ここでは、Solaris Live Upgrade を使ってアップグレードする例を簡潔な手順を追って説明します。
詳しい手順については、「非大域ゾーンがシステムにインストールされている場合に Solaris Live Upgrade でアップグレードする (作業)」を参照してください。
次の例では、非大域ゾーンがインストールされているシステムをアップグレードする手順について簡潔に説明します。この例では、Solaris 10 リリースが稼動しているシステムで、lucreate コマンドを使って新しいブート環境を作成します。このシステムには非大域ゾーンがインストールされており、そのゾーンの独立したファイルシステムは共有ファイルシステム zone1/root/export 上にあります。この新しいブート環境を、luupgrade コマンドを使用して Solaris 10 8/07 にアップグレードします。アップグレードしたブート環境を、luactivate コマンドによってアクティブ化します。
この手順では、システムでボリュームマネージャーを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャーを使用したリムーバブルメディアの管理の詳細は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』を参照してください。
必要なパッチをインストールします。
http://sunsolve.sun.com で最新のパッチリストを確認してください。SunSolve の Web サイトで、infodoc 72099 を検索してください。この例では、/net/server/export/patches がパッチへのパスです。
# patchadd /net/server/export/patches # init 6 |
Solaris Live Upgrade パッケージを現在のブート環境から削除します。
# pkgrm SUNWlucfg SUNWluu SUNWlur |
Solaris DVD または CD を挿入します。次に、ターゲットリリースから交換用の Solaris Live Upgrade パッケージをインストールします。
SPARC システムの場合:
# pkgadd -d /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/Product SUNWlucfg SUNWlur SUNWluu |
x86 システムの場合:
# pkgadd -d /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Product SUNWlucfg SUNWlur SUNWluu |
ブート環境を作成します。
次の例では、newbe という新しいブート環境が作成されます。ルート (/) ファイルシステムは、c0t1d0s4 上に配置されます。現在のブート環境にある非大域ゾーンがすべて、新しいブート環境にコピーされます。zonecfg add fs コマンドを使って独立したファイルシステムを zone1 に対して作成してあります。この独立したファイルシステム /zone/root/export は、個別のスライス c0t1d0s1 上に配置されます。このオプションを使用すると、独立したファイルシステムが現在のブート環境と新しいブート環境の間で共有されなくなります。
# lucreate -n newbe -m /:/dev/dsk/c0t1d0s4:ufs -m /export:/dev/dsk/c0t1d0s1:ufs:zone1 |
新しいブート環境をアップグレードします。
この例では、/net/server/export/Solaris_10/combined.solaris_wos がネットワークインストールイメージへのパスです。
# luupgrade -n newbe -u -s /net/server/export/Solaris_10/combined.solaris_wos |
(省略可能) ブート環境がブート可能であることを確認します。
lustatus コマンドは、ブート環境の作成が完了したかどうかを報告します。
# lustatus boot environment Is Active Active Can Copy Name Complete Now OnReboot Delete Status ------------------------------------------------------------------------ c0t1d0s0 yes yes yes no - newbe yes no no yes - |
新しいブート環境をアクティブにします。
# luactivate newbe # init 6 |
ブート環境 newbe がアクティブになりました。
(省略可能) 別のブート環境にフォールバックします。新しいブート環境が実行可能でない場合、または別のブート環境に切り替える必要がある場合は、第 6 章「障害回復: 元のブート環境へのフォールバック (作業)」を参照してください。