfile

        前の手順で作成したクライアントの非公開鍵ファイルの名前を指定します

        -s /etc/netboot/net-ip/client-ID/keystore

        クライアントの keystore へのパスを指定します

        -o type=rsa

        キータイプとして RSA を指定します


例 11–6 サーバー認証用の信頼できる証明書を作成する

次の例では、サブネット 192.168.198.0 にあるクライアント 010003BA152A42 に対して、PKCS#12 ファイルを使ってインストールを行います。このコマンド例は、client.p12 という名前の PKCS#12 ファイルから証明書を抽出します。このコマンドは次に、この信頼できる証明書の内容を、クライアントの truststore ファイルに挿入します。

これらのコマンドを実行する前に、まず Web サーバーユーザーと同じユーザー役割になる必要があります。この例の場合、Web サーバーユーザー役割は nobody です。


server# su nobody
Password:
nobody# wanbootutil p12split -i client.p12 \
-t /etc/netboot/192.168.198.0/010003BA152A42/truststore
nobody# chmod 600 /etc/netboot/192.168.198.0/010003BA152A42/truststore

WAN ブートインストールの続行

デジタル証明書を作成したあと、ハッシュキーと暗号化鍵を作成します。手順については、「(省略可能) ハッシュキーと暗号化鍵を作成する方法」を参照してください。

参照

信頼できる証明書の作成方法については、wanbootutil(1M) のマニュアルページを参照してください。